受賞報告(2015年度)
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今西和俊グループ長,武田直人テクニカルスタッフ,桑原保人部門長が,2014年度日本地震学会論文賞を受賞 |
活断層・火山研究部門今西和俊グループ長,武田直人テクニカルスタッフ,桑原保人部門長が,2014年度日本地震学会論文賞を受賞しました.同賞は雑誌「地震」あるいは「Earth, Planets and Space」に掲載された論文の中から優れた論文に贈られるものです.日本地球惑星科学連合2015年大会での日本地震学会定時社員総会に合わせて授賞式が行われ,加藤照之会長より賞状とメダルが授与されました.
今西グループ長らの受賞対象は「2011年東北地方太平洋沖地震の発生後に活発化した霞ヶ浦南端直下の正断層型地震活動」(地震第2輯,第66巻,3号, 47-66,2013)です.2011年東北地方太平洋沖地震(東北沖地震)後に霞ケ浦南端付近で活発化した地震活動が,東北沖地震前から地殻内に局在していた正断層応力場に起因することを明らかにしたものであり,巨大地震による誘発地震の発生メカニズムを理解する上で重要な結果である(日本地震学会HPより)ことが高く評価されました.
受賞対象論文
著者:今西 和俊・武田 直人・桑原 保人
題目:2011年東北地方太平洋沖地震の発生後に活発化した霞ヶ浦南端直下の正断層型地震活動
IEVGニュースレター vol.2 No.2掲載(2015年6月発行)
伊藤順一副部門長,星住英夫研究主幹,川邊禎久主任研究員が2015年度日本火山学会論文賞を受賞 |
活断層・火山研究部門伊藤順一副部門長,星住英夫研究主幹,川邊禎久主任研究員が2015年度日本火山学会論文賞を受賞しました.同賞は雑誌「火山」あるいは「Earth, Planets and Space」に掲載された論文中,火山学に関する独創的で特に優れた論文の著者に贈られるもので,受賞年の前3年間に出版された論文が対象となります.日本地球惑星科学連合2015年大会での日本火山学会総会(5月26日)で承認され,その後に行われた授賞式で,井口正人会長より賞状が授与されました.
受賞対象論文は伊藤順一・星住英夫・川邊禎久「最近5000年間の九重火山における水蒸気噴火の発生履歴」(火山59巻,241-254頁,2014年)です.この論文は,火口付近にしか痕跡が残りにくい水蒸気噴火について,長年にわたる調査の継続と丹念な年代測定により活動履歴を明らかにした研究論文であり,水蒸気噴火履歴研究のスタンダードとなり得る論文として火山学上の意義を高く評価されました.
受賞対象論文
著者:伊藤順一・星住英夫・川邊禎久
題目:最近5000年間の九重火山における水蒸気噴火の発生履歴
掲載誌:火山59巻,241-254頁,2014年
IEVGニュースレター vol.2 No.2掲載(2015年6月発行)
石田瑞穂客員研究員が2015年度日本地球惑星科学連合フェローを受賞 |
活断層・火山研究部門の石田瑞穂客員研究員が,2015年度日本地球惑星科学連合フェローを受賞しました.同フェロー制度は,地球惑星科学において顕著な功績を挙げた方を高く評価し,名誉あるフェローとして処遇することを目的として設置されたものです.2015年3月に行われた日本地球惑星科学連合理事会で承認され,同連合の2015年大会が開催されている幕張メッセ国際会議場で5月27日に授賞式が行われました.
石田氏は,3枚のプレートが複雑に沈み込む関東~東海地域において,地震の震源分布・メカニズム解・地震波速度構造を詳細に分析してフィリピン海プレートのモデルを構築し,1980年後半~1990年台の一連の論文で発表しました.このプレートモデルは,この地域のテクトニクスを理解するスタンダードモデルとなり,広く理学・工学の分野で活用されました.また,石田氏は,広帯域地震観測網の整備にも貢献しました.石田氏の尽力により,日本の広帯域地震観測点は飛躍的に増大しただけでなく,世界中の研究者が利用しやすいフォーマットでデータを公開したことで,グローバルな地震研究の活性化につながっています.以上のことが高く評価されて今回の受賞となりました.
IEVGニュースレター vol.2 No.2掲載(2015年6月発行)