地質図
地質図解説
~2004年新潟県中越地震 震源域の地質図幅を例に「地質図幅とは何か?」、「地質図の構成とその読み方」について解説します。~
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地質図などの研究成果物をご紹介します。
2024年
- 岩手県盛岡東方5万分の1地質図幅「外山」の刊行-
概要・ポイント
北上山地では、豪雨や地震等でしばしば土砂崩れを起こしています。盛岡から三陸海岸に至るまでの幹線道路は2本しかなく、 土砂崩落等による道路の分断は地域生活に大きな影響を与えかねません。本図幅は、当地域における地質学的研究の進展のみならず、防災、 土木・建設などの基礎資料として社会に役立つことが期待されます。
著 者
内野隆之(シームレス地質情報RG)・小松原琢(元地質情報研究部門)
2023年
東北日本弧の成り立ちの一端がうかがえる地質図を刊行
概要・ポイント
荒砥地域は、西部には朝日山地の急峻な山地、中央部には南北に流れる最上川、東部には白鷹山を中心とした山地を有する地域です。 この地域の地質は、後期白亜紀の深成岩、新第三紀の堆積岩及び火山岩,第四紀の白鷹火山噴出物、最上川沿いに分布する第四紀の段丘堆積物や扇状地堆積物などから構成されています。
著 者
鹿野和彦(元地質情報研究部門)・三村弘二・久保和也(元地質情報研究部門)
フォサマグナ南部地域の地下構造を明らかにする地質情報を公開
概要・ポイント
本重力図は、北は碓氷峠で境される長野県東部と群馬県西部から南は伊豆半島とその東西の相模湾および駿河湾までの陸海域にわたる61,000点以上の 陸上、船上および海底重力点を基に作成しました。当該地域は、西南日本と東北日本の会合部で、中央構造線、フォッサマグナ南部 およびその西縁の糸魚川-静岡構造線、伊豆衝突帯、富士火山帯などの顕著な地質構造が分布しています。
著 者
大熊茂雄・宮川歩夢・村田泰章・駒澤正夫・名和一成(地球物理RG)・江戸将寿・ 伊藤 忍・住田達或(地球物理RG)・山谷祐介・石原丈実
沈み込み帯深部の変形・反応と層状含銅硫化鉄鉱床
概要・ポイント
愛媛県西部の伊予長浜地域では、白亜紀の沈み込み帯で形成された三波川コンプレックスが分布し、和達ベニオフ面に沿った岩石の変形・反応や褶曲が記録されています。 このコンプレックスの原岩は、ジュラ紀の玄武岩海洋地殻やチャート、そして白亜紀の海溝充填堆積物からなり、特に層状銅硫化鉄鉱床は玄武岩海洋地殻が変成した 苦鉄質片岩の特定の層準に集中しています。
著 者
宮崎 一博(研究部門付)
苦鉄質片岩に発達する褶曲
富山湾から北部飛騨山脈の成り立ちを示す地質図を出版
概要・ポイント
北部飛騨山脈地域は最近の5万分の1地質図幅によって改訂され、飛騨山脈地域やフォッサマグナ西部地域の地質の成り立ちが明らかになりました。また、飛騨山脈西側山麓から 富山平野・富山湾にかけての活断層や第四系の分布が示され、海域と陸域の地質構造の連続性もわかりやすくなりました。これによって、飛騨山脈の隆起と堆積物の関係も把握しやす くなりました。
著 者
竹内 誠(研究部門付)・長森英明(シームレス地質情報RG)・古川竜太・及川耀樹・坂野靖行(シームレス地質情報RG)・宮川歩夢(地球物理RG)
2022年
古日本列島の変遷と成り立ちを示す地質図を出版
概要・ポイント
最新の地質情報に基づき若狭湾沿岸地域の地質図を54年ぶりに全面改訂しました。そこから過去5億年間の日本列島の変遷と成り立ちが読み取れます。
著 者
中江 訓(研究部門付)・辻野 匠(層序構造地質RG)・小松原 琢(平野地質RG)・高木哲一・宮川歩夢(地球物理RG)
磐梯山の成り立ちを示す地質図を出版
概要・ポイント
