独立行政法人産業技術総合研究所【生物プロセス研究部門】
植物機能制御研究グループ
研究内容

研究プロジェクト

ラテックス生産性向上のための分子育種技術開発 (2011~)

 天然ゴムは、タイヤを中心とするゴム産業において必要不可欠な原材料であり、その世界的な需要は増加の一途をたどっています。その一方で、森林保全の観点などから耕地面積の拡大は難しいため、単位面積当たりの生産性を向上させることが重要な課題となっています。そこで、我々は、インドネシア技術評価応用庁(BPPT)及びブリヂストンと連携してパラゴムノキにおけるラテックス生産性の向上を目指した分子育種の基盤技術構築をテーマに国際共同研究を実施しています。

ゼロから創製する新しい木質の開発(2011~)

科学技術振興機構(JST) 先端的低炭素化技術開発(ALCA)(研究代表者:光田展隆)
 本研究では、木質から生産する新世代バイオエタノール、バイオプラスチック等の増産を図るため、新しい木質を持つ植物を開発します。二酸化炭素の排出量を減らすために、食糧にならない木質を原料とした第二世代バイオエタノールの生産拡大が求められています。本研究は、重要遺伝子の変異により木質を作ることのできない植物に、合成生物学的な発想でさまざまな遺伝子を導入することにより、通常の木質にくらべてより低コストで多くのバイオエタノールやバイオマテリアルを生産できる新しい木質を形成する植物を開発しようとするものです。

遺伝子転写制御機構の改変による環境変動適応型スーパー植物の開発(2011~2013)

最先端・次世代研究開発支援プログラム(研究代表者:藤原すみれ)
 本研究では、CRES-T法で得られた知見を活用し、リプレッションドメインを付加した転写因子が遺伝子発現を抑制する際に形成されるタンパク質の複合体の解析を通して未知の鍵因子を単離・解析することにより、遺伝子転写抑制メカニズムを解明することを目指します。また、そこから斬新な遺伝子発現の操作技術の開発につなげることを目指します。さらに、抑制から活性化に機能転換させた転写因子を発現する植物を網羅的に作出し、有用な性質を獲得した様々な植物の単離と実用植物への応用を進めます。これらの研究により、植物が持つ能力をさらに引き出すことができれば、我々が抱える多様な問題の解決につながると期待されます。

転写制御ネットワークを解明するための技術開発

転写因子の研究を行うにあたっては転写因子そのものの機能解析だけでなく、遺伝子発現制御ネットワークを明らかにすることも重要な課題です。酵母ワンハイブリッド(またはツーハイブリッド)スクリーニングは、任意のDNA(またはタンパク質)に結合する転写因子を同定する技術として広く使われてきましたが、私たちは転写因子だけをライブラリーに用いることで従来よりも100倍以上効率よくスクリーニングできることを実証しました。現在ではこれをさらに発展させ、96穴プレート4枚でシロイヌナズナなら1700転写因子をカバーする準個別ライブラリーを整備し、ロボットによって一対一に近い形(実際は1ウェルに3~8転写因子が混合されている)でスクリーニングを行える体制を確立しました。現在このスクリーニング系を酵母を使った実験系から葉肉細胞のプロトプラストを使った実験系に置き換えられるよう体制を整備しているところです。

自家発光植物の開発

生命科学では基礎・応用研究の幅広い分野においてルシフェラーゼ遺伝子を人為的に導入した光る生物群が作られ、多くの生命現象の解明に貢献すると共に、創薬研究等に活用されています。しかしながら、人為的に作製した光る生物群は、全て発光反応の基質であるルシフェリンを外から加える必要があり、基質を自家合成できる自家発光生物は作られていません。わたしたちはホタルルシフェリンの生合成に関わる遺伝子を植物に導入することで、基質を与えなくても発光する完全自家発光植物の創製に挑戦しています。

人為的変異を利用したイネ実験系統群の作出:イネ転写因子キメラリプレッサーを用いた変異体の作出・評価及び利用 (2008~2012)

新農業展開ゲノムプロジェクト(産総研代表者:高木優)
 遺伝子の機能解明、有用遺伝子の探索等に資する目的で、各転写因子の標的(下流)遺伝子群の発現を抑制する遺伝子サイレンシング系(CRES-T)のイネへの適用により、ドミナントネガティブ型リソースである転写因子キメラリプレッサー過剰発現変異系統群を作出し、表現型の調査を行っています。

その他の研究課題

  • CRES-T法の作用機構解明及び利用技術開発
  • CRES-T法の網羅的適用とデータベース作成
  • 木質形成を制御する遺伝子制御ネットワークの解明
  • ジャスモン酸応答に関わる転写制御メカニズムの解明
  • クチクラ合成に関わる転写制御メカニズムの解明 研究成果ピックアップ
  • 実用植物の生産性や価値向上のための分子育種技術開発

■ HOME
■ 部門の紹介
■ 研究紹介
■ 研究成果
■ お知らせ
■ その他

北海道センター
〒062-8517
札幌市豊平区月寒東2条17丁目2-1
011-857-8537(代)
つくばセンター
〒305-8566
茨城県つくば市東1-1-1 中央第6
029-861-6040(代)