第342回 12月6日(金) 11:00-11:30 オンライン(Teams) |
機械学習を用いた構造物の応答塑性率に寄与する地震強度指標の抽出
Machine Learning Identification of Key Seismic Intensity Measures Affecting Structural Ductility
講演者:竿本 英貴(地震災害予測研究グループ)
地震強度指標として地動最大加速度やスペクトル強度(SI値)など多様なものが提案されているが,それらが構造物の応答塑性率(損傷指標の1つ)にどのように影響するかは明らかではない.本研究では,構造物の応答塑性率に大きく寄与する地震強度指標を抽出することを目的とする.まずは1465件のK-NET強震記録について32種類の地震強度指標を算出するとともに1自由度構造物モデルを用いた地震応答解析を実施し,地震強度指標と応答塑性率から成るデータセットを構築した.このデータセットに対し,2種類の機械学習アルゴリズム(Random Forest,XGBoost)をそれぞれ適用し,応答塑性率に対する地震強度指標の寄与度を評価した.この結果,本研究で設定した構造物モデルにおいて,MIV,SI,Armsが応答塑性率に大きく寄与する指標であることがアルゴリズムの違いに依らず示された.
|
第341回 11月29日(金) 11:00-11:30 第7-第2会議室(7-3C 211)・及びTeams |
地震後に観測されたゆっくりとした歪変化-産総研の須崎大谷観測点の場合-
Post-seismic slow strain changes in the case of the SSK observation site of AIST
講演者:北川 有一(地震地下水研究グループ)
南海トラフでの巨大地震の短期・中期予測研究のために,プレート境界での短期的SSEのモニタリングに重点をおいて取り組んでいる.前回のセミナーでは,高知県の土佐清水松尾観測点における地震後の歪変化について,プレート境界の動きではなく,地震の揺れに起因した観測点周辺の局所的な変化と推測されることと歪地震動が誘因している可能性について報告した.今回は,高知県の須崎大谷観測点において同様の歪変化が発生していることを調査した.四国周辺でのM5以上の地震や高知県須崎市で震度2以上の地震の後の歪変化を調査したところ,地震後のゆっくりとした歪変化を7例見つけた.これらの観測結果を紹介する. |
第340回 11月22日(金) 11:00-11:30 オンライン(Teams) |
2024年(令和6年)能登半島地震で石川県珠洲市若山町の若山川沿いに出現した地表変状の特徴
Characteristics of surface deformation along the Wakayama River in Wakayama Town, Suzu City, Ishikawa Prefecture, appeared during the 2024 Noto Peninsula earthquake
講演者:丸山 正(活断層評価研究グループ)
2024年(令和6年)能登半島地震(Mj7.6)では,事前に海底活断層として認定されていた逆断層に沿って海底面を変位させる地震断層が出現したほか,半島北部の海岸が広域にわたって隆起した.一方,半島陸域の珠洲市若山町ではメートルオーダーの崖高を示す明瞭な崖を伴う隆起帯が従来活断層や活褶曲が認められていない場所に出現した.隆起帯を形成する地表変状の詳細を把握することを目的として実施した現地調査,地震前後の数値標高モデルを用いた地形計測および現地測量の結果を報告し,地表変状の形成機構について若干考察する. |
第339回 11月15日(金) 11:00-11:30 第7-第2会議室(7-3C 211)・及びTeams |
活断層としての中央構造線(四国東部)は低角か?高角か?
Whether the MTL active fault system is low-dipping or high-dipping in eastern Shikoku ?
