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企業との連携 Cooperation with companies

企業との成果

マイクロバイオーム解析の精度管理のための人工核酸標準物質
16S DNA Quantitative Standard for Microbiome

多種類の微生物種で構成されるマイクロバイオームは、地球環境の保全から人の健康に至るさまざまな場面で重要な役割を担っています。その解析には次世代シーケンサーが広く利用されています。私たちは、マーカー遺伝子として16SリボソームRNA(rRNA)遺伝子を標的としたマイクロバイオーム解析(次世代シーケンサーによるアンプリコン解析)を想定した精度管理のための人工核酸標準物質を開発しています。この標準物質は、細菌の持つ遺伝子を模擬した人工的な塩基配列を持つ複数種の核酸分子であり、マイクロバイオーム解析時に内部標準としてマイクロバイオーム試料に添加して使用することができます。個々の試料における毎回の解析について精度管理や、分類群毎の絶対定量を可能とするものです。2024年07月30日に、本成果を活用して開発された製品がタカラバイオ株式会社から販売開始されました。

関連成果:
Tourlousse D, et al. Synthetic spike-in standards for high-throughput 16S rRNA gene amplicon sequencing. Nucleic Acids Res. 2017 Feb 28; 45(4): e23.

プレスリリース:
産総研プレスリリース

開発メンバー:
Tourlousse Dieter、関口 勇地 等

製品紹介:
細菌叢解析における絶対定量を可能とする標準物質を新発売
16S DNA Quantitative Standard for Microbiome

開発メンバー:

Tourlousse Dieter

Tourlousse Dieter

関口勇地

関口 勇地

ドロップレット用微生物検出試薬On-chipⓇFNAP-sort

環境中に存在する多種多様な微生物は、我々の生活に密接に関係しています。これら微生物を環境より分離・培養し、応用することが、学術・産業・医療などの様々な分野で期待されています。近年、この環境中に存在する多種多様な微生物の分離培養方法として、直径数十〜数百μm程度のサイズのwater-in-oil (w/o) ドロップレットと呼ばれる油中に分散する微小水滴が注目されています。
我々は、w/oドロップレット内部で微生物の増殖を高感度に蛍光検出する核酸プローブを開発しました。この微生物増殖検出技術を、学術・産業界の様々なユーザーに使っていただくために、株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズにライセンシングし販売を開始しました。これにより、ユーザーが様々な環境中から、微生物を分離・培養し、応用することが期待されます。環境中からの産業用微生物や機能性産業有用酵素のスクリーニングにご興味ありましたら、お気軽にお問い合わせください。

関連特許情報:

  • 特許登録番号 6942381
  • 発明の名称 water-in-oil エマルション培養における蛍光を用いた細胞増殖検出方法
  • 発明者 野田尚宏、森田雅宗、松倉智子、他

松倉智子 野田尚宏 森田雅宗
バイオアナリティカル研究グループ

PCR作業時に検体の取り違えを防ぐデザイン

臨床検査や医薬品開発では、多種類の検体を迅速に取り扱うことが求められています。たとえばウイルス診断や遺伝子診断等に利用されるPCR検査においては、96検体を同時に扱う「マルチウェルプレート」が、業界標準として利用されています。ところが、従来製品では検体の投入位置を見間違えやすかったため、ヒューマンエラーによる誤操作(検体の取り違え)が深刻な問題となっていました。

この問題に立ち向かうため、私たちは、正確かつ迅速に検査できる新しいデザインのマルチウェルプレートを開発しました(特許第6044916号)。手前斜めの方向からマルチウェルプレートを見て作業する、という作業者の目線に着目し、ウェルの周壁にID文字をつけることによって誤操作を減らすことに成功しました。すでに製品化されているPCRプレートラックだけではなく、医薬品開発に使用される細胞培養プレートや化合物プレート等にも応用展開が可能です。

企業紹介ページ:詳細(https://up.n-genetics.com/categories/products/21983/

関連特許情報:

  • 特許登録番号 6044916
  • 発明の名称 マルチウェルプレート
  • 発明者 加藤義雄
加藤義雄顔写真

加藤義雄
構造創薬研究グループ長

ニワトリゲノム編集で鶏卵内に有用組換えタンパク質を量産

バイオ医薬品など組換えタンパク質の需要は拡大を続けています。現行の培養細胞を用いた組換えタンパク質生産は膨大な設備投資費や生産管理費、様々な知財利用料などを必要とし、高いコストが問題です。そこで、培養細胞の代わりに遺伝子組換え生物を用いた「生物工場」が高コスト問題の解決策として世界中で研究が進められています。私たちはニワトリゲノム編集により、鶏卵内に組換えタンパク質を高効率に発現する技術を世界に先駆けて開発しました。また、ゲノム編集に国産技術のCRISPR/Cas3を適用することでCRISPR/Cas9の知財問題を回避し、企業が産業利用を行いやすくしています。培養設備を必要としない画期的な組換えタンパク質大量生産技術を多くのユーザーに使っていただくため、コスモバイオ株式会社に技術を移転し受託生産事業を開始しました。培養細胞を用いた組換えタンパク質製造法では難しい低コスト化、超大量生産、タンクフリーの製造、製造ラインの高い拡張性などの様々なメリットが期待されます。バイオ医薬、動物医薬、産業用酵素、研究試薬、食品加工、素材タンパク質等お気軽にお問い合わせください。

企業紹介ページ:詳細(https://www.cosmobio.co.jp/product/detail/mass-scale-recombinant-protein-production-service-using-chicken-egg-bioreactor-tmg.asp?entry_id=35906

関連特許情報:

1.

  • 特許登録番号:6644276
  • 発明の名称:家禽始原生殖細胞の遺伝子改変方法、遺伝子改変された家禽始原生殖細胞、遺伝子改変家禽の生産方法及び家禽卵
  • 発明者:大石勲

2.

  • 特許登録番号:6710825
  • 発明の名称:遺伝子改変家禽卵
  • 発明者:大石勲
大石勲顔写真

大石勲 研究副部門長(現 健康医工学研究部門長)