受賞報告(2018年度)
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海溝型地震履歴研究グループ 松本弾主任研究員の論文がIsland Arc誌(IF=0.889)の2018 Most Download Awardを受賞しました. |
この賞は,2012年から2016年の間にIsland Arc誌に掲載された論文のうち,2017年に最もダウンロードされた論文に与えられるものです.
Dan Matsumoto, Yuki Sawai, Koichiro Tanigawa, Osamu Fujiwara, Yuichi Namegaya, Masanobu Shishikura, Kyoko Kagohara, Haruo Kimura (2016)
Tsunami deposit associated with the 2011 Tohoku-oki tsunami in the Hasunuma site of the Kujukuri coastal plain, Japan Volume 25, Issue 5, pp 369–385
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/iar.12161
概要:千葉県九十九里平野中部の蓮沼海岸周辺において,2011年東北地方太平洋沖地震による津波堆積物を対象に層厚変化や粒度,堆積構造などの特徴を調査した結果,遡上イベントに対応した2~4つの級化ユニットがみられることを明らかにした.これにより,今後地層から古津波堆積物を正確に識別するための基礎的なデータを示した
地質変動研究グループ 大坪誠主任研究員の論文3編が,Island Arc誌(IF=0.889)で,最近掲載された論文のうち最もダウンロードされた論文ベスト20に入りました. |
2016-2017に掲載された論文のうち,online出版後12ヵ月で最もダウンロードされた論文のひとつということで,関連分野へのインパクトの大きさを示すものです.
Ayumu Miyakawa, Makoto Otsubo (2017)
Evolution of crustal deformation in the northeast-central Japanese island arc: Insights from fault activity
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/iar.12179
[408 downloads.]
概要:我が国の活断層および地質断層において,その場の応力状態と断層姿勢の関係から活断層および地質断層の活動性について検討した.この成果は,現在の応力状態の下での10万年~100万年スケールで断層が非活動的から活動的に変化する可能性を示すもので,断層活動を含む地殻変動の時間的進化の理解を深めるものである.
Makoto Otsubo, Ayumu Miyakawa, Ryoji Kawasaki, Katsushi Sato, Asuka Yamaguchi, Gaku Kimura (2016)
Variations in stress and driving pore fluid pressure ratio using vein orientations along megasplay faults : Example from the Nobeoka Thrust, Southwest Japan
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/iar.12155
[384 downloads.]
概要:宮崎県延岡衝上断層において,石英脈の姿勢情報から沈み込み帯巨大分岐断層の地震サイクルにおける断層周辺の間隙流体圧を推定した.巨大分岐断層活動時期には断層周辺では間隙流体圧が非常に高くなって断層が非常に滑りやすい状態であった可能性が明らかとなった.これらの結果は,巨大分岐断層の運動メカニズムの理解を深めるものである.
Ryoji Kawasaki, Mari Hamahashi, Yoshitaka Hashimoto, Makoto Otsubo(corresponding author), Asuka Yamaguchi, Yujin Kitamura, Jun Kameda, Yohei Hamada, Rina Fukuchi, Gaku Kimura (2017)
Temporal stress variations along a seismogenic megasplay fault in the subduction zone: An example from the Nobeoka Thrust, southwestern Japan
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1111/iar.12193
[264 downloads.]
概要:宮崎県延岡衝上断層へのボーリング掘削で得たコア試料を切る小規模断層群から沈み込み帯巨大分岐断層の地震サイクルにおける断層周辺の応力状態を推定した.この成果は,巨大分岐断層活動前後では2011年東北地方太平沖地震のように応力状態が大きく変化する可能性を示すもので,巨大分岐断層の運動メカニズムの理解を深めるものである.