構造創薬研究グループ(つくばセンター)
◇研究紹介◇
新規活性を持つ遺伝子や化合物を大規模に探索
動物・植物・微生物の培養細胞を用いて、生体分子の活性を評価するためのスクリーニング系を構築します。大規模解析により新規遺伝子や化合物を同定し、有用分子の選抜や最適化を行います。
- ゲノム編集、miRNA、蛍光タンパク質等の手法を組み合わせて、薬剤評価に有用な細胞を創出します。
- タンパク質を細胞内に直接デリバリーする方法を開発し、ゲノム編集や抗体治療へと応用します。
- 感染症治療薬・診断薬・農薬の開発につながる遺伝子や化合物の高速最適化(進化)を実施します。
タンパク質の立体構造を見て有用分子を創出
立体構造解析により、タンパク質や核酸等による分子認識の原理を解明し、その情報をもとにして創薬につながる分子を設計します。遺伝子工学的にタンパク質を改変し、創薬や診断薬へと活用します。
- 構造解析の確実性を高めるため、解析に必要となるタンパク質の発現や精製の手法論を開発します。
- 相互作用解析の工程を効率化するため、結晶構造解析やNMR解析で自動化装置を活用します。
- 構造解析の結果を定量的かつ高精度に理解するため、計算機によるシミュレーション解析を利用します。
◇業績リスト◇
|2024年|2023年|2022年|2021年|2020年|2019年以前|
◇関連トピックス◇
- 企業との成果「PCR作業時に検体の取り違えを防ぐデザイン」
- 2022/08/30 プレスリリース「新型コロナウイルスの感染を阻害するペプチドを発見」
◇技術シーズ紹介◇
◇メンバー◇
氏名 | 役職 | 研究テーマ | 研究内容 |
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加藤 義雄 | 研究グループ長 |
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創薬(治療薬・診断薬・農薬)に結びつく革新技術を開発に向けて、ゲノム工学・RNA工学・タンパク質工学を通じて新しい分子ツールを開発しています。多様なニーズに応えられるよう、立体構造情報を利用した合理設計と、培養細胞を使ったハイスループット評価系により、候補分子の進化(最適化)を実施しています。 |
山崎 和彦 | 主任研究員 |
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NMR分光法およびX線結晶解析などの構造生物学的手法により、生体高分子の立体構造決定とそれに基づく分子認識機構の解析を行っています。疾患の治療法開発に資する題材を用いるとともに、NMR分光法の技術を活かし、創薬加速化のための技術開発を行っています。 |
久保田 智巳 | 主任研究員 |
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タンパク質の立体構造の情報は、タンパク質の機能を制御するための改変を導入したり、結合する化合物をデザインするために必須の情報です。タンパク質の立体構造を基にして、タンパク質の産業利用を可能にするような改変をデザインしたり、タンパク質の機能を制御する薬剤設計を行っています。また、構造解析の効率を高めるためAIの利用に取り組んでいます。 |
竹下 大二郎 | 主任研究員 |
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RNAプロセシングや翻訳制御に関わるタンパク質因子をターゲットとした構造機能解析を実施しています。構造情報に基づいて、阻害剤となる低分子化合物の創出やタンパク質の高機能化を目指した研究を進めています。 |
古旗 祐一 | 主任研究員 |
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細胞現象を自由自在に操作・観察するためのバイオテクノロジーを開発します。遺伝子高速進化・タンパク質デリバリー・RNA工学など多角的な要素技術を用いて、未来のバイオ産業に有用な基盤技術の開発を目指します。 |
高木 悠友子 | 研究員 |
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寄生原虫が引き起こす病気には人獣共通感染症も多く、公衆衛生だけでなく畜産業にも大きな打撃を与えています。ユニークな生態をもつ原虫の細胞プロセスを解明することで、創薬研究の支援や有用酵素のツール化に繋がる知見の創出を目指します。 |
西尾 天志 | 研究員 |
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半屈曲性高分子である長鎖DNAは、細胞内外の環境要因の変化に応答して様々にその大局的な構造を変化させています。私は、蛍光顕微鏡や原子間力顕微鏡(AFM)を用いた長鎖DNAの一分子観察手法を中核として、DNAの高次構造と遺伝子活性の関係について研究を行っています。 |
西島 菜々美 | 研究員 |
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ヒト培養細胞にペプチドを提示させ、薬理活性を示すペプチドを探索する系を確立します。また、X線構造解析により、標的分子とペプチドの相互作用を解析します。 |