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地球物理セミナー 平成30年度

*第109回地球物理セミナー

日程:平成31年3月27日(水)10:30〜11:45

場所:7-1棟5階 531室(第3会議室)

発表者:大熊茂雄 山口和雄

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*第108回地球物理セミナー

日程:平成30年10月5日(金)10:30〜 (1時間程度)

場所:7-1棟5階 531室(第3会議室)

発表者:村田泰章

タイトル:広域重力探査データのための地形補正と重力データフォーマットについて

要旨:産総研地質調査総合センターでは,日本全国の重力データを整備してデータ ベースを構築し,ウェブ(地質調査総合センター重力データベース),あるい はDVD(地質調査総合センター,2013)として公開するとともに,20万分の 1重力図シリーズを編集し,これまで33図幅が出版されてきた.これらの重 力データの各種補正の方法については,標準手順SPECG1988(地質調査所重力 探査グループ,1989a,1989b)にしたがって実施してきた.重力データの補正 の一つである地形補正について,SPECG1988では国土地理院の250mメッシュ データ(KS-110)を採用していたが,近年は,陸域,海域ともに,詳細なDEM が公開されるようになってきたため,それらの詳細DEMを使用して高精度な地 形補正を行うプログラムやフォーマットを開発した.さらに、このDEMや プログラムを応用して、地殻表層密度分布の推定などの解析を実施した。

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*第107回地球物理セミナー

日程:平成30年9月12日(水)11:00〜 (1時間程度)

場所:7-1棟5階 531室(第3会議室)

発表者:岡田真介・山口和雄・横倉隆信・木戸元之

タイトル:平成30年北海道胆振東部地震と震源域周辺の地下構造

要旨:平成30年北海道胆振東部地震(Mj 6.7)が2018年9月6日に発生した。この地震の震源域周辺では,石狩低地東縁断層帯南部の地下構造の把握を目的として,平成22〜24年度に反射法地震探査および重力探査を実施し,さらに既存反射法地震探査の再解析も行っている(横倉ほか, 2011;山口ほか, 2012;岡田ほか, 2013など)。これらの結果や既存の反射法地震探査(香束ほか, 2002;Kato et al. 2004など)から,石狩低地東縁断層帯の主断層は,東に低角で傾斜しており,震央付近では深さ10 km程度で深部へと連続すると考えられる。余震活動は,Mj6.7の震源を中心としてほぼ南北方向に30 km程度に延びており,石狩低地東縁断層帯の走向と斜交する。また東西方向の断面では,余震分布は深さ30〜47 kmに高角度で東に傾斜しており,震央付近を深さ10 km程度で東に向かって低角度で傾斜する石狩低地東縁断層帯よりも有意に深い。これらのことから,今回の地震は,石狩低地東縁断層帯よりも深部で発生した地震であると考えられる。また,勇払平野の地下には,苫小牧リッジなどに代表される後期漸新世の伸張構造(正断層構造)が分布しており,これらの構造の深部延長における活動である可能性も考えられる。

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*第106回地球物理セミナー

日程:平成30年6月22日(金)13:15〜 (1時間程度)

場所:7-1棟5階 531室(第3会議室)

発表者:船生泰寛(立正大学大学院)

タイトル:赤城山山頂火口湖「血の池」の水収支 〜一時湖沼の出現と消失プロセス〜

要旨:湖沼水位が年間を通じほぼ安定しているのは、水位の上昇,降下に伴い湖沼からの流出量が増加、減少し、水位変動を小さくする様に働くためである。しかし、なかには特定の期間のみ出現する湖沼が存在する.このような湖沼は「一時湖沼」と称されている。一時湖沼は研究事例が少なく、水位観測も実施されていないため、出現期間など解明されていない点が多々ある。本研究では,群馬県赤城山山頂の一時湖沼「血の池」の湖盆図を作成し、水位観測結果等から、水収支を明らかにすることで、血の池の出現から消失までのプロセスを解明することを目的とする。

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*第105回地球物理セミナー

日程:平成30年4月25日(木)13:15〜 (2時間程度)

場所:7-1棟5階 531室(第3会議室)

1.発表者:杉野由樹(早稲田大学)

タイトル:サフロ鉱と塩化物水溶液間の多元素分配実験

要旨:超臨界条件下におけるCoAs2と塩化水溶液でのFe2+,Co2+,Ni2+,Mg2+,Mn2+,Zn2+の分配実験を行った。 実験期間は5〜7日間、1kbで実験温度500℃及び600℃で実験を実施した。

この実験での反応式は以下の式(1)の通りに表せる。
       CoAs2 + MeCl2aq = MeAs2 + CoCl2aq (1)
また、ここで分配係数は以下の式(2)の通りに表せる。
       KDN = (XMeAs2/ XCoAs2) / (mMeCl2aq / mCoCl2aq) (2)

これらの式と実験結果を用いて、分配曲線とイオン半径との関係(PC-IR図)を作成した。 CoAS2でPC-IR曲線はCo2+イオン半径の近くにピークを持つことがわかった。 Ni2+は分配曲線に対して正の異常を示し、Zn2+は分配曲線に対して負の異常を示した。 これらの分配異常はCoAsS,FeAS2と同様の傾向だった。 また、CoAs2は700℃、800℃では分解の傾向を示し、magnetiteが生成された。

2.発表者:竜沢篤之介(早稲田大学)

タイトル:TDEM法を用いた海底熱水鉱床探査のデータ処理に関する検討

要旨:海底熱水鉱床の存在や連続性について把握できる探査技術の実用化が必要とされており、 当研究室は遠隔操作型無人探査機を用いた海底電磁探査システムを開発している。 測定現場ではリファレンス測定ができない場合があり、そのようなデータが未処理・ 未解析のままである。このようなデータの処理フローを構築し、解析・評価することが必要となる。  本研究はリファレンス測定が行われていないデータに対して、 任意に定めた基準測定点を用いて金属製耐圧容器によるノイズの除去を行い、 1次元インバージョンで海底下の比抵抗構造を推定した。  その結果、鉱床の厚さに関する新たな情報を得ることができた一方で、 既知情報との整合性で課題が残った。


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*第104回地球物理セミナー

日程:平成30年4月20日(木)13:15〜 (1時間程度)

場所:7-1棟8階 860室(輪講室)

発表者:塚本勇樹(東北大学理学研究科地学専攻M1)

タイトル:青森県蓬田村における重力探査および同地域の地形発達史

要旨:津軽山地には境界断層である津軽断層,津軽断層が活動を転移した青森湾西断層などの活構造が分布している.津軽山地や津軽断層の全容と比較すると現在活断層と認められている青森湾西断層の分布範囲は狭く,青森湾西断層のさらに北方に未知の活構造が分布していることが予想される.本研究では,蓬田村から外ヶ浜町にかけての地域において地形分類を行った.さらに,蓬田村にて重力探査を実施し,楮原ほか(2017)の反射法地震探査データを活用して地下密度層構造解析を行うことで,津軽半島北部の地下構造を明らかにすることを目的とする.