医療機器研究グループ

医療機器研究グループ医療機器の高度化・簡便化・自動化に資する基盤技術・応用技術の研究開発を通して、 「ユニバーサルメディカルアクセスの実現」を目指します。

医療機器グループ

当グループは
・非侵襲診断・エネルギー治療機器のための超音波・MRI・光学
・低侵襲デバイスのためのロボット技術・生体力学
・これらの有効性・安全性・使い勝手などの評価技術・標準化活動
をコアとして、「ユニバーサルメディカルアクセス」の実現を目指し、医療機器の高度化・簡便化・自動化に資する基盤技術・応用技術の研究開発等を行い、それらの迅速な薬機法承認・上市・社会実装に貢献します。

ユニバーサルメディカルアクセスとは

医療・介護者のスキルの多寡にかかわらず、誰もが不安無く質の高い医療・介護を提供できる。また、住む場所に関わらず、災害・緊急時でも、必要十分な医療・介護にアクセスできる。さらには誰もが役割を担うことができるなどの、究極の医療アクセシビリティの事を指します。

「未来イノベーションWG(2019)中間とりまとめ」より

研究紹介

針を使う極小侵襲デバイス

針穿刺は小さな傷で、簡便、安価に薬液を体内に入れたり、血液や組織を採取したりできるため、最も広く頻繁に行われる手技です。しかし、体内深部への穿刺においては、針先端が血管等に到達したかが分かり難く、安全で正確な針穿刺には熟練が必要です。そこで、本研究では針が組織を貫通するときの手応えに着目し、その手応えを分かり易く使用者に提示することで、正確な注射を助ける穿刺補助機器を開発しました。

研究内容

超音波を用いた新たな診断技術の開発

超音波診断機器は、画像診断機器の中でも安価で使いやすく、また小型化が可能であり、今後ますますの利用拡大が期待されています。
疾病の早期診断に役立つ組織の音響特性の計測技術、血流・血管の評価技術、迅速な弾性率の計測技術等の開発を進めています。

研究内容

超音波医療応用研究開発プラットフォーム

素子の駆動に必要な小型アンプ、88ch小型位相制御ユニットの設計,ならびに治療部位に特化した素子配置の検討,超小型モジュールトランスデューサ形状デザインなどを行い,誰もが簡単に扱える超音波医療応用を加速する研究開発プラットフォームの構築に取り組んでいます.同時に超音波トランスデューサ評価系の構築,さらには超音波造影剤など薬剤を併用したコンビネーション医療における,超音波エネルギー照射シーケンスの効果検証等も行っています.  

研究内容

病理検体切出し作業の自動化に向けたがん認識AIの開発

病理医不足と病理診断件数増加により、病理診断の迅速化と省力化が求められています。病理診断プロセスにおいて、摘出検体から診断に必要な部分を切出す作業は手作業で行われていますが、本研究では切出し作業の自動化による効率改善を試みました。大腸がんを対象とし、腫瘍領域を予測する深層学習モデルを作成しています。

研究内容

生体内温度可視化(評価)技術

超音波治療の研究開発において、超音波治療デバイスから超音波が想定通り出力(集束)して、生体内が適切に温度上昇しているかを計測する技術が求められています。従来は、生体模擬物に熱電対を挿入した計測等が行われてきましたが、2次元分布測定が不可能であることや、熱電対が音場を乱す、といった問題点がありました。本研究では、温度によって色が変色する特殊な生体模擬物成形技術を開発し、音場を乱すことなく、 2次元の温度上昇を実時間計測できるシステムを開発しています。

研究内容

核磁気共鳴画像法

核磁気共鳴画像法(MRI)は、主に生体内の水素原子核の磁気共鳴現象(磁場の中で原子核が特定の周波数の電磁波と共鳴する現象)を画像にしています。 MRIの磁場の印加方法を変えることで生体内の水分子拡散の大きさや方向を観測できます。水分子拡散を利用して、脳の微細構造の大きさを捉える新しい画像診断の開発(左図)や、病気において脳のネットワーク(神経の繋がり)の異常がどのように症状として現れてくるかを調べています。

研究内容

in silico / in vitro 評価

古典的な医薬品・医療機器の評価では、動物実験を経てヒト臨床(治験)が行われてきました。長期間にわたる多額の費用を要するこれらの実験は、資本力の弱い企業には実施困難でした。経験と統計学に頼る帰納的な方法で、必ずしも合理的と言えないだけでなく、倫理上の問題を避けて通れないものでした。動物実験や治験は、極論すれば必要悪でした。
私たちは、動物実験と治験を廃絶したいと夢見ています。倫理の観点だけでなく経済合理性・産業競争力の観点からも、レギュラトリーサイエンスの究極の目標と考えます。
しかし現実には動物実験と治験を一気に廃絶することはできません。その第一歩として、計算シミュレーションを活用した医療機器評価=インシリコ(in silico)評価が始まっています。私たちは生体力学、生体光学、熱力学、流体力学、音場計算などの物理シミュレーションの研究を行ってきました。これに生体内での化学平衡や生理現象を加えたシステム生物学を加えた研究を展開しています。また、こうした計算と検証に欠かせないツールの普及と、in silico評価のガイドライン(手引き)の策定、計算では扱いにくいヒューマンファクタの人間工学実験(=治験に依らない実験)手法の普及にも努めていきます。
また、in silico評価に欠かせないのが適切な「検証」です。検証もin vitro実験などの代替実験の手法により迅速化する事を目指しています。

その他のインフラ・ノウハウ

私たちは、この他にも次のインフラやノウハウを有しています。

  • MRI対応メカトロニクス/2T高精度MRI(小動物)、3T全身用MRI(ヒト、大動物、機器等)
  • MRI計測法の開発や前臨床実験、臨床研究のノウハウ
  • 各種生体力学計測/実験装置(引張,圧縮,粘弾性計測等
  • 漏れ電流・絶縁耐圧評価/テスター類
  • 耐電気手術器・耐除細動器評価/電気手術器(400W)、除細動器
  • 超音波音場の可視化、温度計測

メンバーと主な担当課題

研究成果
氏 名    役 職

主な研究テーマ

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カタログ

葭仲 潔  研究グループ長

個人Webページ

集束超音波治療器:最適設計・開発、薬剤併用の精密治療、ナノバブル

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G.S.

カタログ

小関 義彦 グループ付、
本務)経済産業省医療福祉機器室

穿刺支援装置:穿刺の微視的理解、MRI対応ロボティクス

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G.S.

カタログ

新田 尚隆  主任研究員

個人Webページ

超音波画像装置:超音波計測を応用した生体計測、弾性率計測、抗感染性発現

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カタログ

鷲尾 利克  主任研究員

個人Webページ

生体力学・数値計算:MRエラストグラフィ、ウォータジェットメス

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カタログ

疋島 啓吾  主任研究員

全脳計測技術の開発による脳機能の解明
微細構造の非破壊・非侵襲イメージング評価
細胞情報に基づいた高精度な画像診断技術

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G.S.

カタログ

高木 亮   研究員

超音波治療/診断器:治療モニタリング技術、組織性状計測、治療増強技術

津村 遼介  研究員

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<研究成果の凡例>

G.S.

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