下妻 康平(地震地下水研究グループ)
中央構造線は西南日本を内帯と外帯に分ける長大な地質境界として知られる.九州~紀伊半島にかけては,地表では活断層が概ね地質境界に沿って連なっており,第四紀後半以降,中央構造線は右横ずれの活断層系として活動を続けてきた.四国東部において,地質境界としての中央構造線は30~45°で北落ちしていることが明らかになりつつある(e.g. Kawamura et al. 2003).一方,活断層帯としての中央構造線が北落ち低角か,高角かに関しては議論が続いている.本研究ではGNSS(全球測位衛星システム)に加え,高空間分解能な地殻変動検出が可能なInSAR(干渉合成開口レーダ)を用いて地震間の地殻変動観測を行い,検出した地殻変動場に基づき中央構造線のdip角について議論する. |
第338回 11月8日(金) 11:00-11:30 オンライン(Teams) |
森本・富樫断層帯周辺における雑微動を用いた表面波解析
Surface wave analysis using seismic ambient noise around the Morimoto-Togashi fault zone
講演者:二宮 啓(地震災害予測研究グループ)
森本・富樫断層帯における重点的な調査観測の一環で臨時地震観測網を展開している.本研究では臨時地震観測網で観測された雑振動を用いて表面波解析を行なった.各観測点を中心に最も近い20観測点をアレイとみなして解析を行い,表面波の分散曲線を推定した.さらに,得られた分散曲線をもとにS波速度構造を推定した.その結果,約0.2-0.5Hzの範囲で分散曲線を推定することができた.また,いくつかの観測点において基盤岩のS波速度を推定することがきできた. |
第337回 10月18日(金) 11:00-11:30 第7-第2会議室(7-3C 211)・及びTeams |
S波後続波を用いた日本列島内陸部における地殻内反射面の探索
An explore of crustal reflector using automatically detected S-wave later phase in Japan
講演者:椎名 高裕(地震テクトニクス研究グループ)
我々のグループでは,直達S波のコーダ波部分に観測されるS波後続波の自動検出深層学習モデルの構築を進めている.S波後続波は日本列島内陸部において特に報告の多い後続波であり,地殻内部流体の分布を調べるうえで非常に重要な観測情報である.本研究ではこのS波後続波自動検出モデルを用いて,網羅的に検出された日本列島内陸部のS波後続波の励起源を概観する.S波後続波をS波反射波とみなし行ったイメージングの結果から,日本列島内陸部においてはS波反射波の励起源が主に10-15 km付近に存在し,群発地震活動域や火山周辺に集中して分布している様子が認められた. |
第336回 10月11日(金) 11:00-12:00 第7-第2会議室(7-3C 211)・及びTeams |
石英脈濃集帯はスロー地震の痕跡か?
Title: Are clusters of quartz veins in subduction shear zones the fingerprint of tectonic tremors?
講演者:矢部 優(地震地下水研究グループ)
スロー地震は今や世界中の様々な場所で発見される一般的な現象となっている.通常の地震と同様に断層の滑り運動と考えられるが,通常の地震よりも非常に遅い運動速度を持っており,その具体的な実体については明らかになっていない.スロー地震は高圧間隙流体が存在する場所で発生すると考えられており,そのような場で形成された石英脈濃集帯がスロー地震(特に微動)の地質学的実体ではないかと提案されている.本研究では,地質学的観察から明らかになった石英脈濃集帯の空間スケールをもとに励起される地震波をモデリングし,石英脈濃集帯が微動の実体となりうるのかを検討する.
速度状態依存摩擦が支配する断層での発展則の選択が生み出す多様な地震前クリープ挙動:動的地震サイクルシミュレーションからの知見
Diverse preseismic creep behavior of an RSF fault realized by choice of an evolution law: Insight from dynamic earthquake cycle simulation
講演者:金木俊也(地圏資源環境研究部門 地圏メカニクス研究グループ)
大地震前の断層クリープ挙動の理解は重要である.既往研究の準静的もしくは準動的なモデル計算は,速度状態依存摩擦が支配する断層での発展則の選択が生み出す多様なクリープ挙動を報告した.しかし,モデル計算の結果は初期条件に依存するため,初期条件が滑り履歴に整合して与えられる動的地震サイクルシミュレーション(ECS)の実施が重要である.動的ECSによる地震前クリープの全既往研究は,私が知る限り,発展則としてaging law(AG)を採用している.そこで本研究では,AGを含む三つの異なる発展則について,スペクトル境界積分方程式法による動的ECSを実施し,二次元問題における直線断層の地震前クリープ挙動を調べたので,その結果について報告する. |
