分⼦複合⽣理研究グループ

分⼦複合⽣理研究グループでは、核酸創薬や低分子創薬における技術革新を目指した研究を進めています。そのために、構造生物学的解析(クライオ電子顕微鏡解析等、分子動力学解析、X線構造解析)と分子機能解析(物理化学的測定解析、細胞アッセイ、動物個体解析等)を組み合わせた複合的な研究技術開発を展開しています。また、企業との創薬実用化研究にも積極的に取り組み、創出技術の活用を試みています。

研究紹介

One Cycle Selection法による核酸アプタマー、核酸触媒の取得とその開発研究 (宮岸)

産総研で独自に開発したセレクション法(One Cycle Slection 法)を用いて、ターゲット分子に結合する核酸アプタマーや触媒活性を有する新規核酸分子(DNAzyme、リボザイム)を取得し、それを用いた応用開発研究を進めています。ゲノム編集酵素Cas9に結合し、阻害する核酸アプタマーや亜鉛依存的なコンパクトなDNAzyme、リボザイムの取得に成功しており、共同研究で構造解析による作用機序の解明を行なっています。
研究内容

クライオ電顕によるタンパク3次元構造と電顕による水中試料観察法の開発 (佐藤)

タンパク質やその複合体の3次元構造解明法を、クライオ電子顕微鏡と画像情報学を用いて研究して解明しています。電圧感受性Na チャンネルやIP3 受容体など、様々なチャネル・受容体膜タンパク質の3次元構造を解明しました。また水溶液中の細胞・組織などを直接観察できるASEMを日本電子と共同で開発し、病原菌・原虫・ウィルスやがん細胞の迅速観察・診断法を開発しています。
研究内容

高次脳機能制御因子の解析とヘルスケア産業応用(池本)

高次脳機能は神経回路の再構成(神経可塑性)により形成されます。私たちは、神経可塑性が長期間維持される分子機構の解明を目指して研究を進めています。現在、独自に同定した神経型グルタミン酸輸送体調節因子Addicsinや分泌成功接着因子SPARCの脳内生理機能の破綻と神経疾患発症との関連について解析を進めています。また、高感度・高精度な健康及び神経疾患マーカーの開発を目指し、生物物理学的特性を維持したエキソソーム精製法の開発を進めています。本精製技術をケミカルバイオロジー研究と融合させた新たなヘルスケア産業技術の開発も並行して推進します。
研究内容

顧みられない熱帯病治療薬創製(古川)

顧みられない熱帯病の一つであるシャーガス病治療薬創製に必要な創薬標的分子の探索をしています。病原原虫であるクルーズトリパノソーマは昆虫内での自律的増殖形態と動物細胞内での増殖形態を有する複雑な生活環を持ちます。またRNA干渉実験が使用できないなど原虫の独自の特性も相まって、創薬標的の精査が遅れています。我々は遺伝子編集技術CRISPR/Cas9を用いて創薬標的を絞り込み、創薬を実践していく国際共同研究を進めています。
研究内容

フラグメント分子軌道法と分子動力学を組み合わせた、生体高分子の電子状態とダイナミクスの解析(古明地)

タンパク質や核酸などの生体高分子化合物の電子状態とダイナミクスの計算を、フラグメント分子軌道法(FMO)と分子動力学法(MD)を適宜組み合わせて、解析している。タンパク質と拡散やリガンドの相互作用を計算し、薬剤設計への応用も試みている。
研究内容

メンバーと主な担当課題

研究成果
氏 名    役 職

主な研究テーマ

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G.S.

カタログ

宮岸 真  研究グループ長、
生命工学領域研究戦略部[連携主幹]

個人Webページ

核酸医薬、核酸アプタマー、核酸触媒、
in vitro selection法の開発

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カタログ

佐藤 主税 上級主任研究員

個人Webページ

クライオ透過電顕、水中観察電顕、
チャネル受容体の構造と機能、癌・感染症診断

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G.S.

カタログ

池本 光志  主任研究員、
博士(医学)

researchmap

高次脳機能制御因子:神経可塑性維持因子の生理機能解析

エクソソーム精製法の開発とヘルスケア産業応用

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G.S.

カタログ

古川 功治  主任研究員

顧みられない熱帯病治療薬創製

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G.S.

カタログ

古明地 勇人 主任研究員

個人Webページ

フラグメント分子軌道法と分子動力学を組み合わせた、生体高分子の電子状態とダイナミクスの解析

<研究成果の凡例>

G.S.

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