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活断層・地震研究セミナー

研究者間の意見交換,議論を目的とした公開セミナーです.
一般の方でも聴講可能ですが,内容は専門家向けです.当面の間はTeamsを用いたオンラインで開催いたします.外部の方で聴講を希望される場合,予め問い合わせページからご連絡ください.

2020年度 2019年度 2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度

第230回 3月5日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

恵那山-猿投山北断層帯における古地震トレンチ調査

Paleoseismological trenching surveys on the Enasan-Sanageyamakita fault zone, Central Japan

講演者:吾妻 崇(活断層評価研究グループ)

今年度に文部科学省委託事業「屏風山・恵那山断層帯及び猿投山断層帯(恵那山-猿投山北断層帯)における重点的な調査観測」(研究代表機関:国立大学法人東海国立大学機構)の一環として実施している恵那山-猿投山北断層帯の古地震トレンチ調査の暫定的な結果について報告する.恵那山-猿投山北断層帯は,愛知県と岐阜県に跨って分布する長さ約51 kmの断層帯であり,恵那山断層と猿投山北断層によって構成される.地震調査研究推進本部の長期評価では,この断層帯が一括放出型の大地震を発生させる可能性が高いと評価しているが,両断層の断層面の地下形状に関する既知の知見や古地震調査結果の評価を個々に確認していくと一括放出型の大地震を想定するのが適切かどうかという疑問が生じる.セミナーでは,この断層の古地震や地下形状に関する既往研究とそれに伴う疑問点を紹介するともに,今年度の調査で得られた新たな知見について報告する.

第229回 2月26日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

中央構造線断層帯・鳴門南断層における変位履歴調査

Paleoseismic investigation on past multi-segment earthquakes along the MTL active fault zone

講演者:近藤 久雄(活断層評価研究グループ)

文科省委託事業の一環として,今年度から中央構造線断層帯(四国)を対象として連動性評価手法を確立するための調査研究を開始した.初年度は徳島県の讃岐山脈南縁区間を主な対象とし,過去の地震時変位量を復元し連動履歴を推定するための古地震調査を実施した.セミナーでは現時点までの成果や計画を紹介する.

第228回 2月19日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

地震後の歪変化と気象要因による歪変化との比較-土佐清水松尾観測点の場合-

Comparison of strain changes after earthquakes and strain changes due to meteorological factors -In the case of TSS observation site-

講演者:北川 有一(地震地下水研究グループ)

南海トラフでの巨大地震の予測研究のために,愛知県・紀伊半島・四国の観測点で地殻変動・地下水の観測を行い,特にプレート境界でのすべりのモニタリングに重点をおいて取り組んでいる.周辺での地震発生後に土佐清水松尾観測点においてゆっくりとした歪変化が観測されたことがあったが,プレート境界付近のすべりではなく,観測点周辺で生じた変化の可能性が高いと判断したことを昨年度報告した.今回,気象要因(気圧変化,降雨)による歪変化を調査したところ,大雨後の歪変化が地震後のゆっくりとした歪変化に似ていることが分かったので報告する.

第227回 2月12日(金) 15:00-16:00 オンライン(Teams) 開催時間がいつもと変わります.15時開催です.

1703年元禄関東地震による静岡県伊東市での津波

Tsunami inundation at Ito city, Shizuoka prefecture, from the 1703 Genroku Kanto earthquake

講演者:行谷 佑一(海溝型地震履歴研究グループ)

1703年元禄関東地震は相模湾沿岸や房総半島沿岸で高い津波が襲ったことが史料等から推定されている.とくに伊豆半島東岸の静岡県伊東市では海岸から2 km程度内陸へ浸水した例が報告されている.本発表ではこの伊東市の浸水に着目し,津波の浸水計算結果と比較することでその地震像について検討する.

第226回 2月5日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

2011年東北沖津波堆積物の層厚・粒度データの検討

Thickness and grain-size data of the 2011 Tohoku-oki tsunami deposits

講演者:松本 弾(海溝型地震履歴研究グループ)

現世の津波堆積物は,モダンアナログとして古津波堆積物の識別に有効であるだけではなく,堆積物と津波の規模や遡上流との定量的関係を検証する上でも重要な実例である.2011年東北沖地震により形成された仙台平野周辺の津波堆積物を対象に,採取試料から層厚や粒度などの堆積学的データを収集した.これらのデータと,既存研究で報告された浸水深などのデータとの関連性を検討する.