会津地域の北東にそびえる磐梯山は、1888年に水蒸気噴火と大規模な山体崩壊を起こした活火山であり、将来の噴火が懸念される火山の1つです。 本地質図幅では磐梯山の地質に関する情報のみならず、その周辺地域の地質についても網羅的に情報が記載されています。そのため、 この1冊で磐梯山の誕生以前から〜磐梯山の成長過程〜そして現在までに至る火山活動の歴史や地史を理解することができます。
著 者
山元孝広・阪口圭一(シームレス地質情報RG)
関東平野の成り立ちを概観できる地質図を出版
概要・ポイント
川越地域は関東平野と関東山地にまたがる地域です。西側の関東山地は主に付加体から構成されるジュラ紀〜白亜紀の基盤岩類からなり、 関東山地東縁(関東平野西縁)の丘陵は中新世の海成層と新鮮世〜前期更新世の陸成層と浅海成層からなり、東側の関東平野の台地と低地には 中期更新世〜完新世の段丘堆積物と沖積層が分布しています。このような地質の分布から、川越地域は日本最大の平野である関東平野の数1000m 地下に拡がる地層分布を陸上で追跡することができる場所となっており、関東平野の成り立ちを概観できる地質図幅と言えます。
著 者
納谷友規(平野地質RG)・原 英俊(層序構造地質RG)・小松原純子(研究部門付)
伊勢・志摩半島・熊野灘にわたる地下を明らかにする地質情報を公開
概要・ポイント
この重力図は、三重県と愛知県を含む広範囲をカバーし、紀伊半島西部から伊勢湾・三河湾沿岸域までの1万点以上の重力測定点を基に作成しました。 熊野灘に広がる熊野舟状海盆で、海底の砂や泥が厚く堆積している様子が確認されています。さらに、伊勢湾に向かって地下の岩盤が深くなっていく様子など、 都市域につながる地質情報を提供しています。
著 者
宮川歩夢・名和一成(地球物理RG)・村田泰章・駒澤正夫・大熊茂雄(地球物理RG)・石原丈実・村上文敏(海洋地質RG)
プレスリリース
発表・掲載日:2022年04月20日
-過去の地盤沈下・地震被害と地下構造との関係が明らかに-
概要・ポイント
多摩川低地における沖積層の分布と成り立ちを示した「沖積層アトラス」を公開しました。沖積低地全体を捉えた軟弱層の分布を提供することで、 地震などの災害への備えやインフラ整備の基礎情報としての活用が期待されます。
著 者
田辺 晋(平野地質RG)・石原与四郎・中島 礼(研究部門付)
多摩川低地における沖積層の深度分布(左)と軟弱層の層厚分布(右)
低地の地下には、標高-70mまで沖積層が分布し、軟弱層が沿岸部に広く、内陸部にも点在する。灰色は台地と丘陵。
2021年
足尾山地南西部の地質図を出版
概要・ポイント
関東平野の北方にそびえる足尾山地は、同山地の名を冠する足尾帯のジュラ紀付加体からできています。ただし、その研究例は多くはありませんでした。 この足尾山地の南西部にあたる本地質図幅の出版により、足尾帯のジュラ紀付加体の特徴や構造関係をまとめることができました。
著 者
伊藤 剛(層序構造地質RG)・高橋雅紀・山元孝広・水野清秀(平野地質RG)
日本最古の学校と伝わる足利学校の庭石。
足尾帯のジュラ紀付加体と思われるチャートが使われている。
岡山県南東部の成り立ちを示す地質図を出版
概要・ポイント
「和気」地域の地質は、ペルム紀〜ジュラ紀のプレート沈み込みに関連して形成された基盤岩類、後期白亜紀の火山岩類・貫入岩類、 古第三紀の陸成の堆積岩及び第四紀の堆積層からなります。後期白亜紀の火山岩類は、分布・岩相・層序関係・年代測定から7つの火山岩層に区分され、 貫入岩類との貫入・被覆の関係から、活動時期は大きく3つに分けられることが明らかになりました。
著 者
佐藤大介(地殻岩石RG)・脇田浩二・宮地良典(研究部門付)
プレート境界周辺の海陸シームレス地質情報を整備
概要・ポイント
