木質複合材料研究グループ
長期に材料利用することで脱炭素社会の実現に寄与する木質資源を対象として、新たな工業的利活用技術の創出を目指し、木材の階層構造を活かした他物質との複合化・マルチマテリアル化を通じた部材化技術の開発に取り組んでいます。
グループの研究課題・研究成果
木材の階層構造を活かした複合化
木質素材はナノ~マクロオーダーの階層構造で構成されています。例えば、細胞を構成する細胞壁は、強靭な結晶性セルロースを核として非晶性高分子がそれを補強する形で複合化されています。この天然由来の合理的な階層構造を活かして、他物質との複合化、化学修飾、成分改質等を施すことで、木質素材本来の“良さ”を活かしつつも耐久性や機能性を向上させた部材開発に取り組んでいます。要求される部材性能に応じた新しい処理プロセスの研究開発と平行して、木質素材の階層構造に応じたマルチスケール構造評価・解析技術の高度化に取り組み、天然由来の木質素材の不均一さを理解しつつ原理・原則に則った課題解決手段の提案が可能です。

木質素材の階層構造を活かした高耐久化・高機能化
木質流動成形とマルチマテリアル化
塊状や端材の未利用な木質素材から、汎用的な塑性加工手段により任意形状の成形を可能とする「木質流動成形」の開発に取り組んでいます。素材前処理として樹脂複合化や化学処理を適用することで、目標製品の用途に応じた成形体の耐久性・機能性の付与が可能です。成形時の流動性改善や成形体の物性改善に向けて研究を推進しており、石油由来プラスチックの代替として幅広い用途での展開を目指しています。また、木材の塑性流動性を利用して、異種材料と強固に接合させたマルチマテリアル化の開発に取り組んでおり、低環境負荷な部材開発を目指しています。

木質流動成形(左)とマルチマテリアル化(右)
グループの構成メンバー
役職 | 氏名 | 論文等 |
---|---|---|
研究グループ長 |
関 雅子 (SEKI Masako) | ![]() |
主任研究員 |
阿部 充 (ABE Mitsuru) | ![]() |
主任研究員 |
稲垣 雅彦 (INAGAKI Masahiko) | ![]() |
主任研究員 |
辻内 亨 (TUZIUTI Toru) | ![]() |
主任研究員 |
李 誠鎬 (LEE Sungho) | ![]() |
研究員 |
暮井 達己 (KUREI Tatsuki) | ![]() |
研究員 |
堀山 彰亮 (HORIYAMA Hiroaki) | ![]() |