第335回 10月4日(金) 11:00-11:30 オンライン(Teams) |
表面照射年代測定を用いた岩手県侍浜における海成段丘の離水年代について
Surface exposure dating results on marine terraces at Samuraihama along the Sanriku coast in Iwate prefecture
講演者:レゲット 佳(活断層評価研究グループ)
東北地方太平洋岸における地殻変動は,沈み込みによるひずみの蓄積と超巨大地震を伴うようなひずみ開放イベントの繰り返しにより引き起こされていると考えられている.三陸沿岸には海成段丘が広く分布することが知られているが,これらは測地学的な過去100年間の観測結果とは異なり,長期的な隆起を示唆する地形である.三陸沿岸では海岸線に沿って南下するにつれ,堆積層の層厚の減少が認められ,三陸における高精度な地殻変動履歴復元の障害の一つとなっていた.そのため本研究では,堆積物に依存しない表面照射年代測定法を低バックグラウンドのキャリアーを用いたブランク試料と長時間のAMS測定によって,Be同位体分析を試みた.測定の結果,試料の10Be/9Be (×10-12) が低位面と高位面で有意に異なり,高位面で高い蓄積量が確認された.加えて,深度プロファイルを用い |
第334回 9月20日(金) 11:00-11:30 オンライン(Teams) |
石川県珠洲市で確認された2024年1月1日能登半島沖地震に伴う津波堆積物の堆積学的・古生物学的特徴
Sedimentological and micropaleontological characteristics of tsunami deposits associated with the 2024 Noto Peninsula earthquake
講演者:嶋田 侑眞(海溝型地震履歴研究グループ)
2024年1月1日能登半島沖地震に伴う津波により形成された石川県珠洲市の津波堆積物の堆積学的・古生物学的特徴を報告する.津波堆積物が海岸線から48m内陸まで確認された一方で,浸水域は少なくとも160m内陸まで達していた.津波堆積物は主に細粒~極細粒砂で構成されていた.最も海側の地点では,海側にleesideを持つクライミングリップルが確認され,その頂部は海岸方向に水平に引きずられ切り落とされていた.発表では,粒度分析の結果と併せて流速の増減や複数の引き波により形成された可能性について考察を行う.津波堆積物中の珪藻化石群集は,大部分で海水~汽水生種が優占したのに対し,陸生種の頻度が高いユニットも確認された.このことから,本研究の津波堆積物が複数の供給源を持つと考えられる. |
第333回 9月6日(金) 11:00-11:30 オンライン(Teams) |
動力学的震源モデルから推定される中央構造線断層帯(四国陸域)の最新イベント像
The latest event on the Median Tectonic Line active fault zone, inland Shikoku, inferred from dynamic rupture simulations
講演者:加瀬 祐子(地震災害予測研究グループ)
中央構造線断層帯(MTL)は,日本で最も活動的な断層帯のひとつである.この長大な断層帯は10の区間に区分されて評価されているが,複数区間が連動する可能性についても,検討すべき課題として挙げられている(地震調査研究推進本部,2017).この断層帯のうち,四国陸域の4区間(讃岐山脈南縁東部区間,同西部区間,石鎚山脈北縁区間,同西部区間)を対象として,連動可能性とその条件を検討するため,地質学的および地球物理学的データに基づいて,活動履歴を考慮した応力場モデルを構築し,動的破壊シミュレーションにより,最新イベントで起こり得た連動のパターンを整理することを試みる.今回は,平均活動間隔と1つ前のイベント年代の組み合わせを見直し,破壊が始まる区間の違いが連動のパターンに与える影響についても検討する. |
第332回 7月26日(金) 11:00-12:00 別棟大会議室・及びオンライン(Teams) |
沖縄県与那国島に分布する正断層の断層帯構造と変形集中過程
Fault zone architecture and deformation localization of the normal fault in Yonaguni Island, Okinawa Prefecture
講演者:大橋 聖和(地震テクトニクス研究グループ)
沖縄県与那国島には,後期更新世の隆起サンゴ礁段丘を約10〜20 m北落ち変位させる活断層が多数分布し,単位面積あたりの断層長は主要活断層帯である宮古島断層帯を超える.発表者らは,海岸沿いに露出する複数の断層露頭において,本断層の性状や発達過程,広域テクトニクスとの関連性を明らかにする調査を行なってきた.島の東部では断層ガウジ・断層角礫帯からなる幅約20 mの断層コアと,その周囲に小規模なカタクレーサイト帯からなる片側幅約60 mのダメージゾーンが分布する.本発表では,区分した断層帯構造,断層帯の幅と変位量との関係性,断層コアへの変形集中過程の3つを紹介する.
