Water-in-oil (w/o)ドロップレットを用いた微生物の高速分離・培養・スクリーニング技術の開発
バイオアナリティカル研究グループ長 野田尚宏
研究概要・目的
本プロジェクトは我が国のスマートバイオ産業の拡大と関連するバイオテクロノジー産業の発展および国際競争力の強化を図るため、未利用微生物資源の確保と利用のための技術プラットフォームを構築することを目指している。その目的達成のため本分担課題では、高機能微生物等のハイスループットな探索・獲得を実現する技術として、water-in-oil (w/o)ドロップレットを活用したハイスループットかつ汎用性の高い微生物培養・スクリーニングプラットフォームの構築を目指す。w/oドロップレットとはオイル相に浮遊した状態のfLからnLスケールの微小液滴であり、この微小液滴を並列的に大多数扱う技術をコアとして研究を進めている。w/oドロップレットは100万個単位を容易に作製することが可能であり、その1つ1つを微生物や酵素反応場の器(例えば、96wellプレートの1well)として捉えることができることから、この特性を活かしたハイスループットな汎用的技術の確立を目指す。
w/oドロップレット内部での微生物増殖と微生物が増殖したドロップレットの蛍光検出技術
w/oドロップレットを用いた微生物培養と細胞増殖が見られたドロップレットの分取
シングルドロップレット分注技術の確立とhighly pure cultureの獲得
総括
- 微生物が増殖したドロップレットを蛍光RNAプローブを用いることで選択的にソーティングすることに成功した。
- ドロップレットをシングルドロップレットレベルで分取し,解析することで,個々のドロップレット内の菌叢を同定できた。
- 数十万個のドロップレットを用いて微生物スクリーニングを行うことができた。
今後の展開:微生物探索のみならず、酵素活性スクリーンングや育種株スクリーニングへw/oドロップレット技術を応用する予定