半導体は、私たちの生活のさまざまな場面で活用され、社会課題の解決や産業競争力強化になくてはならない存在になっています。
昨今の、データ活用を推進するデジタルトランスフォーメーション(DX)や脱炭素を目指すグリーントランスフォーメーション(GX)はさらにこの流れを加速させています。
そのため、経済安全保障の観点からも、半導体の重要性が増しています。
経済産業省の「半導体・デジタル産業戦略」(2021年6月公開、2023年6月改訂)において、半導体製造基盤をわが国に確保するとともに、次世代技術の確立や将来技術の研究開発を推進する方針が明記されています。産総研は、これまでも、「次世代コンピューティング基盤戦略」(2022年6月)を策定するとともに、戦略の目標実現に向けた研究開発を行ってきました。
先端半導体研究センター(SFRC)は、これらの活動を加速し、わが国に先端半導体技術を確保することを目指します。また、研究開発、共用パイロットラインの構築、社会実装、人材育成を一貫して実施することで、先端半導体のオープンイノベーションを推進する中核拠点となることを目指します。
ナノシート型CMOSの製造プロセス基盤技術の開発
企業・大学等が利用可能な共用パイロットラインの構築
トランジスタの縦積みによる従来の集積化限界突破
層状2次元半導体材料により従来Siデバイスにおけるスケーリングの物理限界突破を目指す
床面積3000㎡の産総研スーパークリーンルーム施設を用いたGAA-FETの試作等、パイロットラインを利用した先端半導体製造技術の研究開発を企業・大学等と連携して実施します。
様々な社会課題の解決,社会のDX化には,半導体が必要不可欠です。
昨今では産業の至るところでなされる情報処理において半導体が活用されており、半導体はまさに産業の根幹といっても過言ではありません。
社会・経済を潤滑に回していくためには半導体が必要不可欠であり,それ故,その半導体を如何に確保していくかが,エネルギー同様,経済安全保障の観点から極めて重要な課題となってきています。とりわけ、昨今注目を浴びている生成AIをはじめとするAI処理系半導体集積回路の実現には、更なる性能向上が必要不可欠であり,それ故,半導体の性能向上に対する要求は高まる一方です。すなわち、更なる半導体の微細化・集積化の推進が必要不可欠になっています。
私たち先端半導体研究センター(SFRC)は、革新的な半導体プロセス・材料技術と最先端の製造装置を武器に、従来困難とされていた2nm世代より微細な(Beyond 2nm)半導体を実現するために必要となるプロセス・材料技術を開発し、今後数世代にわたり高い競争力を有するBeyond 2nm半導体の製造技術を我が国において構築することを目指します。
また、開発した技術をいち早く社会実装し、産総研のミッションである社会課題の解決と産業競争力強化双方の実現を目指します。