布田川断層帯海域延長部(宇土半島北岸区間)を構成する海底活断層
Additional UHR multi-channel seismic reflection survey on offshore
extension of Futagawa fault zone, Shimabara Bay, Kyushu, southwest Japan
講演者:大上 隆史(地震災害予測研究グループ)
布田川断層帯は阿蘇外輪山の西側斜面から島原湾に延びる活断層帯であり,布田川区間・宇土区間・宇土半島北岸区間からなる.本断層帯の東部(布田川区間全体と宇土区間の一部)は2016年熊本地震で活動したとされる.他方で,西部に位置する宇土半島北岸区間は島原湾南部の海域(海岸線付近)に推定されるが,位置形状・過去の活動等が不明である.産総研は文科省委託の活断層調査の一環として島原湾において高分解能反射法音波探査を実施し,2022年度に宇土半島北岸区間を構成する海底活断層の詳細な分布・形状を初めて明らかにした.2023年度には追加の音波探査を実施し,断層帯の南西端位置を検討した.これらの調査の現時点における成果を報告する. |
第331回 7月19日(金) 11:00-11:30 別棟大会議室・及びオンライン(Teams) |
機械学習に基づくテクトニック微動の判別と検出観測点の関連付け:日本海溝S-netへの適用
Discrimination and station association of tectonic tremor signal with machine learning based approaches: application to S-net in the Japan Trench
講演者:寒河江 皓大(地震テクトニクス研究グループ)
テクトニック微動の網羅的検出は, 非地震性すべりなどとの時空間的関係を理解するうえで重要である.機械学習による地震と微動との信号分類は, 微動の検出能力を向上させる可能性があり, 特に地震活動が活発な日本海溝では需要がある. そこで我々は, 機械学習を取り入れた微動の震源決定フローの確立を目指して研究を進めている. 提案フローは3段階に分かれており, (1) 畳み込みニューラルネットワーク(CNN)による地震・微動・ノイズの判別,(2)グラフベースのクラスタリングによる微動検出観測点群の取りまとめ,(3)その観測点群を用いた微動の震源決定である. 本発表では(1)と(2)の手法開発について紹介し, それぞれの出力結果について議論する. |
第330回 7月12日(金) 11:00-11:30 オンライン(Teams) |
2023年カフラマンマラシュ地震で変位した2014年トレンチの再掘削調査
Re-excavation of paleoseismic trench displaced by the 2023 Kahramanmaras earthquake on the East Anatolian fault system, Turkey
講演者:近藤 久雄(活断層評価研究グループ)
東アナトリア断層系を震源として生じた2023年地震(Mw 7.8)は,全長310km以上の地表地震断層を伴い,トルコ・シリアに甚大な被害を生じた.著者らは,MTAとの国際共同研究の一環として,2014年に同震源断層の中央部でトレンチ調査を実施しており,埋め戻したトレンチに今回の地震に伴う左横ずれ変位が生じた.昨年実施した再掘削調査の結果,2023年地震の前後で断層変位・変形の詳細な比較が可能となった.既往のトレンチが実際の地震で変位した事例は世界的にまだ稀少であり,様々な基礎情報となる.本発表では,地震前の長期予測の状況,地震前後のトレンチ壁面の比較,今後の調査計画等について紹介する. |
第328,329回 7月5日(金) 11:00-12:00 第3会議室・及びTeams |
点群法線ベクトルを用いた震源クラスタリングによる令和6年能登半島地震の断層面形状抽出
Multi-scale fault geometries of the 2024 Mw 7.5 Noto Peninsula Earthquake from hypocenter-based clustering of point-cloud normal vectors
講演者:佐脇 泰典(地震テクトニクス研究グループ)
震源分布は三次元点群データとみなすことで,地下の断層面形状を反映することが期待される.我々は点群法線ベクトルと震源位置からなる6次元特徴ベクトルのクラスタリングにより,断層面形状を抽出する手法を開発した.この手法を令和6年能登半島地震の余震分布に適用した.半島直下において,主に4枚の断層面を抽出し,断層長はそれぞれ約20 kmだった.北岸では南南東傾斜と,輪島東部周辺では東南東傾斜の構造が見られた.一方,門前周辺では,東傾斜という明らかな面形状変化が見られた.地殻変動,津波,応力場,重力異常,本震すべり分布などから,抽出したこれらの面が持つ地震学的背景や能登半島の地震テクトニクスを議論する.