第225回 1月29日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

カナダ・バンクーバー島西海岸における古地震痕跡調査

Survey of paleoseismic evidences on the western coast of Vancouver Island, Canada

講演者:谷川 晃一朗(海溝型地震履歴研究グループ)

北米西海岸に面するカスケード沈み込み帯では,地震・津波の地質痕跡から,過去に数百~千年程度の間隔で巨大地震が発生していたと考えられている.最新イベントの1700年の地震は,多くの地質痕跡や日本の歴史記録などからその地震像が詳細に研究されている.一方,その一つ前の巨大地震は,発生時期も明らかになっていない.

本研究では,カナダのバンクーバー島西海岸において,1700年以前に堆積したイベント堆積物を確認しそれらの分析を行ったので,その結果について報告する.

第224回 1月22日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

雲仙断層群北部の後期更新世以降の平均変位速度

Late Pleistocene and Holocene slip rates on the northern part of Unzen fault group, Kyushu

講演者:丸山 正(活断層評価研究グループ)

雲仙断層群北部は,長崎県島原市から同県諫早市南方沖に至る全長30 km程度以上で,ほぼ東西に延びる複数の正断層から構成される.同断層の平均変位速度に関しては,地震調査研究推進本部地震調査委員会が2006年に公表した長期評価では,既往の調査成果からは信頼性が十分高いとは言えないため不明とされている.本発表では,令和元年度文部科学省委託「活断層評価の高度化・効率化のための調査」の一環として,雲仙断層群北部を構成する主要な断層が分布している普賢岳北方地域で実施した航空レーザ計測地形データを用いた地形面のずれ量の計測,地形面の構成層の確認および形成年代推定のためのボーリング調査の結果と,それらに基づいて得られた後期更新世以降の平均変位速度について報告する.

第223回 1月15日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

既存未使用井戸を用いた歪観測による短期的SSEの検出

Detection of short-term SSE by strain observation in existing unused well

講演者:板場智史(地震テクトニクス研究グループ)

ボアホール歪計は南海トラフ沿いで発生するSSEのモニタリングに重要な役割を果たしているが,観測点整備にかかる工期が長くコストが高いこと等から,観測点密度が低いという課題があった.これを抜本的に開発するため,既存未使用井戸へ埋設可能な小型ボアホール歪計を開発し,2020年に香川県三豊市の未使用温泉井戸に埋設することに成功し,観測を開始した.このたび,この観測点で短期的SSEを検出・断層モデルを推定することができたので,事例を紹介する.

第222回 12月18日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

内陸断層深部の3次元構造

3Ds architecture of fault zone across the brittle-plastic transition

講演者:重松紀生(地震テクトニクス研究グループ)

内陸大地震は地下 10 km 程度の岩石の脆性-塑性遷移領域と呼ばれる条件で発生することが多い.しかし,この領域の岩石変形の空間分布と地震発生の関係はよくわかっていない.そこで本研究では削剥断層である三重県中央構造線沿いの 1 km×1 km 程度の範囲を対象に,脆性-塑性遷移領域における岩石変形の3次元空間分布の構築を試みた.明らかになった構造は,地殻深部の塑性変形領域でできた構造に,より浅い脆性-塑性遷移領域でできた構造,さらに脆性領域の断層運動に伴う構造が重複し,活動履歴を反映した複雑性が見られる.一方,これらの構造は地殻の各深度の応力履歴などの情報を含んでおり,少なくとも三重県中央構造線の塑性変形を被った断層岩は,脆性-塑性遷移領域付近のみならず,比較的広い深度範囲において 200 MPa 近い高い差応力を被っていたことが明らかになった.

第221回 12月4日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

微動観測に基づく奈良盆地東縁断層帯周辺の地下構造の推定

Estimation of the subsurface structure around Nara-bonchi-toen active fault zone from ambient noise survey

講演者:吉見雅行(地震災害予測研究グループ)

奈良盆地東縁断層帯は京都府城陽市付近から奈良県桜井市にかけて南北に延びる逆断層である.地表の変形帯は,断層北端の城陽付近から木津川市付近にかけては東西1km程度の撓曲帯であるが,平城山丘陵から奈良盆地北部にかけては断層・撓曲が東西3kmに渡って並走,盆地中部の天理市以南では概ね0.5~1 kmほどの幅に収斂するとされる.強震動予測のための断層モデルを設定するにあたり,変形帯が認められていない領域について伏在断層の有無を検討する必要がある.本発表では,現在進めている微動観測による奈良盆地の地下構造調査結果について反射法地震探査結果や既往の地下構造モデルとの比較を中心に紹介する.

