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研究成果 Research Result

特筆すべき成果

2020/7/29

研究成果紹介
「ゲノムデータベースから抗菌ペプチドを網羅的に探索する方法の開発- 新興・再興感染症に対する新たな研究基盤の構築に向けて -」

概要:
脳機能調節因子研究グループの大塚幸雄主任研究員と稲垣英利主任研究員は、カタユウレイボヤ・ゲノムデータから抗菌ペプチドを網羅的に探索する新たな方法を開発した。
今回、カタユウレイボヤ・ゲノムデータから、ペプチドの大きさ、分泌性、物理化学的性質などを予測する複数のコンピューター・プログラムを組み合わせることによって、抗菌ペプチドの探索を行った。その結果、既知のものを含む22 種類の抗菌ペプチド候補を予測し、複数のバクテリアに対して抗菌性を示す5種類の新規抗菌ペプチドを発見することに成功した。さらに、ネッタイツメガエルのゲノムデータベースに本法を適用したところ、新たな抗菌ペプチドの候補が見つかり、この方法の汎用性も示された。なお、本成果は、2020 年7 月28 日に科学誌Scientific Reports にオンライン掲載された。
詳細→ PDF論文

大塚幸雄

バイオメディカル研究部門
脳機能調節因子研究グループ
大塚幸雄

稲垣英利

バイオメディカル研究部門
脳機能調節因子研究グループ
稲垣英利

2020/7/10

研究成果紹介
「ジャワショウガ抽出成分の脳への効能とそのメカニズムを発見- 認知症症状改善のための創薬研究に期待 -」

概要:
脳機能調節因子研究グループ 平野 和己 主任研究員と 波平 昌一 研究グループ長は、徳島文理大学薬学部 福山 愛保 教授、久保 美和 准教授、株式会社ホソダSHCと共同で、インドネシア原産で食用として栽培されているジャワショウガの抽出成分にヒトの神経細胞の産生を促す効果があることと、その効能発揮に至る仕組みを発見した。
今回、脳の神経細胞を作り出すヒト神経幹細胞を培養し、その細胞を用いて神経細胞の分化に対するジャワショウガ抽出成分と有効成分の一つであるバングレンの効能を評価したところ、両者に神経細胞への分化と神経突起の伸長を促す効果があることを発見した。更に、ジャワショウガ抽出成分が細胞内のβ(ベータ)-カテニンと呼ばれるタンパク質の機能を活性化することで、神経細胞への分化を促しているという効能発揮の仕組みも突き止めた。脳内のβ-カテニンの活性化はアルツハイマー病の症状改善に繋がる可能性があることが報告されているため、今後、アルツハイマー病などの認知症の治療や予防への貢献が期待される。なお、本成果は、2020年7月5日に科学誌International Journal of Molecular Sciencesにオンライン掲載された。
詳細→ PDF論文

平野和己

バイオメディカル研究部門
脳機能調節因子研究グループ
平野和己

波平昌一

バイオメディカル研究部門
脳機能調節因子研究グループ長
波平昌一

2020/3/31

産総研理事長賞2019受賞
「鶏卵バイオリアクター技術の確立と事業化」
受賞者:大石勲・吉井京子・櫻井治久

概要:
近年ヒト抗体等、組換えタンパク質を用いたバイオ医薬品の市場が急拡大している。しかし、高額な生産コストが、バイオ医薬品価格高騰の要因の一つであり、組換えタンパク質の低価格化が課題となっていた。一方、ニワトリと卵は組換えタンパク質の「生物工場」として有望とされてきたが、高精度なニワトリ遺伝子組換え技術の確立と、組換えタンパク質を鶏卵中に安定に大量生産する技術開発が要求されていた。
被表彰者らは、ゲノム編集技術を用いた精緻な遺伝子組換えにより、組換えタンパク質の超低コスト且つ大量生産可能な鶏卵バイオリアクターの基盤技術を、世界で初めて確立し、連携企業とともに受託生産事業化を実現した。この方法は、バイオ医薬品や組換えタンパク質製品生産に高い優位性があり、今後さまざまな産業において鶏卵バイオリアクター技術の社会実装が可能となる。
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大石勲

バイオメディカル研究部門
先端ゲノムデザイン研究グループ長
大石勲

2020/3/31

最新研究成果紹介
「キラル化学修飾による核酸とタンパク質の親和性強化の機構を解明 –核酸医薬品の標的選択性を高める戦略に道- 」


概要:
バイオメディカル研究部門【部門長大西芳秋】構造創薬研究グループ【グループ長加藤義雄】山崎和彦主任研究員、久保田智巳主任研究員、圷ゆき枝テクニカルスタッフ(研究当時)ら、分子複合医薬研究グループ・宮岸真グループ長(現:健康医工学研究部門)は、核酸医薬品開発に用いられるチオリン酸化修飾がタンパク質との親和性を強化する仕組みを立体構造解析の手法によって明らかにした。
チオリン酸化修飾(本研究では一チオリン酸化修飾)は、Rp型ジアステレオマーとSp型ジアステレオマーの等量混合物(ラセミ体)として核酸医薬品などに導入されている。今回、X線結晶構造解析による立体構造決定の結果、異なるジアステレオマーで親和性に違いがあることを明らかにし、その親和性強化の原因となる相互作用を同定することに成功した。この機構をもとに高い親和性を示すジアステレオマーのみを設計し選択的に合成すれば、標的に対する高親和性化が実現でき、その結果として投与量低減による毒性回避が期待できる。この成果の詳細は、2020年3月18日にNucleic Acids Research誌(電子版、オープンアクセス)に掲載された。
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山崎和彦

バイオメディカル研究部門
構造創薬研究グループ
山崎和彦


*2020年3月以前の成果はこちらをご覧ください。過去の特筆すべき成果