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活断層・地震研究セミナー

研究者間の意見交換,議論を目的とした公開セミナーです.
一般の方でも聴講可能ですが,内容は専門家向けです.産総研では立ち入りに手続きが必要ですので,外部の方で聴講を希望される場合,予め問い合わせページからご連絡ください(報道,行政機関の方は,所属もお知らせ下さい).折り返し,当日の入館手続きをご連絡させていただきます.

2018年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度

第154回 8月10日(金) 14:00-15:00 国際セミナー室(7-8-326)

ハワイ島の噴火と地震活動

Eruptions and earthquakes in Hawaii Island

講演者:石川 有三 (地震地下水研究グループ)

5月3日にハワイ島東部の複数箇所で溶岩噴出が始まり,続いてMw 6.9の逆断層地震が島の南東沿岸部で起きた.5月17日にはキラウエア火口でM5.3程度の地震を伴う爆発的噴火が発生しているが,現在もまだ約20時間から53時間の間隔で噴火に伴う地震を繰り返している.この活動によりキラウエア・クレーター内は,沈下を繰り返している.この地震活動の特徴を明らかにする.

第153回 8月3日(金) 14:00-15:00 国際セミナー室(7-8-326)

紀伊半島東部,中央構造線沿いの3次元断層帯内部構造

3D fault zone architecture along the Median Tectonic Line, eastern Kii Peninsula, SW Japan

講演者:香取 拓馬(地震テクトニクス研究グループ)

脆性-延性遷移領域周辺における岩石の変形は,地震発生を含む断層挙動を理解する上で重要な鍵となる.そこで本研究では,削剥断層である紀伊半島東部の中央構造線(MTL)を対象に,地質調査および各種分析を行うことで,MTLが経験してきた変形機構・運動像・変形温度・応力条件の変遷を追跡した.また,これらの結果をUAVで取得した3次元地形モデルに組み込むことで,詳細な3次元断層帯内部構造を構築した.本発表では,これまでの検討から明らかとなった,脆性ー延性遷移領域周辺における歪み集中域(Brittle-plastic fault core)の存在とその空間分布を中心に議論を行う.

第152回 7月27日(金) 14:00-15:00 国際セミナー室(7-8-326)

地形・地質学的データに基づく応力分布を用いた動力学的震源モデル

Dynamic source modeling under stress distribution derived from geological and geomorphological data

講演者:加瀬 祐子(地震災害予測研究グループ)

地形学・地質学的データに基づいた断層面形状と応力場で行う数値シミュレーションにより,現実的なアスペリティの位置と破壊過程を持つ震源モデルを構築する手法を提案する.ここでは,ある断層で繰り返し発生する地震の破壊過程は限られるが,固有地震のみが起こるわけではない,と考える.その上で,地形・地質学的データに基づく上町断層帯の断層面三次元形状および断層走向に沿った平均上下変位速度分布を用いて,動力学的震源モデルを作成し,上町断層帯で発生する地震の強震動予測をおこなった.

第151回 7月20日(金) 14:00-15:00 国際セミナー室(7-8-326)

標津断層帯の変動地形学的特徴とその周辺における地震・火山活動

Tectonic landform, seismicity and volcanic activity on and around the Shibetsu fault zone, eastern Hokkaido

講演者:吾妻 崇 (活断層評価研究グループ)

北海道東部の知床半島の付け根に位置する標津断層帯は,北東-南西走向で北西側隆起のセンスを持つ複数の逆断層(活断層研究会編,1991)で構成され,陸上での長さは52 km以上であり,北東海域に延長する可能性が指摘されている(地震調査委員会,2005).断層帯の南西方では,1938年屈斜路地震(M 6.3),1959年弟子屈地震(M 5.9)が発生しており,地表地震断層や地割れの出現が報告されている(津屋,1939など).また,断層帯の北西側には活火山が多く存在しており,地震活動と火山活動の関係を考える上でも興味深い地域である.本発表では標津断層帯の変動地形学的な特徴を紹介するとともに,周辺で発生している地震活動・火山活動の情報を交えて,この地域のネオテクトニクス的な意義についてレビューする.

第150回 7月13日(金) 14:00-15:00 国際セミナー室(7-8-326)

バネブロックモデルで発生する地震と周期的SSEの同期

Synchronization of earthquakes to repeating SSEs in a spring-slider model

講演者:大谷 真紀子(地震テクトニクス研究グループ)

沈み込み帯プレート境界では,巨大地震発生域の深部延長部でSSEが繰り返し発生し,巨大地震の発生に及ぼす影響に注目が集まっている.本研究では,地震の模擬として速度状態依存摩擦則に従う一自由度バネブロックモデルを考え,周期的SSEの影響を含めた載荷を与えた.その結果,地震の発生パターンがSSEに同期する現象が広い範囲で起こることが見いだされたので,これについて報告する.

第149回 7月6日(金) 14:00-15:00 国際セミナー室(7-8-326)

南阿蘇村濁川左岸沿いに出現した正断層群とその活動履歴

Paleoseismic history of normal faults appeared along the south side of Nigogawa-river in the Minami-aso village

講演者:白濱 吉起(活断層評価研究グループ)

2016年熊本地震に伴い,阿蘇カルデラ内東部に及ぶ地表地震断層が布田川断層帯沿いに出現した.昨年度,我々はこれらの地表地震断層の活動履歴を明らかにすることを目的にトレンチ調査を実施した.その結果,地表地震断層につながる複数の断層によって阿蘇火山を給源とする堆積物が変位している様子が明瞭に認められた.発表では,壁面の詳細な観察結果をもとに本トレンチが示す活動履歴について議論する.

