論文発表(査読誌:部門メンバーが筆頭)2018年

タイトル
Fluid inclusion studies of comb quartz and stibnite at the Hishikari Au-Ag epithermal deposit, Japan
著者
清水 徹
掲載誌
Resource Geology
菱刈金銀鉱床の石英と輝安鉱(アンチモン硫化鉱物)を用いて,流体包有物の加熱・冷却実験を行い,石英と輝安鉱形成時の熱水温度はそれぞれ207-230°C及び113°Cであることを明らかにした.この結果は石英成長後に熱水活動が弱まって温度が下がった時に輝安鉱が形成したことを意味し、深部流体・熱水活動の多様性理解に資するものである.
タイトル
Normal-faulting stress state associated with low differential stress in an overriding plate in northeast Japan prior to the 2011 Mw 9.0 Tohoku earthquake
著者
大坪 誠,宮川歩夢,今西和俊
掲載誌
Earth, Planets and Space 2018
福島県いわき地域での2011年東北沖地震発生前の時間的空間的な応力変化を明らかにした.この成果は,2008年以降に卓越するマグニチュード7クラスの海溝型地震後の地殻変動の影響の可能性を示したもので,この地域の断層運動を起こす応力の理解に資するものである.
タイトル
Fault rupture model of the 2016 Gyeongju, South Korea, earthquake and its implication for the underground fault system
著者
内出崇彦, S. G. Song
掲載誌
Geophysical Research Letters, vol. 45, 2257-2264, doi:10.1002/2017GL076960(2018年)
2016年韓国・慶州(キョンジュ)地震(マグニチュード(ML) 5.8=韓国地震観測史上最大)とその最大前震(ML 5.1)の破壊過程を地震波形解析によって推定し,高い応力降下量や両地震で逆向きの破壊伝播といった特徴を明らかにした.地震活動が低調な韓国において,断層構造の解明と強震動の見積もりに貢献する研究結果である.
タイトル
Underestimation of microearthquake size by the magnitude scale of the Japan Meteorological Agency: Influence on earthquake statistics
著者
内出崇彦,今西和俊
掲載誌
Journal of Geophysical Research - Solid Earth, 123, 606-620. 2018, DOI: 10.1002/2017JB014697
微小地震では、気象庁マグニチュード(Mj)がモーメントマグニチュード(Mw)に比べて系統的に低いという事実を発見し,主に地震波形記録のデジタル変換に起因することを明らかにした.本研究の成果は、地震発生予測等を目指した地震活動解析の改善に資するものである.

 

タイトル
Effects of longitudinal valley slopes on runup of the 2011 Tohoku tsunami on the Sanriku coast, northeastern Japan
著者
大上隆史,須貝俊彦
掲載誌
Quaternary International, 2018
三陸海岸の河川群を対象として,河谷に沿った津波の遡上高および遡上距離の空間的なばらつきが河床縦断面形の違いによって説明できることを明らかにした.これにより,リアス海岸における津波災害予測の高度化のためには,陸上における地形効果の理解が重要であることを実証的に示した.

 

タイトル
Age of Izu-Bonin-Mariana arc basement
著者
石塚 治,Hickey-Vargas, R.,Arculus, R.J., Yogodzinski, G.M., Savov, I.P, 草野有紀,McCarthy A., Brandl, P., Sudo, M.
掲載誌
Earth and Planetary Science Letters, 48, 80-90, 2018
伊豆-小笠原-マリアナ島弧の基盤岩を国際深海掘削計画(IODP)により初めて採取,その形成年代を40Ar/39Ar年代測定法により決定すると同時に化学組成を明らかにした.海洋プレート沈み込み開始期からその後におきた地質現象について初めてその詳細を明らかにし,モデル化したものであり,この成果はプレートテクトニクス理論の第一級の未解決課題である,プレート沈み込み開始過程の解明に直結する.

 

タイトル
In-situ Permeability of Fault Zones Estimated by Hydraulic Tests and Continuous Groundwater-Pressure Observations
著者
松本則夫,重松紀生
掲載誌
Earth Planets and Space, 2018
三重県内の中央構造線断層帯(MTL)の透水係数を産総研が掘削した2本の井戸の水理試験と長期水位観測で求めた.求めた透水係数は,MTLの露頭で断層帯の中央からの距離ごとにサンプリングされた岩石の実験から求めた詳細なMTLの透水構造を示した既往研究と類似した値となり,MTLの複雑な透水構造を反映していることがわかった.