受賞報告(2016年度)
2022年度|2021年度|2020年度|2019年度|2018年度|2017年度|2016年度|2015年度|2014年度
風早竜之介研究員が2016年度日本火山学会研究奨励賞を受賞 |
活断層・火山研究部門マグマ活動研究グループの風早竜之介研究員が2016年度日本火山学会研究奨励賞を受賞しました.同賞は,火山学に関する優れた論文を発表し,将来,火山学の発展への貢献が期待される35才以下の火山学会会員に贈られるものです.日本地球惑星科学連合2016年大会での日本火山学会総会(5月24日)直後の授賞式で,井口正人会長から賞状が授与されました.
風早氏の授賞研究テーマは「火山ガスの観測研究に基づく噴火機構の解明」です.マグマ中のガスの分離放出過程は噴火ダイナミクスを理解する上で重要ですが,地表で観測される火山ガスの観測のみでは,地下で起きている現象を推定することは困難です.特に,従来の観測では地球物理観測より時間分解能が劣り,直接的な比較も困難でした.風早氏は,火山ガス放出率の観測手法改良を進め,地球物理データとの比較可能なデータを取得した上で,火山ガス放出率の変動等を地震モーメントや地殻変動量と比較することにより,マグマ供給系や噴火発生過程の理解を進めました.その一連の研究の火山学に対する貢献が高く評価され,授賞に至りました.風早氏の研究成果は,噴火ダイナミクスやメカニズムを理解するための基礎研究としての意義のみならず,噴火前兆現象把握手法としても重要であり,噴火活動推移の予測手法の高度化を通じて防災にも大いなる貢献が期待されます.
詳細はIEVGニュースレター vol.3 No.2掲載(2016年6月発行)