地球物理研究グループでは,常勤職員と産総研特別研究員が幹事を持ち回りでグループセミナー
を開催しております.
所外の方の発表も歓迎いたします。(名和)
これからの発表
第122回地球物理セミナー
日時:3月12日(火) 15:00から (1時間程度)
場所:7−8棟 3階 セミナー室
講演者: 大柳 諒(京都大学 博士課程)
題名: 「1975年〜1992年の相対重力データで明らかになった桜島火山直下の質量増加と火山ガスデータに基づく考察」
要旨:地下のマグマをモニタリングする主な測地学的手法として、地殻変動観測と重力測定がある。 桜島火山では、南岳火口で活発な繰り返し噴火が見られた1970〜90年代において、 水準測量で得られた地殻変動からはマグマだまりの収縮が示唆された(江頭ほか, 1989)一方で、 重力測定からはマグマ質量の増加が示唆されていた(石原ほか, 1986)。 この一見矛盾する結果を説明するために、本研究では1975年〜1992年の水準・重力データを統合したマグマ供給系のモデル化を行うとともに、 火山ガス・岩石学データなどの別種のデータとの比較を行うことでその物理プロセスを考察した。 その結果、水準データからは姶良カルデラ中央部海抜下8.0 kmに4.2×10^6 m^3/yr、および桜島直下海抜下3.6 kmに7.25×10^5 m^3/yrの圧力源の収縮が推定され、 重力データからは浅部圧力源近傍に4.5×10^10 kg/yrの質量増加が推定された。 この結果は、桜島火山で観測されている定常的な火山ガス放出に伴い桜島火山直下のマグマだまりに脱ガスした高密度マグマが蓄積していることを仮定すると、 桜島における火山ガス・岩石ガスデータを用いて定量的に説明できることが分かった。
前回の発表
第121回地球物理セミナー
日時:令和5年11月20日(月) 13:30から (1時間程度)
場所:531セミナー室(対面)
講演者: 大谷 竜
タイトル: 南海トラフ地震臨時情報: 災害予測情報としての運用上の課題についての考察
要旨:国は東日本大震災の発生を受けて、これまで行われていた東海地震予知のような地震発生の「確定的な」 予測は困難であるとして、 東海地震情報の提供を中止した。その代わりに、不確実な地震予測である「南海トラフ地震情報」を導入した。 本論では、南海トラフ地震情報の「わかりにくさ」の原因の一つとして、災害予測情報を運用する上での根本的な「考え方の転換」があることを考察する。
これまでの発表
令和5年度(第119回〜 )
令和4年度(第112回〜第118回)
令和元年度(第110回〜第111回)
平成30年度(第104回〜第109回)
平成29年度(第96回〜103回)
平成28年度(第88回〜第95回 )
平成27年度(第84回〜第87回)
平成26年度(第83回)
平成25年度(第64回〜第82回)
平成24年度(第41回〜第63回)
平成23年度(第21回〜第40回)
平成22年度(第1回〜第20回)