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研究グループ紹介 Group Introduction

バイオアナリティカル研究グループ

研究紹介

生命現象の謎を解き明かし、生体の機能をより詳しく理解することは創薬基盤技術・医療基盤技術の開発にとって重要です。生体の機能を調べるためには細胞・微生物を観察・評価したり、核酸やタンパク質などの生体分子の量や動きを正確に解析したりするための生体分子解析技術が必要となります。生体分子解析技術とは、PCR法やDNAシークエンサー、蛍光顕微鏡などのバイオテクノロジーの分野で広く利用される計測技術です。いまでこそ当たり前のように利用されているこれらの技術も開発当初は様々な試行錯誤が繰り返された歴史的経緯があり、それらの研究開発により革新が起こり研究が進歩しています。当研究グループでは生体分子解析技術の簡便化・低コスト化・高精度化・標準化を志向しつつ、世の中を変えるような新しい技術の開発やそれらを生体機能の解明へと応用展開することを目標に研究を行っています。

1:バイオテクノロジーの標準化への貢献

ISOにおいてバイオテクノロジーの技術委員会(TC276)が2013年に設立され、細胞計測や生体分子解析技術の国際標準化が進められています。細胞計測においては顕微鏡を用いたイメージング技術などが生体分子解析技術においてはPCR法などの技術が含まれます。当研究グループでは分析技術の標準(文書)化や標準物質の開発を通してバイオテクノロジーのルール作りを進めています。これらの活動を通してバイオ標準の国際舞台で世界をリードできるような人材育成も目標としています。

2:Water-in-oilドロップレットを用いた微生物培養

Water-in-oilドロップレットを用いた微生物培養Water-in-oilドロップレットとは、油相中に微小水滴を分散させた状態を言います。専用の装置を使用することで、直径30 µm〜100 µm程度の微小水滴を一度に数十万単位で作製することが可能となります。これら微小水滴同士はオイルによって隔てられているため、独立したコンパートメントとして利用できます。私たちの研究では、これら微小水滴を培養器として利用することでハイスループットな微生物培養手法の構築を試みています。

3:生命システムの理解を目指したボトムアップ型人工合成細胞モデルの創製

生命システムの理解を目指したボトムアップ型人工合成細胞モデルの創製細胞は,細胞膜に覆われた微小空間内で,核酸,タンパク質などの様々な生体分子が複雑に絡み合って形成されています。我々は細胞膜と同様の脂質二分子膜で形成されたリポソーム(人工細胞膜)と呼ばれる材料をベースに,人工細胞膜の動きや形の解析,作る技術開発,内部での化学反応,生きた細胞との融合によるハイブリッド人工細胞の創製など,生命システムの理解やボトムアップ合成生物工学の技術開発と応用の研究に取り組んでいます。目標は,環境に応答し,コミュニケーションし,行動することができる人工システムを創り,将来的には自己進化し,適応するシステムの実現です。

4:質量分析を基盤とした高精度代謝解析システムの開発と応用

質量分析を基盤とした高精度代謝解析システムの開発と応用MALDI-MSを基盤とした低分子量代謝物分析に対する有用性にいち早く着目し、一連の技術開発を精力的に行ってきています。これまでに、数十〜数百細胞を用いて高い再現性・定量性で運用可能な超高速代謝プロファイリング技術の開発に成功しています。また、組織内微小領域における代謝動態可視化の成、微量投与成分およびその薬物代謝生成物の同時可視化、ヒト臨床検体を用いた高精度がん診断用代謝バイオマーカーの開発などに成功しています。
これらのオンリーワン技術である「MALDI-MSを中心とした代謝物測定技術」の先鋭化により、1細胞レベルの表現型・機能・多様性・個性を理解するために必須となる生体物質・分子情報を定量的・網羅的に極限の精度と分解能で解析・制御するための基盤技術・ツールの構築を目指しています。

5:蛍光相関解析技術による分子機能の可視化

蛍光相関解析技術による分子機能の可視化核酸やタンパク質のような機能性生体分子はそれぞれが分子の形を変えながら結合/解離を繰り返し、ダイナミックに動き回ることによってその機能を発揮しています。しかし、このような分子の動態ならびに機能を直接観察することは容易ではありません。私たちは1分子計測法の一つである蛍光相関解析法を用いて水溶液中や細胞内で動き回る分子の挙動を観察・定量し、分子の「機能」を可視化する新しいイメージング法の開発を行っています。同時に、私たちは分子の数を正確に定量する技術を開発しています。分子の数を計測することは分子が引き起こす生命現象を正確に理解することにつながります。時々刻々と変化する分子の動態と数を読み解くことによって、生命現象のメカニズムに迫る研究が可能になると考えています。
また、蛍光イメージングにおける定量値の妥当性や互換性を検証し、バイオイメージング分野の標準化に貢献します。

6:ヒトマイクロバイオームのための計測インフラストラクチャの確立と応用

ヒトマイクロバイオームのための計測インフラストラクチャの確立と応用ヒトマイクロバイオームの微生物叢解析法の開発と応用を目指しています。 具体的には、複雑な微生物叢のためのメタゲノミクス解析の信頼性を向上させるために、合成DNA 標準物質/細胞標準物質などの新しい計測ソリューションを確立することを目的としています。そして、ヒトの微生物叢に関する研究開発から産業応用を加速してヒトの健康を向上させることを目指しています。 さらに、腸内細菌叢と健康や病気との関係を調査し、新しい治療法を確立するための基礎となる重要な微生物を特定し、培養することも目的としています。

7: 微生物細胞におけるストレス応答機構の解明

微生物細胞におけるストレス応答機構の解明 Toxin-Antitoxin機構は原核生物に広く保存されているストレス応答機構で あり,毒性タンパクであるToxinと抗毒性タンパクであるAntitoxinから構成さ れます。通常,AntitoxinがToxinと複合体を形成することでToxin分子の毒性 が抑制されてますが,微生物がある種の環境ストレスに曝された際,Antitoxin の分解が起き,Toxinが細胞内で遊離,微生物の増殖が抑制されます。Toxin分 子の中でも,細胞内RNAを切断し微生物の翻訳を制御するものは「RNA干渉酵 素」と総称されています。当研究室ではこれらRNA干渉酵素を取得し,超並列 シーケンシング法や蛍光消光現象を用いることで,その基質特異性や酵素特性 を調べています。これにより微生物のストレス環境下での生存に本酵素がどの ように寄与しているのか?を明らかにしたいと考えています。またRNA切断と いうその特徴を活かし,生物工学的応用を試みています。

業績リスト

2021年2020年2019年2018年2017年2016年2015年

メンバー

バイオアナリティカル研究グループ