バイオイメージング研究グループ

多種多様なスケール・濃度で存在する生体分子や生体組織などの対象試料の高性能イメージングやセンシングを可能にする基盤技術を開発しています。

研究紹介

生体分子や生体組織、あるいは食品・環境物質などの対象物質は、それぞれ多種多様なスケール・濃度で存在しています。これら対象物質に対して、より高性能なイメージングやセンシングを達成するためには、新たな基盤技術開発が必要となります。当グループでは新たなイメージング・センシングプラットフォームの開拓に向け、以下の独自性の高い観察・計測のための装置や材料、ならびに方法論に関する研究開発を進めています。さらに、得られた成果の社会実装にも積極的に取り組んで行きます。
研究紹介
  1. 水溶液中の試料を直接観察可能な走査型誘電率顕微鏡(SE-ADM)の開発
  2. 蛍光相関分光法(FCS)に基づく細胞内外物質の定量評価技術の確立
  3. 目的のタンパク質・コレステロール等を可視化する合成プローブデザイン
  4. 極微量物質のセンシングが可能なナノカーボン電極材料の創製
水溶液中の生物試料や有機材料、ナノ粒子を10nm以下の分解能でそのまま直接観察することは、医薬、食品、化粧品、材料・化学、精密機器、機械、石油化学等の多くの分野で必要とされている。我々が開発した走査電子誘電率顕微鏡は、そのままの試料を10nm以下の分解能で観察できるため、これまで観察が困難であった様々な試料への応用が可能である。これまでに、本法を用いて生きた骨芽細胞の直接観察を行い、骨形成の初期過程を明らかにすることが出来た。(小椋俊彦)
走査電子誘電率顕微鏡の概要
骨芽細胞の骨形成を担う分泌小胞の誘電率画像
光学・生物物理学・電子工学・情報工学の知識と経験を活かし、新規技術開発やその応用研究を行っている。特に、独自開発した偏光蛍光相関分光法(FCS)装置により、高分子混雑や液-液相分離の定量評価技術の確立を目指す。(山本条太郎)

光学技術に基づいた新しい検出・定量・イメージング技術の開発

有機化学、生化学、分析化学をはじめとする「Chemistry」を武器とし、タンパク質等の生体成分を特異的、高感度かつ簡易的に検出するための機能性バイオセンシング材料の創製を、基礎研究から応用研究に至るまで幅広く行っている。(鈴木祥夫)

企業との共同研究による製品化実績あり

細胞内コレステロールの分布とその制御機構を解析するため、コレステロール分子から蛍光プローブを設計・合成した。開発した蛍光プローブを培養細胞の形質膜へ導入したところ、本蛍光プローブは細胞内でコレステロールが多く存在するとされる膜マイクロドメインへ多く分布することが、その分布の時間変化とともに確認できた。(小川昌克)
健康や安全・快適な生活を保つために、生体や食品・環境中の様々な微量物質の検出・測定が求められています。電気化学測定法は、物質の化学反応に基づく電流等を測定する簡便・安価な検出法として期待されていますが、測定範囲が狭く微量物質の検出も困難なため測定対象が限られる点が課題でした。私たちは、カーボン薄膜材料の精緻な設計により、従来電極では検出できなかった生体・環境・食品中の物質などをきわめて高感度かつ再現性良く測定できる高性能な「ナノカーボン薄膜電極」と本電極を搭載可能な「計測機器」を開発しました。(加藤大)

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メンバーと主な担当課題

研究成果
氏 名    役 職

主な研究テーマ

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カタログ

鈴木 祥夫 研究グループ長

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ResearchGate

機能性有機材料の開発と生体分子センシングへの応用

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加藤 大  研究グループ付
企画本部[総括研究主幹]

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ResearchGate

極微量物質センシングのためのナノカーボン電極材料の創製

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小椋 俊彦 上級主任研究員

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走査電子誘電率顕微鏡とインピーダンス顕微鏡の開発

CRESTプログラム採択(2019.10~)

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カタログ

小川 昌克 研究グループ付
イノベーション推進本部知的財産部[連携主幹]

培養細胞を対象に細胞機能を解析するための蛍光プローブ開発

蛍光プローブを用いた細胞内コレステロール輸送系の解析

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カタログ

山本 条太郎 主任研究員

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拡散計測による溶液中ナノ環境評価手法の確立

光ファイバー光学系による簡易分子拡散計測法の開発

<研究成果の凡例>

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