第220回 11月20日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

深層学習を用いたP波初動極性の自動読み取りによる日本全国内陸微小地震の発震機構解の推定
Estimation of focal mechanism solutions of inland earthquakes in Japan from P-wave first-motion polarities automatically picked using deep learning

講演者:内出崇彦(地震テクトニクス研究グループ)

地震発生の予測や地震テクトニクスの理解のために日本列島の地殻応力場を網羅的に調査することを目指して,微小地震の発震機構解を大量に推定する取り組みを行っている.そのために,地震波のP波初動が上下どちらに向いているかという極性を,深層学習を応用して読み取って,約11万個の微小地震の発震機構解を推定した(第201回(2019年12月20日)既報).その後,その読み取りの信頼性についての評価が進んだほか,発震機構解のP軸やT軸から簡易的に日本全国の応力軸方位の様子を俯瞰することができるようになったため,これらについて報告する.

Aiming the comprehensive investigation of the crustal stress field in Japan Islands for the assessment of earthquake generation and the understand of seismotectonics, we have been studying focal mechanism solutions of numerous microearthquake. I applied the deep learning technique to pick the first-motion polarity (either upward or downward) of seismic P-wave and estimated the focal mechanisms of ~ 11 thousand microearthquakes (as reported in the 201st Seminar on Dec. 20, 2019). I here report the reliability evaluation of the automatic polarity picking as well as the overview of the P- and T-axes of estimated focal mechanisms and its implication for the crustal stress field in Japan Islands. The talk will be given in Japanese and the slide will be written in English.

第219回 11月13日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

表面照射年代測定を用いた集福寺断層の平均横ずれ変位速度の推定

Averaged horizontal slip rate of the Shufukuji fault estimated by surface exposure dating

講演者:白濱吉起(活断層評価研究グループ)

集福寺断層は滋賀県長浜市西浅井郡集福寺から北西に約10kmにわたって延びる右横ずれを主体とする活断層である.断層沿いには河成段丘面が分布しており,それを下刻する河川に系統的な右横ずれ変位が認められる.本研究では段丘面の形成過程を明らかにするため段丘面周辺の地形地質調査を行った.また,平均変位速度の推定のため段丘面の表面照射年代測定を行った.本発表では,地形地質調査結果と予察的な年代測定結果について紹介する.

第218回 10月23日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

宮崎県沖で発生した1662年日向灘地震の津波波源の考察

Consideration of tsunami source of the AD1662 Hyuga-nada earthquake occurred off Miyazaki Prefecture

講演者:伊尾木 圭衣(海溝型地震履歴研究グループ)

日向灘ではM7クラスのプレート間地震が繰り返し発生している.歴史記録上,日向灘で発生した最大規模の地震は西暦1662年日向灘地震(外所地震)とされている.また日向灘は浅部スロー地震活動が活発な地域である.本研究では1662年津波は,浅部スロー地震域が1662年日向灘地震の震源域となって巨大津波が発生した可能性を考え,その検証を予察的に行った.1662年津波の波源を推定するため,宮崎県の太平洋沿岸域(延岡市から串間市)で津波の堆積物調査を行い,複数地点において1662年津波の可能性があるイベント堆積物を確認した.そして日向灘で観測された最近の地震活動をもとに,1662年日向灘地震の断層モデルを仮定し,この断層モデルを用いて津波の数値計算を行い,宮崎県日南市小目井において確認されたイベント堆積物の分布と計算浸水範囲を比較・検討した.

第217回 10月16日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

COVID-19による社会活動低下に伴う地震計ノイズレベル低下:東京の例
Two-step Seismic Noise Reduction caused by COVID-19 Induced Reduction in Social Activity in metropolitan Tokyo, Japan

講演者:矢部 優(地震地下水研究グループ)

本年大きな問題となっているCOVID-19の流行に伴い,今年前半には大きく社会活動が停滞した.従来から社会活動により励起された地震波が地震計で記録されていることが知られており,COVID-19による人間活動低下に伴った地震計ノイズレベルの低下が世界各地で報告されている.本研究は,この地震計ノイズレベル低下を首都圏のMeSO-netを用いて調べた.ノイズレベルは異なる周波数帯域において2段階に減少していた.最初の減少は,高周波数帯域(20-40Hz程度)において,3月上旬の学校休講の措置がなされたタイミングで発生していた.2段階目の減少は,低周波側(1-20Hz)を含む広い帯域で,3月末から4月上旬にかけて,自粛要請や緊急事態宣言の発出がなされた段階で発生していた.ゴールデンウィーク後にはノイズレベルは増加傾向に転じ,緊急事態宣言の解除前から社会活動が再開していたことがうかがえる.

