部門長挨拶

年度当初のご挨拶

2019年4月

研究部門長 伊藤順一

部門長本年4月1日付けで,桑原保人の後任として,活断層・火山部門 研究部門長に就任いたしました伊藤順一です.地震・津波・火山に加え長期的な地質変動などを対象として,地質災害の軽減や地層の長期安定性評価に資する地質情報の提供を担う研究部門としての責務を果たせるよう,鋭意努力して参ります.
 本年度は,2015年から始まった産総研第4期中期計画5カ年の最終年度であることから,これを完遂することが本年度の第一目標となります.また,地質図整備に関わる経産省「第2次知的基盤整備計画」についても,2020年度に最終年度を迎えます.地質調査総合センター(GSJ)を構成する地質情報研究部門,地圏資源環境研究門,地質情報基盤センターと協力し,計画・目標の達成に向け,着実に研究を進めてまいります.
 当部門の主要な研究テーマは,1)活断層データベースや火山地質図に代表される,地震・火山活動に関わる地質情報等の整備,2)津波浸水域の推定や火山噴火準備過程の解明などの,地震・火山活動と災害の誘因となる事象の評価・予測手法の開発,3)長期的な隆起・侵食量や深層地下水流動の評価手法の解明などの,放射性廃棄物の地層処分の安全規制に必要とされる長期的な地質変動の評価・予測手法の開発および知見の整備です.
 当部門が設立された2014年以降,御嶽山噴火(2014年),熊本地震(2016年),草津白根山噴火(2018年)を代表例として人的・経済的被害をもたらす地質災害が発生しました.また,海外においては,火山噴火に関連した津波災害(インドネシア,クラカタウ火山)といった低頻度事象による災害も発生しております.災害要因となる地質現象の規模・頻度・空間スケールは多様性に富んでおり,現象の特徴を見極める為に,国内だけでなく海外にも目を向けた最先端の研究・開発を進めていくことが必要と考えております.また,防災・減災施策の立案や対応にあたる国,地方公共団体,企業等が必要とされている地質情報を的確に把握することに努め,研究目標・成果物の設定・設計に反映させると共に,顕在化していないニーズの発掘にも努力してまいります.地質の調査・研究を通して安心・安全な社会の構築に貢献できるよう,部門内・GSJ・産総研他領域の研究者との連携,国内外の研究者・研究機関との研究協力を進め,「社会の中で,社会のために」(産総研憲章)社会と共にあゆんでいく研究組織として日々研鑽を積んでまいりたいと思います.
 今後とも、皆様のご指導とご協力を賜りますよう,何卒よろしくお願い申し上げます。