研究

放射線は、医療診断・医療治療・非破壊検査・原子力発電・滅菌・加工・品種改良など、古くから利用され、人類に不可欠なものとなっています。近年では、大型加速器施設から得られる放射線を用いて最先端の分析や医療治療・診断など活発に研究されてます。このように人類にとって不可欠で有用なものである一方で、放射線の取り扱い方を間違えると重篤な結果を招くおそれがあります。このため放射線に対する安心安全のためには、放射線を正しく取り扱い、放射線を正確に測定し、放射線から人体を防護することは非常に重要です。

当研究グループでは、放射線(X線、γ線、β線、粒子線)の量を正確に測定する技術を開発し、標準を開発・維持・供給しています。現在、特に以下の標準について研究開発を進めています。



  • 低線量率γ線線量標準の開発
    環境レベルの放射線に対する計測器の校正を実現します。線量率の範囲は、Cs-137線源を用いて、0.065 mGy・h-1~2.0 mGy・h-1です。




  • β線線量標準の開発
    外挿電離箱を用いて90Sr/90Y、85Kr、147Pm線源についてβ線標準場を設定しています。さらに、医療用密封小線源(Ru-106/Rh-106)の水吸収線量標準を開発し、2014年から供給を開始しました。