相模湾沿岸域は、伊豆ー小笠原弧を乗せたフィリピン海プレートが本州弧に沈み込む相模トラフが発達する地域です。この地域は地殻変動が活発で、 相模トラフから分岐した国府津ー松田断層帯のほか、伊勢原断層や三浦半島断層群などがみられ、また1923年の関東地震の震源域でもあります。 公開された地質情報は、今後、活断層評価や強振動予測などの地質災害の軽減や、環境評価や産業立地政策などに活用されることが期待されます。
著 者
中島 礼・池原 研(研究部門付)・佐藤善輝・水野清秀(平野地質RG)・ 宇都宮正志(層序構造地質RG)・杉崎彩子・片山 肇(海洋地質RG)・ 佐藤智之(地球変動史RG)・ 伊藤 忍・木下佐和子・大熊茂雄・駒澤正夫・宮川歩夢・住田達哉(地球物理RG)・ 味岡 拓・横倉隆伸・山口和雄・尾崎正紀・久保純子・江戸将寿・中塚 正・上田 匠・岩田光義
プレスリリース
発表・掲載日:2022年01月20日
-河岸段丘を活用した産業地帯の地質図幅の発行-
概要・ポイント
豊田地域の頑丈な地盤から脆弱な地盤までを詳細に示した地質図幅を整備ました。 工場群のある場所が地質調査によって強靱な地盤「河岸段丘」であることが明らかになり、事業継続計画(BCP)策定やインフラ整備など 今後の都市計画に必須となる詳細な地質情報として活用されることが期待されます。
著 者
中島 礼(研究部門付)・植木岳雪・山崎 徹(地殻岩石RG)・高木哲ー・斎藤 眞(シームレス地質情報RG)
プレスリリース
発表・掲載日:2021年04月19日
世界第一級の大断層「中央構造線」が走る”阿波池田”地域の地質
-香川・徳島県境域の5万分の1地質図幅「池田」の発行-
概要・ポイント
1枚の地質図に大地の歴史や活断層・地すべりの情報を集約し、西南日本の地質を南北に二分する大断層(中央構造線)の両側の地層の成り立ちを解明しました。 日本列島の成り立ちの理解や、防災・減災対策、土木・建築の基礎資料など多方面での活用に期待されます。
著 者
野田 篤・宮崎一博(研究部門付)・水野清秀(平野地質RG)・長田充弘
2020年
青森県北東部の20万分の1地質図幅を57年ぶりに改訂
概要・ポイント
青森県北東部の奥羽山脈〜上北平野〜下北半島東部の範囲をカバーする20万分の1地質図幅「野辺地」を57年ぶりに改訂し、第2版として刊行しました。 本地質図幅では、当該地域の地質について層序、分布、岩相、年代、文献などの基礎情報が網羅的に記載されており、読者はこの地質図幅を見るだけで当該地域の 地質概要を理解することが可能です。
著 者
工藤 崇(地殻岩石RG)・小松原純子(研究部門付)・内野隆之(シームレス地質情報RG)・昆 慶明・宮川歩夢(地球物理RG)
地質図面の画像北上山地北部の成り立ちを示す地質図を出版
概要・ポイント
北上山地北部は、ジュラ紀の海溝周辺域から白亜紀の前弧-島弧域にかけての地域に相当し、沈み込み帯(海溝)で形成された付加体、島弧深部に貫入した深成岩、 前弧海盆を埋積した堆積物から構成されています。「陸中関」ではそれらの標準層序を構築することで、北上山地北部の地質標準を提示することができます。
著 者
中江 訓(研究部門付)・鎌田耕太郎・久保和也・工藤 崇(地殻岩石RG)
中京都市圏の地下の地質構造を描き出す地質の地図を刊行
中部地方を中心とした重力図「名古屋地域重力図(ブーゲー異常)」
概要・ポイント
この重力図は、20万分の1地勢図「岐阜」「名古屋」にかけての広範囲をカバーし、4万点を超える重力測定点から成ります。 この図は、地域の地質構造や断層の位置を理解するのに役立ち、特に1891年の濃尾地震に関連する断層情報など、中部地方における防災・ 都市開発に資する重要な情報を提供しています。
著 者
村田泰章・宮川歩夢・駒澤正夫・名和一成・大熊茂雄(地球物理RG)・岸本清行・石原丈実・志知龍一