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地球物理セミナー 平成29年度

*第102回地球物理セミナー


日程:平成29年12月27日(水)13:30〜 15:00

場所:7-1棟5階 531室(第3会議室)

発表者:横倉隆信(地球物理研究グループ)

タイトル:「埼玉菖蒲のVSPデータ解析の紹介」

要旨:VSPデータから反射断面を作成するケーススタディを横倉さんに改めて紹介していただきます。データは埼玉菖蒲で取得されたVSPデータで、結果は2010年の所内報告会で報告済みです。来春伊勢湾沿岸域プロジェクトに関連して実施予定の小規模VSPの参考になると思われます。


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*第101回地球物理セミナー


日程:平成29年10月24日(火)10:45〜 12:00

場所:7-1棟5階 531室(第3会議室)

発表者:大谷 竜(地球物理研究グループ)

タイトル:「地震予測情報の不確実性が防災行動に及ぼす影響に関する調査研究」

要旨:東日本大震災以来、国はこれまでの地震防災政策の大幅な見直しを行ってきた。特に、南海トラフ巨大地震は大きな被害をもたらすと考えられるため、その対策は喫緊の課題として内閣府を中心に検討されている。最近では昨年9月、「南海トラフ沿いの地震観測・評価に基づく防災対応検討ワーキンググループ」が設置され、大規模地震対策特別措置法(以下、大震法)に基づくいわゆる「東海地震」対策の見直しや、その南海トラフ全体への拡大の是非について、地震予測に内在する大きな不確実性を踏まえた上で、効果的な地震防災のためにはどのような情報を出していけばいいのか議論されている。しかしながら、不確実性を持つ予測情報に対して社会や人々がどのような反応を示すのかが十分解明されていないことが、検討を困難なものにしている。 予測情報がどのように生成・加工・流通され、最終的に社会や個人の防災行動に影響を与えるのかを明らかにするため、現在進められている、地震学と災害情報学の研究者を中心とする異分野連携研究の概要と取り組みについて本講演では紹介する。


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*第100回地球物理セミナー


日程:平成29年10月23日(月)13:30〜 15:00

場所:7-1棟5階 531室(第3会議室)

発表者:山口 和雄(地球物理研究グループ)

タイトル:「九十九里平野の浅部地下構造」

要旨:九十九里平野の沿岸域3箇所で反射法地震探査による地下構造調査を実施した。沖積層基底付近の反射面は、九十九里町域ではほぼ平坦、横芝光町域と旭市域では平坦でも滑らかでもなく一部に埋没谷と考えらえる凹部が見られる。沖積層以深は、九十九里町域と横芝光町域の反射面はやや断続的で、特定の傾斜は見られない。これに対して、旭市域の反射面は先新第三系基盤上面まで捉えられ、測線内での基盤は900mの深さに達する。反射面の連続性は非常に良好で、堆積層は整合で成層構造を成し、基盤上面も鮮明である。基盤は南西に傾斜し堆積層は下位ほど傾斜が大きく南西に向けて層厚が増加する。3箇所の反射断面の堆積層中に高角の断層が見られ、特に旭市域では断層の発達が顕著である。九十九里町域と横芝光町域では特異な波形の反射面が見られ、上ガスの貯留層に対応すると考えられる。


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*第99回地球物理セミナー


日程:平成29年10月10日(水)15:00〜16:00

場所:7-1棟5階 531室(第3会議室)

発表者:Dr. Jerome Dyment(パリ地球物理学研究所 海洋地球科学部長)

タイトル:「Toward a better World Digital Magnetic Anomaly Map」

要旨:In this talk I will remind what is the WDMAM project (World Digital Magnetic Anomaly Map) and will present recent improvements obtained in the oceans for version 2.0. I will also present the current effort to achieve a better map over the continents which strongly rely on the contribution of and collaboration with institutions holding data at national and regional scales.


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*第98回地球物理セミナー


日程:平成29年9月14日(水)13:30〜 (一時間半程度)

場所:7-1棟8階 860室(輪講室)

発表者:木下佐和子(地球物理研究グループ)

タイトル:「レシーバ関数解析による沈み込む伊豆島弧の構造」

要旨:関東地方と中部地方は、地下に二枚のプレートが沈み込む、非常に複雑な地域である。太平洋プレートの上に沈み込むフィリピン海プレートの中央部分は、火山が連なる島弧と呼ばれ、地殻が通常の海洋プレートより分厚くなっている。この島弧は伊豆半島で本州と衝突して北西の方向に地下に沈み込んでおり、その先には富士山や浅間山などの活火山が存在する。本研究では、島弧が沈み込む領域において、地下100km以深の深さで発生したマグマが、島弧を突き抜けてどのように地表へと上昇しているのか解明するため、地震波形のレシーバ関数解析をおこなった。 現在までに、沈み込む島弧はS波速度が遅いこと、また伊豆半島の東と西では島弧の地殻-マントル境界面の速度コントラストが異なるということがわかった。今後は解析領域を広げて、沈み込む伊豆島弧の全体像を理解したい。
また、本セミナーの後半では、来年度から5年間の研究計画も合わせて紹介する。


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*第97回地球物理セミナー


日程:平成29年8月 10日(水)15:00〜 (一時間半程度)

場所:7ー3B棟2階211号室(第2会議室)

発表者:名和 一成 (地球物理研究グループ)

タイトル:「重力連続観測で見えてきたF-net石垣点周辺の土壌水分量変化」

要旨:2012年にスロースリップに伴う重力変化を捉える目的で、国立天文台VERA石垣島観測局で超伝導重力計(SG)観測を開始した。その後2014年から地震計等各種機器を投入して、重力観測に影響する陸水擾乱の定量化を試みた。最近、2016年にVERA局近傍のF-net石垣点に設置したgPhone重力計データから、F-net点近傍の土壌水分量変化が原因と考えられる重力変化を検出することができた。RA望月さんの解析結果(IAG-IASPEI 2017でポスター発表)に基づいて名和が報告する。


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*第96回地球物理セミナー


日程:平成29年7月 26日(水)13:30〜 (一時間程度)

場所:7-1棟 531号室(第3会議室)

発表者:伊藤 忍(地球物理研究グループ)

タイトル:「地球物理研究グループによる地震波干渉法」

要旨:地球物理研究グループは2005年9月から地震波干渉法の適用を目指して, 各種雑振動データの収録を行っている。これまでの経験の積み重ねにより, 徐々に地震波干渉法に適したデータを取得することができるようになってきた。 一方で,処理の改善に伴い,かつてはあまり良質ではないと判断されたデータについても再解析の価値がありそうである。 諸事情により2013年3月を最後に新たなデータを取得していないが,今後の再処理を念頭において,既存のデータの品質や処理の改善方針について 検討を加えつつ紹介する。

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