第216回 10月9日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

ラブ波を用いた表面波トモグラフィによる関東平野の3次元S波速度構造の推定

Estimation of shallow 3D S-wave velocity structure of the Kanto basin by applying Love-wave tomography

講演者:二宮 啓(地震災害予測研究グループ)

首都圏の3次元S波速度構造を推定するために,MeSO-netを用いて表面波トモグラフィを行った.堆積層の厚い関東平野では,Rayleigh波の高次モードが卓越し,基本モードの分散曲線を推定することが困難であった.そこで,本研究では高次モードの影響の少ないLove波を用いて表面波トモグラフィを行った.推定したS波速度構造は,1km以浅で下総層群の基底深度に沿った低速度を示し,1km以深では上総層群の厚い地域で低速度を示した.

第215回 10月2日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

南海トラフの多様な巨大地震を説明するモデル

New model to explain the variety of plate boundary earthquakes along the Nankai Trough

講演者:岡村行信(名誉リサーチャー)

西南日本外帯にはプレート間地震発生サイクルの弾性変形では説明できない隆起域と沈降域が100万年以上前から形成されてきた.それらの長期的な変動は波曲するフィリピン海スラブの斜め沈み込みによるプレート境界深度の変化が原因であり,隆起域である紀伊山地及び赤石山地下のプレート境界は数百年間にわたって固着し,それぞれ独立に破壊することによって宝永型と安政型の地震が発生するというモデルを提案する.このモデルは今年5月にEPSに公表したが(https://doi.org/10.1186/s40623-020-01183-5),その内容に加えて論文では述べなかった古津波のデータとの関係を紹介する.

第214回 9月25日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

動力学的震源モデルに基づく糸魚川-静岡構造線断層帯の連動性の検討

Investigation of multi-segment earthquake on the Itoigawa-Shizuoka Tectonic Line active fault zone based on dynamic rupture simulation

講演者:加瀬祐子(地震災害予測研究グループ)

糸魚川-静岡構造線断層帯の連動可能性とその条件を検討するため,中北部区間と中南部区間を対象として,断層帯の置かれた条件を反映した動力学的震源モデルを構築した.その結果,中北部区間北端もしくは南端から破壊が始まる場合には連動可能であるが,1イベントあたりの変位量の調査結果と調和的なすべり量を得るためには,相当大きな応力降下量を設定する必要があることがわかった.これは,より広い範囲での連動による変位量である可能性があることを示しており,古地震学的調査による活動履歴とも矛盾しない.

第213回 9月18日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

地下透水性亀裂の向きと応力場の関係:愛知県西尾市内の観測井の結果

Orientations of permeable fractures detected by borehole measurements and their relation to in-situ stress at AIST observation borehole in Nishio, Aichi Prefecture, central Japan

講演者:木口 努(地震地下水研究グループ)

高い透水性を示す亀裂が硬岩中に存在する条件を明らかにするために,愛知県西尾市内の産総研観測井(最大深度600m)で取得した孔井内測定データを用いて透水性亀裂の向きと応力場の関係について解析した.水圧破砕法で得られた応力場は逆断層型で差応力が大きく,応力方位(最大水平圧縮応力の方位)は北北東-南南西であった.電気伝導度検層・速度検層・ハイドロフォンVSPにより検出した透水性亀裂は,応力方位と40度程度以上の角度をなす走向が多くなる特徴がある.しかし,せん断型と引張り型の亀裂モデルを用いた検討の結果,亀裂の向きを現在の応力場と直接関係付けて説明することは難しいと考えられる.

第212回 9月11日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

粒径が異なる津波堆積物の運搬過程と分布パターンの違いに関する実験的検討

Flume experiments reveal dependence of the distribution of onshore tsunami deposits on grain size

講演者:篠崎鉄哉(海溝型地震履歴研究グループ)

過去に発生した津波の痕跡は必ずしも目視で確認できる形態で地層中に保存されているわけではない.津波の規模が小さい場合や津波浸水限界付近では,津波の流体力が弱いために粒径の大きい堆積物が厚く堆積しないためである.津波履歴・規模を正しく推定するためには,粒径の大きい堆積物に加え,粒径の小さい堆積物の挙動を明らかにする必要がある.本発表では,粒径の大きい堆積物と小さい堆積物が津波流下でどのような運搬過程と分布パターンの違いをみせているのか,水路実験による検討を紹介する.

