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研究グループ紹介 Group Introduction

先端ゲノムデザイン研究グループ(関西センター)

◇研究紹介◇

当研究グループは微生物や高等生物の解析に基づく優れたバイオテクノロジーの開発を目指しています。特に新しいゲノム編集技術やDNAメチル化網羅的解析技術の開発、微生物を用いた物質生産やバイオコントロール技術開発、小型魚類や家禽ゲノム編集による産業技術開発などを行っています。

国産ゲノム編集法を医療・環境・農業・産業へ

生物の抗生物質耐性獲得機構の解析から明らかになった、新たな進化機構“自己ゲノム編集機構 PODiRシステム”を解析して、生物の設計図であるゲノムを改変・デザインする新しい国産のゲノムの編集方法の開発を行っています。この手法を用いて、新たな有用生物の創製(育種)や院内感染の原因菌や抗生物質耐性菌の抑制法の提案や新規抗菌薬の開発、さらには遺伝子疾患の予防・治療法の確立を目指しています。

出芽酵母の有性生殖制御技術にもとづく交雑育種

出芽酵母の優良菌株を育種することで、食品等の生産性・品質向上が期待されます。交雑育種法では、性質が異なる2種類のa/α型酵母(親株)から生まれたa 型とα型の酵母を、人工的に掛け合わせて新株を創製していきます。当グループでは酵母の交雑効率を飛躍的に向上させることに成功しています。従来交雑が困難であった組み合わせの酵母にも適用可能であることから、産業価値の高い優秀な菌株の創出を目指し、本技術の高度化を進めています。

ゲノム編集された生物におけるDNAメチル化状態の解析法の開発

ゲノム編集された細胞や生物におけるDNAメチル化状態やその状態の変化に対する網羅的に解析するための方法の開発を進めています。特に脱メチルシトシン反応の中間体であるグアニン・脱塩基を着目し、グアニンのビオチン化反応の開発や脱塩基を有するゲノムDNAのNGSによる解析法の確立を目指しています。

グアニン・脱塩基サイトを有するゲノムDNAの断片のビオチン化とその配列の決定

ゲノム編集生物の産業応用

メダカやゼブラフィッシュといった小型魚類やニワトリなど家禽をゲノム編集し、産業利用する技術の開発を行っています。体内が透けて見える小型魚類の特性を利用し、生体をまるごと用いる新しい創薬スクリーニング系を開発しています。また、ニワトリをゲノム編集し、卵のアレルギー成分を取り除いたり、卵白に役に立つ組換えタンパク質を大量に生産させることに成功しています。

魚類ー微生物相互作用の解明による魚病抑制技術の開発

魚類の健康状態や病気予防と関連する魚類微生物情報の解析や、魚類常在菌を利用した健康促進・魚病抑制バイオコントロール技術の開発を目指しています。



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◇業績リスト◇

2024年2023年2022年2021年2020年2019年以前

◇関連トピックス

◇技術シーズ紹介◇

◇メンバー◇

氏名 役職 研究テーマ 研究内容

福田展雄

福田 展雄
研究グループ長
  • 出芽酵母の有性生殖制御技術にもとづく交雑育種
  • 高次倍数体のDNA安定性評価
  • 細胞内シグナル伝達の解析および改変
出芽酵母の優良菌株を育種することで、食品等の生産性・品質を向上することが期待されています。交雑育種法では、性質が異なる2種類の酵母を、人工的に掛け合わせて新株を創製していきます。これまでに、従来は交雑育種が困難であった醸造用酵母の交雑効率を飛躍的に向上させることに成功しています。

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間世田英明

間世田 英明
上級主任研究員
  • 日本発ゲノム編集技術(PODir型ゲノム編集)の開発
  • 生物の多様性・個性の発現機構の解明
  • 迅速疾病遺伝子の同定システムの開発と優良品種のバーコード化
生物のゲノムに隠された自己ゲノム編集機構(PODiRシステム)を見いだし、生物が自らのゲノムを環境に合わせ編集していることを発見しました。本機構を解析、mimic利用することで人為的なゲノム改変、細胞の多様性の発現機構の解明、疾病変異の同定、さらには種のゲノムの指紋として簡易品種同定を可能となりました。

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呉純

呉 純(Wu Chun)
生命工学領域研究企画室 企画主幹/先端ゲノムデザイン研究グループ付
  • 生物発光を利用した遺伝子発現レポーターアッセイ
  • 生物発光を利用した個体イメージングプローブの開発
  • メチルシトシンの脱メチル化反応の中間体の検出法
ウミホタル発光系を用いた遺伝子発現レポーターアッセイの開発やグリオギザール化合物類によるゲノムDNA中のメチルシトシンの脱メチル化反応の中間体のビオチン化および次世代シーケンシングによるその位置の検出法の開発、ならびに新しい脂質ナノ粒子による核酸の細胞へのデリバリ過程の可視化を進めています。

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竹内美緒

竹内 美緒
主任研究員
  • 魚類体表常在微生物の特性解明
  • 魚類腸内常在細菌・ウィルスの解明と産業への活用
  • 魚類体表微生物コントロールによる魚病抑制技術開発
国際的に主要な産業である水産養殖業の課題である魚病対策等に資するため、魚類常在微生物の獲得、機能解明並びにこれらを利用したバイオコントロール技術開発を目指しています。

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迎武紘

迎 武紘
研究員
  • Tgニワトリを用いた組換えタンパク質の低コスト大量生産
  • Tgニワトリ由来組換え抗体を用いた低コスト検査技術の開発
  • 卵白からの効率的な組換えタンパク質精製方法の開発
遺伝子組み換えニワトリを用いた組換えタンパク質生産技術である「金の卵」技術を研究しています。これは、ニワトリが卵を産む仕組みを応用したバイオものづくり技術です。これにより組換えタンパク質の圧倒的な低コスト大量生産を実現し、医療費の高騰やプロテインクライシスなど様々は社会課題の解決に貢献します。

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