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地球物理セミナー 平成28年度

*第95回地球物理セミナー


日程:平成29年1月 24日(水)13:30〜 (一時間程度)

場所:7-3-C-211号室(第2会議室)

発表者:浜橋 真理(地球物理研究グループ)

タイトル:「国際深海科学掘削計画(IODP)第362次航海(Sumatra seismogenic zone)に乗船して−沈み込み堆積物の構造解析に向けて」

要旨:スマトラ沖沈み込み帯では、インド・オーストラリアプレートがスンダプレート およびビルマプレートの下に沈み込み、活発な地震発生帯を形成している。2004 年にMw9.2の巨大地震・津波がスマトラ北部およびアンダマン・ニコバー島を襲 い、その後も数年おきに巨大地震が多発している。海溝浅部における断層滑りや 付加体の形状・分布、デコルマ(プレート境界断層)の形成過程を理解するため に、沈み込むプレート上の堆積物・岩石(input material)の実態と寄与を調べ ることを目的として、2016年8月〜10月にスマトラ北部沖で国際深海科学掘削計 画(IODP)第362次航海が実施された。本航海では、掘削船Joides Resolution号 において沈み込むプレート上の計2つのサイトでコアリング・物理検層が行われ た。講演者は乗船研究者(構造地質学)として航海に参加し、船上で掘削コアの 構造記載を行った。本講演では、第362次航海の概要と、沈み込み堆積物の3次 元構造解析に向けた講演者の乗船後研究についてお話しする予定である。

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*第94回地球物理セミナー


日程:11月 9日(水)15:15〜 (一時間程度、最長1.5時間打ち切り)

場所:7-1-531号室(第3会議室)

発表者:浜橋 真理(地球物理研究グループ)

タイトル:「IODP第362次航海(Sumatra seismogenic zone)に乗船して」

要旨:発表者は、今夏8月6日から10月6日よりIODP第362次航海の乗船研究者として、Joides Resolution号という掘削船でスマトラ沖海域の調査に参加した。この地域では、インド・オーストラリアプレートがスンダプレートおよびビルマプレートの下に沈み込み、活発な地震発生帯を形成している。2004年にMw9.2の巨大地震・津波がスマトラ北部およびアンダマン・ニコバー島を襲い、その後も数年おきに巨大地震が多発している。本航海の目的は、海溝浅部における断層滑りや付加体の形状・分布、デコルマ(プレート境界断層)の形成を理解するために、沈み込むプレート上の堆積物・岩石(input material)の実態と寄与を調べることであり、計2つのサイトでコアリング・物理検層が行われた。本発表では、航海の概要と船上での研究生活、発表者の乗船後研究(今後の展望)についてお話しする予定である。

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*第93回地球物理セミナー


日程:10月 12日(水)15:30〜 (一時間程度、最長1.5時間打ち切り)

場所:7-1-531号室(第3会議室)

発表者:本多 亮(東濃地震科学研究所)

タイトル:CG型相対重力計に見られる運搬によるデータ擾乱の検証

要旨:Scintrex社製CGシリーズ可搬型相対重力計は衝撃に強くテアが起こりにくいとされ,現行型のCG-5重力計は小型軽量化や電源持続時間の改良も進んだことから近年火山モニタリングの為に複数台同時の観測機会が増えた。そうしたなかで,スケールファクターの違いとは別に機器間に数10μGal程度の系統的ではない測定差が生じることが明らかになってきた。このばらつきは火山下のシグナルを捉える上で無視できないものであったので原因の究明とデータ精度の確保を目指し検証を行った。経験上,観測点に到着後最初の測定値が最も小さい値を示す傾向があることを把握していたため,まずは運搬によるデータ擾乱が起こることを確かめる検証実験を行った。その結果運搬により低い重力値を示す現象が起こることが判明し,その主たる要因は機器の傾斜であることもわかった。

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*第92回地球物理セミナー


日程:7月 27日(水)13:30〜 (一時間程度、最長1.5時間打ち切り)

場所:7-1-860号室(輪講室)

発表者:伊藤 忍(地球物理研究グループ)

タイトル:反射法地震探査データ処理の実際

要旨:反射法地震探査データの処理は計算機能力の向上や 新手法の開発などに伴って現在も高度化しつつあるが, 基本的な手順は確立されていて,大きく変化はしていない。 しかしながら,処理に割けるリソースの制約や, 使用するソフトウェアの設計思想・機能・性能・実装等により, 手順は異なる。 今回は,GNS社のClaritasでの実際の処理手順を紹介する。

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*第91回地球物理セミナー


日程:6月 2日(木)13:30〜 (一時間程度、最長1.5時間打ち切り)

場所:7-1-531号室(第3会議室)

発表者:大谷 竜(地球物理研究グループ)

タイトル:東海地震の防災対策の評価 ー地震被害軽減のための地震関連研究分野の統合に向けてー

要旨:地震防災研究においては、地震の物理といった自然現象のみでなく、それによって被害を受ける建造物の構造や人々の行動等によっても大きく被害が変わるため、理学・工学・社会科学の学際的な研究が必須である。しかしながら、現在の研究の進められ方は基本的に分野間の縦割りであり、それぞれの分野間に存在する隙間のために、様々な問題を引き起こしている。縦割りによる部分最適を打破し全体最適による減災の実現のためには、各分野を有機的に繋げていくことが必要となる。本報告では現在、地震防災に関連する他分野(災害情報学、経済学、公共政策学)の研究者と共同研究している東海地震に関する各種防災対策の事例の評価について紹介する。報告では、そもそもの研究の背景や基本的な考え方から紹介し、途中経過について報告する。

