植物機能制御研究グループ
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リグニンのない木質を形成?!

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シロイヌナズナ窒素再配分の制御機構に関与する転写因子の機能解明

    植物では、根から取り込まれた窒素は成熟葉で同化されてアミノ酸や核酸などの合成に用いられます。夜間や老化過程においては、これら窒素化合物は再びあるアミノ酸へ変換されて若い葉や成長点、種子などへと再配分されます。これは、植物が限られた窒素を有効に利用するために非常に重要な過程ですが、その制御機構は未だ不明な点が多く残っています。  本研究では、シロイヌナズナの転写抑制因子NSR1の遺伝子発現が、窒素の転流機構と密接にかかわっていることを明らかにし、過剰発現させることで、窒素の再配分が抑制されることを発見しました。さらに、窒素再配分機構の重要因子であるアスパラギン合成酵素遺伝子(ASN1)がNSR1の制御下にあることを明らかにしました(図1)。


    (図1)NSR1遺伝子発現とASN1遺伝子発現への影響

    以上より、NSR1はASN1遺伝子の発現抑制を介して、窒素の再配分機構を抑制制御している可能性を明らかにしました。 将来的には老化を抑制した(植物体が長持ちする)植物の開発、種子などの成熟を促進させた植物の開発、窒素施肥量を低減させた、より環境低負荷の施肥管理技術の開発などにつながることが期待されます。本成果はNakano, Y., Naito Y., Nakano, T., Ohtsuki, N., Suzuki, K. Plant Sci. 263: 219-225. (2017)として発表しました。


    (図2)再配分制御機構解明によって期待される技術開発


    花と葉の表面クチクラを作り分けて高蓄積を誘導

      植物の表面を覆っているクチクラは乾燥やUV、害虫、病気などから植物を守っています。また、鑑賞用花きの重要な特徴である花弁の質感の要因となっています。クチクラは脂質性のポリエステルとワックスからできており、それらを合成する酵素や輸送タンパク質などが必要な場所とタイミングに存在することにより、様々な形状や役割を生み出しています。本研究では、クチクラ形成を統括制御する転写因子MYB106とMYB16の機能を強化し、その発現場所やタイミングを適切に操作することで、生育への影響を抑えつつクチクラを高蓄積さると共に質感の操作にも成功しました。葉ではMYB106、MYB16はそれぞれ花、葉タイプのクチクラ形成を優先的に誘導し(図1)、花弁ではMYB106、MYB16共に花タイプのクチクラを高蓄積させ、質感が変化して白色が濃くなりました(図2)。


      (図1)異なるタイプのクチクラ形成を誘導

      (図2)クチクラの高蓄積と花弁の質感の変化

      今後は組成や機能を含めて用途に合わせたクチクラ形成技術として開発を発展させます。将来的には乾燥や強光、害虫、病気に強い植物の作出、花の色や質感の改良、植物性ワックスの改良、増産などに役立つことが期待されます。本成果はOshima and Mitsuda, Plant Biotechnology 33: 161-168 (2016)として発表し、掲載号の表紙で紹介されました。


      葉表面の気孔の閉じ具合を調整しオゾン耐性を強化

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      イネの遺伝子を使ってポプラの木質を増強

      詳細はプレス発表をご覧ください。



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