第148回 6月29日(金) 14:00-15:00 国際セミナー室(7-8-326)

石狩低地東縁断層帯南部の海域延長部における海底活断層調査

Offshore active-fault survey on the eastern marginal fault zone of Ishikari lowland, Hokkaido, Japan

講演者:大上 隆史(地震災害予測研究グループ)

文部科学省委託調査事業「内陸及び沿岸海域の活断層調査」の一環として,石狩低地東縁断層帯南部の海域延長部において海底活断層調査を実施した.この断層帯は南北走向を持つ東側隆起の逆断層を主体とし,日高衝突帯の前縁に発達した褶曲・衝上断層帯を構成している.本断層帯南部の最も変形フロント側に発達する断層関連褶曲を対象として海域における音波探査を実施し,更新世以降に形成された堆積層の変形構造を空間的に把握した.また,陸棚上において音波探査と柱状採泥を実施し,本断層帯南部の活動履歴を検討した.本発表ではこれらの結果を報告する.

第147回 6月22日(金) 14:00-15:00 国際セミナー室(7-8-326)

津波堆積物の分布から求めた12世紀北海道南西沖地震の断層モデル

Fault model of the 12th century Hokkaido Nansei-oki earthquake estimated from tsunami deposits distribution

講演者:伊尾木 圭衣(海溝型地震履歴研究グループ)

津波堆積物調査より,北海道奥尻島南部や北海道南西部の檜山沿岸には,繰り返し津波が襲来していることがわかった.この地域では1993年北海道南西沖地震による津波を超えるような高い場所,より内陸側に津波堆積物が残されている.本研究では12世紀頃の地震について,津波堆積物の分布と計算された津波浸水域を比較し,断層モデルを構築した.推定された断層モデルは Mw 7.9 と計算され,1993年北海道南西沖地震と1983年日本海中部地震の間をつなぐ場所に位置する.

第146回 6月15日(金) 14:00-15:00 国際セミナー室(7-8-326)

四国地方の固着のゆらぎと微動活動の関係

Relation between the coupling and tremor rates in the transition zone around the Shikoku region

講演者:落 唯史(地震地下水研究グループ)

四国地方の地下ではプレート間の固着により応力蓄積が進行している.固着域の下端では強い固着を維持できないため,固着速度は時間変化する.この時間変化のうち特に規模の大きいものがスロースリップイベント(SSE)で,SSEと深部低周波微動との時空間的同期はよく知られている.しかしイベントの期間に限定しなくとも微動活動との関係を議論することはできる.この立場から「固着のゆらぎと微動活動の関係」を定量的に評価した.

第145回 6月1日(金) 14:00-15:00 国際セミナー室(7-8-326)

Fault rock rheology at the depth limits of the seismogenic zone

講演者:Verberne Berend(地震テクトニクス研究グループ)

The material-physical processes responsible for fault stability transitions pertaining to the depth limits of the seismogenic zone remain enigmatic. Using experiments and microstructural analysis of simulated calcite faults, and an existing micromechanical model, I argue that changes in the intergranular compaction rate are key to transitions in fault stability. At shallow crustal levels, the stable-to-unstable transition may involve nanocrystalline particles, which show unusual rheological properties. Towards the base of the seismogenic zone, slip stability is controlled by the onset of dilatation. Under these conditions an instability may develop when intergranular creep is not fast enough to avoid cavitation and shear zone failure.

第144回 5月18日(金) 14:00-15:00 国際セミナー室(7-8-326)

南海トラフ付加体における原位置透水係数の推定とそのスケール依存性について

In situ permeability and scale-dependence of an active accretionary prism determined from cross-borehole experiments

講演者:木下 千裕(地震地下水研究グループ)

岩石中の透水係数は間隙流体の移流や拡散に大きく寄与し,地震発生メカニズムを解明するうえで重要なパラメータである.しかしながら沈み込み帯近傍で原位置透水試験が行われる例は少ない.本研究では南海トラフ地震発生帯掘削計画の一環として熊野灘沖合に設置された長期孔内観測システム(LTBMS)の水圧計が周辺の掘削作業時に伴って大きく変化していることを受け,クロスホール透水試験に見立て,原位置透水係数の推定を行った.本発表では以上の結果に加え,先行研究(室内実験や数値シミュレーション)との比較により見えてきた透水係数のスケール依存性について紹介する.

第143回 5月11日(金) 14:00-15:00 国際セミナー室(7-8-326)

高知県における津波堆積物調査

Paleotsunami studies in Kochi Prefecture.

講演者:谷川 晃一朗(海溝型地震履歴研究グループ)

南海トラフの過去の巨大地震の履歴や破壊領域は,歴史記録だけでなく地震・津波の地質学的痕跡の情報にも基づいて推定されている.しかし,南海トラフ西部では依然として地震・津波の地質学的研究が少なく,履歴解明の根幹となる年代データも質・量ともに不十分である.そのような背景から,筆者らは高知県の東洋町,南国市,高知市,四万十町,黒潮町の沿岸低地で津波堆積物調査を実施している.本発表では,それらの概要を紹介する.