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地球物理研究グループ

セミナー・集会

地球物理研究グループでは,常勤職員が幹事を持ち回りでグループセミナー を開催しております.
所外の方の発表も歓迎いたします。(名和) 

これからの発表

 

第125回地球物理セミナー

日時:5月14日(火) 16:00から (1時間程度)

場所:第三会議室(7-1 531)対面開催

講演者: 住田 達哉

題名: 「P-V状態方程式についての研究の進捗状況について」

要旨:凝縮系のP-V状態方程式として,Birch-Murnaghan式やRydberg-Vinet式は,よく利用されている. しかしながら,高圧力発生技術と高圧下での各種物性の測定技術の進展により,従来のP-V状態方程式間の違いがより鮮明になってきている. また,従来式では,常圧(ゼロ圧力近似)の体積を基準としているが,常圧では存在できない高圧鉱物もあるため,必ずしも適切な表記とはなっていない. 今回は,上記を意識した従来式の拡張および一般化について進捗状況を報告する.



これまでの発表

 

第124回地球物理セミナー

日時:4月17日(水) 10:30から (1時間程度)

場所:第三会議室(7-1 531)対面開催

講演者: 木下 佐和子

題名: 「兵庫県南あわじ市阿万地区における地下浅部構造」

要旨:淡路島南西部に分布する湊-本庄断層の位置と変形構造を明らかにするため, 兵庫県南あわじ市阿万地区においてP波・S波浅部反射法地震探査を実施した. 深度断面において,S波反射法地震探査では標高約-80 m,P波反射地震探査では標高約-120 m付近まで反射波が認められた. P波の深度断面は測線の西に向かって基盤(和泉層群)上面が浅くなっている特徴が見られた. また,湊-本庄断層による変形構造が認められた.それに対してS波の深度断面は測線の中央に向かって基盤上面が浅くなる特徴が 認められた.今後,処理を進め断面図を改善し,湊-本庄断層の変形構造を議論する予定である.

 

第123回地球物理セミナー

日時:4月10日(水) 10:30から

場所:オンライン

講演者: 伊藤 忍

題名: 「反射法地震探査の処理と解釈の改善の試み」

要旨: 近年,地震探査システムの高性能化や記録メディアの高容量化等にともなって,取得されるデータ量が増大している.一方,反射法データ処理は,近年の計算機処理能力の向上やAIの普及等により, 各過程での自動化が進められている.2017年10月に福島県会津坂下町で実施した反射法地震探査のデータについて,初動検測と速度解析について自動処理の適用を試みた.その結果について報告する.



 

第122回地球物理セミナー

日時:3月12日(火) 15:00から (1時間程度)

場所:7-8棟 3階 セミナー室

講演者: 大柳 諒(京都大学 博士課程)

題名: 「1975年~1992年の相対重力データで明らかになった桜島火山直下の質量増加と火山ガスデータに基づく考察」

要旨:地下のマグマをモニタリングする主な測地学的手法として、地殻変動観測と重力測定がある。 桜島火山では、南岳火口で活発な繰り返し噴火が見られた1970~90年代において、 水準測量で得られた地殻変動からはマグマだまりの収縮が示唆された(江頭ほか, 1989)一方で、 重力測定からはマグマ質量の増加が示唆されていた(石原ほか, 1986)。 この一見矛盾する結果を説明するために、本研究では1975年~1992年の水準・重力データを統合したマグマ供給系のモデル化を行うとともに、 火山ガス・岩石学データなどの別種のデータとの比較を行うことでその物理プロセスを考察した。 その結果、水準データからは姶良カルデラ中央部海抜下8.0 kmに4.2×10^6 m^3/yr、および桜島直下海抜下3.6 kmに7.25×10^5 m^3/yrの圧力源の収縮が推定され、 重力データからは浅部圧力源近傍に4.5×10^10 kg/yrの質量増加が推定された。 この結果は、桜島火山で観測されている定常的な火山ガス放出に伴い桜島火山直下のマグマだまりに脱ガスした高密度マグマが蓄積していることを仮定すると、 桜島における火山ガス・岩石ガスデータを用いて定量的に説明できることが分かった。



 

第121回地球物理セミナー

日時:令和5年11月20日(月) 13:30から (1時間程度)

場所:531セミナー室(対面)

講演者: 大谷 竜

タイトル: 南海トラフ地震臨時情報: 災害予測情報としての運用上の課題についての考察

要旨:国は東日本大震災の発生を受けて、これまで行われていた東海地震予知のような地震発生の「確定的な」 予測は困難であるとして、 東海地震情報の提供を中止した。その代わりに、不確実な地震予測である「南海トラフ地震情報」を導入した。 本論では、南海トラフ地震情報の「わかりにくさ」の原因の一つとして、災害予測情報を運用する上での根本的な「考え方の転換」があることを考察する。





第120回地球物理セミナー

日程:令和5年9月29日(金)10:30~12:00

場所:オンライン開催 (Teams)

発表者:丸藤大樹

タイトル:複数の機器で捉えた北海道東部弟子屈地域での重力変化

要旨:地下の質量分布の変化の把握はマグマ活動や断層運動などに関する研究に繋がることから、屈斜路カルデラ周辺ではこれまでに複数の機器を用いた重力測定が行われている。 北海道大学弟子屈観測所には約4年間(2018年11月~2022年8月)超伝導重力計iGravが設置され、重力変化の連続測定を行っていた。 また、シントレックス型重力計CG-5を用いた屈斜路カルデラ地域での相対重力測定を2022年6月、2023年6、9月に実施した。 CG-5での測定は重力計の運搬が測定開始直後の値に影響を及ぼしていることが示唆されているため、2023年の観測では車での運搬後の測定時間を90分とし、 2022年の30分よりも長くした。
 重力データには気圧変化、潮汐、極運動など様々な影響が含まれており、結果の解釈のためにはこれらの影響を適切に補正する必要がある。 超伝導重力計で得られた連続データを補正すると、冬から春先に掛けての特徴的な重力季節変化が検出された。 冬の積雪や春先の融雪を考慮した陸水重力変化のモデルを作成することで、この重力季節変化を補正した。 その際、前半2年分のデータを解析した山佳・名和(2020)ときよりも大きな飽和透水係数が推定された。 CG-5のデータは測定開始後60分程度からドリフトの様子が安定していた。スケールファクターという物理量を用いた補正も行い、各観測点の重力差の変化を計算した。
  屈斜路カルデラ中心部では2021年以降膨張性の地殻変動が観測されているが、種々の影響を補正した超伝導重力計のデータは安定しており、 地殻変動による有意な影響は見られなかった。CG-5のデータを解析した結果、膨張中心近くの仁伏観測点では1年間での重力差の変化は見られなかった。 仁多観測点では1年間で弟子屈との重力差が80μGal程度変化していたが、膨張中心からの距離は大きいため原因は不明である。 今後は絶対重力測定の結果を利用した超伝導重力計のドリフトレートの推定などを通して、より詳細に経年的な重力変化について考察を進めていきたい。

Teams会議リンク:



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