明応津波は史上最大の津波か?-浜松平野の津波堆積物からの考察-
Was the Meiō Tsunami the largest in history along the eastern Nankai Trough? - A consideration from the tsunami deposit in the Hamamatsu strand plain -
講演者:藤原 治(研究部門長)
明応(東海)地震(M8.2-8.4 )は1498年9月11日(明応七年八月二十五日)に発生した.京都・奈良の揺れは震度4~5弱とそれほど大きくはないが,紀伊熊野は震度6,静岡市清水区では震度6強~7と推定され,熊野湯峰温泉の湯が止まったことが知られる.これらは明らかに東海地震の特徴である.この地震は歴史上の他の東海地震に比べて津波が大きかったことで有名である.伊勢大湊では1000軒余りの流家,5000人の流死,伊勢・志摩では1万人が流死との記事がある.この津波はより長い期間で見ても最大規模と言えるだろうか?静岡県浜松市の海岸平野では過去6000年程度の間に津波や高潮で形成されたと考えられる堆積層が見つかる.その中で明応地震によると考えられる津波堆積物は,地震発生時の海岸から内陸1km以上にまで厚く堆積している.過去6000年程度の浜松平野の地形発達と津波堆積物の時空分布パターンから,明応津波が過去最大であった可能性を議論する.
|
第327回 6月21日(金) 11:00-11:30 オンライン(Teams) |
航空機LiDAR点群のフィルタリングと地形表現図の作成,および地形判読の補助AIに関する研究開発
Research and Development on Point Clouds Observed by Airborne LiDAR
講演者:篠原 崇之(地震災害予測研究グループ)
航空機で観測されたLiDAR点群は地形判読や防災,都市のインフラ管理などに用いられている.この点群を利活用する際においては,地面の点群のみを抽出するフィルタリング作業,地面の点群から地形表現図を作成する作業,地形表現図を目視判読する作業が重要になる.これらの作業に対して,講演者が前職で行っていた作業の自動化や効率化に関する研究開発内容を紹介する.
また,4月の着任後から,目視判読の効率化を行うAIに関する研究開発に着手しているため,簡単なデモを行う. |
第326回 6月14日(金) 所内限定 |
第325回 6月7日(金) 11:00-11:30 オンライン(Teams) |
個別要素法を用いた地層変形挙動の数値シミュレーション
Discrete Element Simulations of Deformation Behavior in Sandy Soils
講演者:片桐 淳(地震災害予測研究グループ)
個別要素法(Discrete element method: DEM)は,摩擦性固体粒子集合体の数値シミュレーション手法で,砂や岩,粉体などを対象に様々な分野で利用されている.4月の着任後から,DEMを地震時における断層すべり,ならびに,地表面変形解析に応用する研究に着手している.本発表では,DEM解析の概略,これまで地盤防災や資源開発などの分野でDEMを応用した事例を紹介する.また,着手し始めた断層すべりのDEM解析の研究計画についても簡単に紹介する. |
5月17日(金)に予定していた第324回セミナーは都合により中止となりました |
沖縄県与那国島に分布する正断層の断層帯構造と変形集中過程
Fault zone architecture and deformation localization of the normal fault in Yonaguni Island, Okinawa Prefecture
講演者:大橋 聖和(地震テクトニクスグループ)
沖縄県与那国島には,後期更新世の隆起サンゴ礁段丘を約10〜20 m北落ち変位させる活断層が多数分布し,単位面積あたりの断層長は主要活断層帯である宮古島断層帯を超える.発表者らは,海岸沿いに露出する複数の断層露頭において,本断層の性状や発達過程,広域テクトニクスとの関連性を明らかにする調査を行なってきた.島の東部では断層ガウジ・断層角礫帯からなる幅約20 mの断層コアと,その周囲に小規模なカタクレーサイト帯からなる片側幅約60 mのダメージゾーンが分布する.本発表では,区分した断層帯構造,断層帯の幅と変位量との関係性,断層コアへの変形集中過程の3つを紹介する. |