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*第90回地球物理セミナー


日程:5月11日(水)13:30〜 (一時間程度、最長1.5時間打ち切り)

場所:7-1-860号室(輪講室)

発表者:木下佐和子(地球物理研究グループ)

タイトル:「レシーバ関数解析からみた富士山下の地震波低速度領域の分布」

要旨:伊豆半島から北西にかけての領域には、南から伊豆ボニン-マリアナ島弧(IBM)が衝突し沈み込んでいる。この領域では、沈み込むプレートに沿った地震発生数がまわりと比較して少なく、プレート形状は不明瞭である。また、IBMが衝突して沈み込む先には、富士山や浅間山などの活火山があり、これらの火山から噴出した岩石には、フィリピン海プレート起源と太平洋プレート起源の2種類の流体成分が含まれていることが知られている(Nakamura et al. 2008)。太平洋プレートからどのようにマグマが上昇してきているのか、沈み込むIBMはどのような形状になっているのか、を解明するために、発表者はこれまで富士山に注目して解析を行ってきた。

富士山は日本の代表的な火山であり、マグマの噴出率が高いことと、玄武岩質のマグマを噴出する、という2つの特徴を持っている。富士山がこのような性質を持つ理由のひとつとして、IBMが衝突して沈み込む非常に複雑な場所にあるため、マグマ供給系が通常の島弧火山とは異なる、ということが考えられている。先行研究では、富士山直下20km以深の詳細な地震波速度構造は求められておらず、本研究では、富士山周辺のIBM構造と富士山下にある低速度領域の分布を求めるために、レシーバ関数解析を実施した。その結果、以下に挙げる3つの結果が得られた。1) 伊豆半島では、IBMの地殻の厚さは約40kmの厚さまで成長している。2) 通常の海洋プレートが沈み込む場所では、先行研究のトモグラフィの結果と整合的な場所にS波低速度領域があり、これは沈み込む海洋性地殻を表している。3) 富士山の下には横方向に約40km、深さ方向に約20kmの大きさのS波低速度領域が存在する。本研究の結果より、富士山のマグマ噴出率が高いのは、地下のマグマ溜まりが大きいからであり、また、富士山のマグマが玄武岩質なのは、マグマ溜まりの場所が深いからである、と解釈した。今後は島弧がより深く沈み込んだ場所にある浅間山をターゲットに同様の解析を行い、マグマ供給系を解明したい。

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*第89回地球物理セミナー


日程:5月10日(火)13:30〜 (一時間程度、最長1.5時間打ち切り)

場所:7-1-860号室(輪講室)

発表者:浜橋真理(地球物理研究グループ)

タイトル:「海山の沈み込みに伴う前弧ウェッジの変形様式」
      ―コスタリカ・オサ半島沖中米海溝の例―

要旨:本研究は,沈み込み地震発生帯前弧ウェッジにおける圧密固結プロセス・間隙率―深度分布に着目し, 物性変化を支配する地質過程の定量方法の考案と,海山などの沈み込みで特徴づけられるウェッジに発達する不整合への適用,浸食型ウェッジの形成過程・物性変化について考察した。コスタリカ・オサ半島沖中米海溝を研究対象とし,国際深海海洋掘削(IODP)第344次航海の掘削コアを用いて,ウェッジ斜面下部に発達する広域不整合と地震波反射面周辺の堆積物の物性分布・微細組織・鉱物組成を調べた. 埋没続成と流体反応により生成した3種類の沸石を同定し, 沸石が示唆する埋没続成温度と鉱物充填分を補正した間隙率-深度曲線から堆積物の最高埋没深度と不整合を境とした隆起・削剥・断層変位について解析を行った.これらのイベントが発生した年代(微化石)はココスリッジ海山群の沈み込み開始とほぼ整合的である.海山などの凹凸が及ぼす前弧ウェッジの隆起・削剥・沈降・断層変位は,固結した深部の岩石を浅部に露出させ,上盤の固結化は地震発生帯の浅化に寄与すると考えられる。本発表では、研究の成果と今後の展望について議論を展開したい。

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*第88回地球物理セミナー


日程:4月12日(水)13:30〜 (最長1時間半打ち切り)

場所:7-1-0531号室

発表者:望月 一磨(静岡大学大学院 総合科学技術研究科 理学専攻)

タイトル:「伊豆衝突帯と周辺領域におけるGNSSデータ逆解析
      −沈み込み帯・内陸断層・火山活動・ブロック運動,そして弾性衝突−」

要旨:本研究では、内陸断層と弾性衝突の2種類の要素を新たに考慮し、 伊豆半島周辺の地殻変動モデルを作成した。そして、2000年から2010年までのGNSSデータから定常変動速度を決定し、 この定常変動速度を用いた逆解析を実行することで、これら変動源の変動速度を推定した。 その後、作成した複数のモデルの妥当性を統計的な指標である赤池情報量規準(AIC)を用いて検証した。 その結果、伊豆半島の基部の西側では隆起傾向にあり、それは伊豆半島の衝突によるものと解釈できる。 また、伊豆半島内にある内陸断層は定常時の地殻変動の力源として、有意に機能していると考えられる。

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