第211回 9月4日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

Estimation of slip rate along the un-ruptured segment of Mw 7.2 1896 Rikuu earthquake, northeast Japan

講演者:Shreya Arora(活断層評価研究グループ)

The Mw 7.2 1896 Rikuu earthquake is one of the most destructive inland earthquake to rupture the west portion of Eastern margin Fault Zone of Yokote Basin (EFZYB) in northeast Japan. Although the rupture did not propagate along the entire 60 km long EFZYB, instead terminated along its northern segment. Since then, it has been studied for decades to determine the slip rates and recurrence interval, while the same remained un-resolved along the southern un-ruptured segment. In this work, we document the signatures of active faulting along the un-ruptured Kanezawa and Omoriyama thrust fault and report the first estimate of long-term slip rate, and recurrence interval along the fault trace identified during this study and named Yuzawa Fault. Detailed LiDAR analysis revealed back-tilted fluvial terraces and south-west facing fault scarps ranging in height from 2 m to 30 m and 1-8 m along the Kanezawa Fault and Omoriyama Fault respectively. The high-resolution S-wave seismic survey along the Yuzawa Fault revealed northeast dipping two-stepped low-angle reverse fault with a mean dip of 30°. The borehole survey along the Yuzawa Fault revealed 28 m vertical offset of the marker unit in the hanging and foot-wall. Given the vertical offset, radiocarbon age and the dip angle from seismic reflection survey, we have determined vertical slip rate of 1.2 mm/yr and long-term slip rate of slip rate of 2.4 mm/yr since 22 ka. Based on these results, we have estimated the return period of 2500 yr and possible magnitude of ML 7.3. This work is a part of MEXT active fault research project.

第210回 8月28日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

徳島県牟岐町における先史時代の津波堆積物と地震性地殻変動について

Geological records of prehistoric tsunamis and subsidence in Mugi town, facing the Nankai Trough

講演者:嶋田侑眞(海溝型地震履歴研究グループ)

徳島県牟岐町の沿岸湿地において調査を行った結果,5581~3640 cal yr BPに少なくとも3~5回の津波による浸水を経験していたことが明らかになった.これらは,南海トラフで発生した地震による津波の浸水であると推定され,特に3回のイベントについては沈降が原因と考えられる環境変動も伴っていること分かった.

現地での掘削調査により,津波堆積物の候補となる9層の砂質または礫質イベント堆積物(E1~E9)が有機質シルト中に確認された.得られた試料の堆積学的・古生物学的分析を行ったところ,イベント堆積物E3,E6,E8 の3層は,(1) 近年報告された津波堆積物と矛盾しない堆積構造を持っている,(2) 珪藻化石群集によりイベント堆積物が海域から運搬されたものであることを示す,(3)イベント前後で地殻変動が原因と考えられる環境変化見られる,という条件を全て満たしており,南海トラフにおける地震と津波の証拠であると結論付けた.また,E4およびE7についても,上記の条件のうち2つを満たしているため,津波堆積物の可能性がある.

大型植物化石を用いた放射性炭素同位体年代測定の結果から,本研究で明らかになった5つの津波堆積物は,これまでに紀伊半島から四国東部において報告されている津波堆積物と対応する可能性がある.

第209回 7月31日(金) 14:00-15:00 オンライン(Teams)

東北日本の地震波速度構造と地震活動との関係

Seismic velocity structure and its implications for genesis of earthquakes in NE Japan

講演者:椎名高裕(地震テクトニクス研究グループ)

地表面で観測される地震波形データからは,地震波速度などの空間的な変化として,沈み込み帯内部の不均質構造を推定することができる.構造の不均質性は,物質の分布や流体の存在などを反映しており,詳細な不均質構造の推定により,地震発生がどのような環境下で発生しているかを明らかにすることができる.

本発表では,東北日本沈み込み帯でこれまでに行った地震波速度構造推定の結果について,後続波(P波やS波以外の波群)を用いた解析を含め,紹介するとともに,速度構造と地震活動との関係を議論する.