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ブロックゲージ(詳細表示)

図1 ブロックゲージ
図1 ブロックゲージ

図1に示すブロックゲージは、シンプルでありながら精度が非常に高く、加えて実用性も高いため、 マイクロメータやノギス、三次元測定器の校正など、最も普及している長さ標準です。 産業技術総合研究所では、光波干渉測定法を用いて世界トップレベルの小さな不確かさでブロックゲージの校正を行っています。

校正範囲:呼び寸法0.5 mm〜250 mm

表中の拡張不確かさ、条件の概略を知りたい方はこちらをクリックしてください。

拡張不確かさ(k=2) 条件・備考 認定
√((23 nm)2+(0.10×10-6 L)2)
ASNITE認定、KCDB登録(別ウィンドウが開きます)
L: 呼び寸法

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校正範囲:呼び寸法150 mm〜1000 mm

表中の拡張不確かさ、条件の概略を知りたい方はこちらをクリックしてください。

拡張不確かさ(k=2) 条件・備考 認定
√((20 nm)2+(0.17×10-6 L)2)
低熱膨張係数材料以外 ASNITE認定、KCDB登録(別ウィンドウが開きます)
√((28 nm)2+(56×10-9 L)2)
低熱膨張係数材料 ASNITE認定、KCDB登録(別ウィンドウが開きます)
L: 呼び寸法

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校正範囲:呼び寸法0.5 mm〜100 mm

表中の拡張不確かさ、条件の概略を知りたい方はこちらをクリックしてください。

拡張不確かさ(k=2) 条件・備考 認定
√((14 nm)2+(0.23×10-6 L)2)
基板に密着済み
校正器物の熱膨張係数は(11.5±1)× 10-6 /Kの範囲(例:スチール)、 標準不確かさ0.3×l0-6/K以下、
または(9.3±0.5)× 10-6/Kの範囲(例:セラミックス)、 標準不確かさ0.3×10-6/K以下
√((14 nm)2+(64×10-9 L)2)
基板に密着済み
校正器物の熱膨張係数は(0±0.5)× 10-6 /Kの範囲(低熱膨張係数材料)、 標準不確かさ0.1×l0-6/K以下
L: 呼び寸法

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校正技術

図2 ブロックゲージ干渉計の構成
図2 ブロックゲージ干渉計の構成
図3 産総研のブロックゲージ干渉計
図3 産総研のブロックゲージ干渉計

ブロックゲージの高精度校正には光波干渉を利用します。光波干渉を行う場合は、 ブロックゲージの測定面の片面を平面基板に光学密着します。こうすると、 ブロックゲージの上面と平面基板の上面の間の長さがブロックゲージの長さになります。 光波干渉計は、図2のような構成になっています。 ブロックゲージの上面で反射した光と平面基板の上面で反射した光の間の光路差を、 干渉強度から測定します。光路差の測定法は様々な方法がありますが、 産総研では、一枚の干渉縞画像をCCDカメラで取り込み、 ブロックゲージ部分と平面基板部分の干渉縞の位置ずれから光路差を計算しています。

光の干渉強度は、光路差に対して光源波長を一周期とした周期関数であるため、 干渉強度から光路差を求める際には、波長の整数次数の不確定性があります。産総研では、 異なる波長の光源を複数用いて干渉縞画像を測定し、すべての波長で、 観測された干渉縞の位置ずれと合致する光路差を求めることにより、 整数次数を決定しています。これを合致法と呼びます。

ブロックゲージの測定結果には、光源波長、ブロックゲージ自身の熱膨張や空気の屈折率、 干渉計の光軸調整などによる不確かさが含まれます。これらを適切に制御、調整、 測定することにより影響を抑え、校正の不確かさを小さくすることが重要です。

産総研のブロックゲージ干渉計を図3に示します。これは、40年以上前に 産総研の前身の一つである計量研究所と日本の精密機械メーカーとが共同で開発した装置 (NRLM-ツガミ型)1, 2で、多くの外国の標準研究所や国内外の校正機関が導入しました。 産総研では、光源のレーザ化、CCDカメラによる干渉縞観測、温度の精密制御、 低熱膨張材料製ブロックゲージへの対応3など、 周辺技術の進歩に合わせて、この干渉計を改造して使用しています。

参考

  1. 桜井好正、清野昭一、連続測定用ブロックゲージ干渉計、精密機械、Vol. 31, No. 8, pp. 714-720 (1965)
  2. 桜井好正、清野昭一、連続測定用ブロックゲージ干渉計、計量研究所報告、Vol. 15, No. 3, pp. 222-231 (1966)
  3. 尾藤洋一、実用長さ標準器の進展 −低熱膨張ガラス材を用いたブロックゲージ−、 産総研 TODAY, Vol. 5(別ウィンドウが開きます), No. 7 pp. 46-47 (2005) [PDFファイルはこちら、980KB]

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校正責任者

平井 亜紀子

これまでに参加した国際比較

比較番号 比較の種類 比較実施時期 測定対象 国際比較DB
(英語、別ウィンドウが開きます。)
CCL-K1 CIPM基幹比較 1998年-1999年 スチール(0.5 mm-100 mm)、
タングステンカーバイド(0.5 mm-100 mm)
CCL-K1
CCL-K2 CIPM基幹比較 1999年-2001年 スチール(175 mm-900 mm) CCL-K2
APMP.L-K2 APMP基幹比較 2000年-2002年 スチール(200 mm-500 mm) APMP.L-K2
APMP.L-K1 APMP基幹比較 2001年-2002年 スチール(0.5 mm-100 mm)、
セラミックス(0.5 mm-100 mm)
APMP.L-K1
APMP.L-K1.1 APMP基幹比較 2005年-2006年 スチール(0.5 mm-100 mm) APMP.L-K1.1
APMP.L-K1.1.2011 APMP基幹比較 2011年-2012年 スチール(0.5 mm-100 mm) APMP.L-K1.1.2011
CCL-K1.2011 CIPM基幹比較 2011年- スチール(0.5 mm-500 mm)、
セラミックス(3 mm-90 mm)
CCL-K1.2011
APMP.L-K1.2018 APMP基幹比較 2020年- スチール(0.5 mm-500 mm)、
タングステンカーバイド(0.5 mm-100 mm)
APMP.L-K1.2018

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マスコット

図4 ブロックゲージのマスコット
図4 ブロックゲージのマスコット。
左:ゲジ太、右:ゲジ男

図4はブロックゲージグループのマスコット達です。

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