生体分子創製研究グループ(関西センター)
◇研究紹介◇
1)タンパク質の構造機能解明と人工タンパク質の創製:
タンパク質の構造機能相関を解明し、分子会合の制御を含めた人工タンパク質分子のデザイン、酵素機能の改変を目指します。PDB構造データに基づく新規人工タンパク質の創製と天然繊維素材とのハイブリッドを通しての生理活性タンパク質の素材利用手法の開発を行っています。
2) 微生物プロセスの高度化:
微生物の有性生殖を制御し、細胞機能を改変・統合することで、有用物質の生産に適した菌株を創製する。
3)生分解性高分子材料の開発と利用:
生分解性であるポリアミド4やポリ乳酸、そのステレオコンプレックス、ウレタン系ポリマーを対象に、フィルム、不織布、発泡成形体や複合材料の海洋をはじめとする環境分解性や生体内分解性を調べるとともに、生体分子や天然高分子との複合による機能化について研究を行っています。また、生分解の促進抑制を制御するための技術開発にも取り組んでいます。
これらにより、新たな生体分子を創製しその利用法を開発します。
◇業績リスト◇
|2024年|2023年|2022年|2021年|2020年|2019年以前|
◇関連トピックス◇
- 2025/01/28 プレスリリース「沿岸域でのポリヒドロキシ酪酸(PHB)生分解のカギは微生物叢の多様性」
- 2024/12/03 プレスリリース「新たなバイオベース接着剤のハッケン!自動車用構造材をミドリムシ由来材料で接着」
- 2024/12/01 広報誌「ざ・らいふ」2024年12月号p5. 生体分子創製研究グループ紹介
- 2024/9/01 広報誌「ざ・らいふ」2024年9月号p6. 若手紹介 日野彰大研究員
- 2024/01/26 プレスリリース「生分解性プラスチックは深海でも分解されることを実証」
- 2023/10/19 受賞「令和5年度産業標準化貢献者表彰(産業技術環境局長表彰)受賞 」
- 2023/04/21 受賞「産業技術支援フェア in Kansai 2022 Interesting Panel賞受賞」
- 2023/04/19 研究成果「Bioconjugate Chemistry誌掲載、Supplementary Coverに採用」
◇技術シーズ紹介◇
- 中山 敦好 [PDF:1.08MB]
- 川崎 典起 [PDF:1.12MB]
- 峯 昇平 [PDF:1.06MB]
- 星野英人 [PDF:1.11MB]
- 氷見山 幹基 [PDF:1.16MB]
- 日野 彰大 [PDF:278KB]
◇メンバー◇
氏名 | 役職 | 研究テーマ | 研究内容 |
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三谷 恭雄 | 副研究部門長/研究グループ長 |
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新規発光生物の探索から、その発光分子機構解明、発光機能の進化について、ルシフェラーゼやルシフェリンを対象とした研究を行っています。さらにそれら発光を担う分子を利用した各種検出技術開発に向けた研究も実施しています。 |
中山 敦好 | キャリアリサーチャー |
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環境に優しいバイオプラスチックの開発研究を行っており、生分解性材料ではポリアミド4、乳酸系ポリマー、ポリウレタン、スイッチ型機能性生分解材料やその他の材料開発を進めています。また、海洋での生分解挙動の解明と国際標準化に向けた生分解評価技術の開発を行っています。 |
川崎 典起 | 主任研究員 |
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ポリアミド4はバイオマスから生産可能な2-ピロリドンの開環重合により合成でき、生分解性、優れた熱的・機械的性質を持っています。開始剤の選択により多様な構造のポリアミド4が得られ、主鎖のアミド基の化学修飾も可能です。これらの特徴を活かして、新規のエコマテリアルやバイオマテリアルの開発を目指します。 |
峯 昇平 | 主任研究員 |
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タンパク質は、熱に弱く、産業界では実用化し難いという問題があります。研究者は、超好熱性微生物(生育温度は100℃以上)の超耐熱性酵素の解析に長年携わった結果、タンパク質の耐熱性を特徴付ける領域の特異性を発見しました。本技術を利用し、産業用タンパク質の実用化を進めています。 |
星野 英人 | 主任研究員 |
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即知の蛋白質・ドメインを組み合わせ新規人工蛋白質を創出し、これらをキチン・セルロース素材と複合化させ、誰にでも手軽に活用可能な基板技術開発を進めています。目下、蛍光蛋白質、ルシフェラーゼ、VHH抗体、抗菌ペプチドなどを対象としております。従来に無い、各種機能性蛋白質の活用法の開発を目指しています。 |
氷見山 幹基 | 主任研究員 |
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機能性分子の導入によるタンパク質の構造・機能改変を行っています。分子修飾によるタンパク質集合体の構造制御や、触媒分子の導入による人工酵素の作製を行ってきました。エックス線結晶構造解析を駆使してタンパク質の構造機能相関を明らかとし、機能向上を目指しています。また、バイオものづくりの観点から生体由来多糖をベースにした材料創製に取り組んでいます。 |
日野 彰大 | 主任研究員 |
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生分解性プラスチックの海洋における生分解性評価と評価方法の標準化に取り組んでいます。また、使用中は物性を維持し、使用後に分解が開始するような生分解性制御技術を開発し、耐久性・実用性と生分解性の両立を目指します。さらに、ボールミルを用いた新規機能性材料の開発も行っています。 |
秋山 健太郎 | 研究員 |
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私は分子生物学と生化学を基に、有用な生体分子の研究を行っています。現在、微細藻類が作る多糖の生合成経路の解明や大量生産システムの構築に注力しています。将来的には育種・培養・製品化まで一貫したプロセスを確立します。また、微細加工した電極を用いた機能性物質の検出や高分子の化学修飾の研究も進めています。 |