次世代電子材料研究グループ
次世代高速通信やIoT社会実現のため、セラミックス、金属、無機/有機ハイブリッド・コンポジットにおける高度な製造プロセスやナノ構造制御技術、解析技術を用いて、高周波領域で低損失なメタコンダクターや動的メタサーフェス反射板など、高性能な電子部材向けの新規機能性材料開発を推進します。
グループの研究課題・研究成果
6G通信の伝送損失低減に向けて低損失メタコンダクターの開発
次世代高速通信では大容量・高速・多接続を実現するため100 GHz超の高周波の利用が期待されます。一方で、高周波の電流を導体に流そうとすると、表皮効果と呼ばれる電磁現象により、導体表面のみにしか電流が流れなくなり、損失が非常に大きくなります。そこで、磁性体の負の透磁率を利用し、電磁誘導をキャンセルすることが可能なメタコンダクター(導体と磁性体の複合構造体)と呼ばれる低損失導体に着目し、その高周波帯域による活用を目指した研究開発を推進しています。

低損失導体「メタコンダクター」の動作原理と気相蒸着装置により作製した試作メタコンダクターの断面微構造
6G通信のエリアカバー実現に向けて動的メタサーフェスの開発
次世代高速通信で使用されることが期待される100 GHz超の高周波は、直進性が高く、障害物を回り込めない性質があります。必要な箇所に瞬時に電波を届けるため、電磁波を自在に反射可能なメタサーフェス反射板と呼ばれるデバイスが多数必要となります。当グループでは、反射板を構成する材料の特性を、外場によって変調させることにより、反射角度を能動的に変えられるデバイス応用を目指しています。特に強誘電体の誘電率が電場により大幅に変調できるため、この応用に利用できるではないかと着目し、研究開発を進めています。

動的メタサーフェス反射板のイメージと水熱法により合成した強誘電体
チタン酸バリウムナノキューブ集積膜の電界印加時における誘電特性
グループの構成メンバー
役職 | 氏名 | 論文等 |
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研究グループ長 |
三村 憲一(MIMURA Ken-ichi ) | ![]() |
主任研究員 |
鶴田 彰宏(TSURUTA Akihiro ) | ![]() |
主任研究員 |
板坂 浩樹(ITASAKA Hiroki ) | ![]() |
主任研究員 |
青柳 倫太郎(AOYAGI Rintaro) | ![]() |
研究員 |
薄川 隆太郎(USUKAWA Ryutaro) | ![]() |
研究員 |
山本 凌大(YAMAMOTO Ryota) | ![]() |
連絡先
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 マルチマテリアル研究部門 次世代電子材料研究グループ
〒463-8560 愛知県名古屋市守山区桜坂四丁目205番地
Eメール:M-mmri-webmaster-ml*aist.go.jp(*を@に変更して送信下さい。)