人工臓器研究グループ

人工臓器研究グループ当グループでは、安全・安心な治療を行うための人工臓器および関連する先進医療機器・診断機器の創出を行い、学術を重視した最先端研究から臨床に向けた製品化研究までを各職員が分担し、早期の実用化を目指します。

研究紹介

安心・安全技術を備えた長期使用可能な人工心臓の開発 (小阪 亮)

1.動圧軸受を備えた人工心臓の開発
 人工心臓の長期耐久性と優れた血液適合性を実現するため、非接触軸受である動圧軸受を備えた人工心臓を開発した。動圧軸受とは、狭くなる流路に作動流体を押し込むことで生じる局所圧を利用した技術で、本研究では数値流体解析を用いることで、血液の凝固や血球破壊が生じにくい人工心臓に特化した動圧軸受の形状を実現し、動物実験などの血液適合性評価試験で有効性を確認した。
2.超小型血圧・血流量計の開発
 人工心臓装着患者の循環動態を計測するため、人工心臓出口の直管をプローブとした超小型血圧・血流量計の開発した。本血圧・血流量計は、2ヶ所の異なる肉厚の薄肉部を設け、歪ゲージで計測された薄肉部の歪から血圧と血流量を計測する。センサ素子が接液しないため、長期安定かつ高精度の計測が実現可能である。
3.医療応用・産業応用
 開発技術は人工心臓だけでなく、他の医療機器や産業機器への応用を目指している。
体外循環ポンプの最適流体設計

インテリジェント人工心臓の実現に向けた光センサ技術 (迫田 大輔)

研究①:人工心臓用血液ポンプ内の血液凝固を可視~近赤外光でリアルタイムにイメージングする技術を開発した。この技術により、人工心臓等の循環器系デバイスの抗血栓性(血栓のできにくさ)を定量的に評価でき、新製品の開発を効率良く行うことができる。
研究②:研究①の実用化として「市販遠心ポンプ用の血液凝固光センサ」を開発した。
前臨床試験において、極早期の血栓検出、その後の血栓の成長を定量的にセンシングできるこことを示した。血栓がいつ、どのくらいできているのかをリアルタイムにモニタリングすることができ、その結果に基づいて最適な抗凝固療法を行うことができる。
研究③:研究①を細胞レベルの観察まで可能にした技術で、血液ポンプ内の血球細胞流動を細胞レベルで制御し、研究破壊を能動的に防げる人工心臓の開発に貢献できる。
研究内容

内視鏡手術手技トレーニングシステムの研究開発 (山下 樹里)

  • 3次元印刷による手術操作可能な精密患者モデル(産総研ベンチャーを起業して製品化、外科系学会ハンズオンに供給)
  • 仮想の「鏡」インタフェースを持つ遠隔手術手技指導システム
  • 患者モデルの開発過程・評価方法の標準化: 産総研コンソーシアム「医療用立体モデルコンソーシアム」設立、運営
研究内容

生体内の拡散現象を模擬する数値シミュレーション技術の開発(鷲尾 利克)

  • 光伝搬と熱伝導による温熱治療の数値シミュレーション
  • 噴流を用いた外科処置用器具の数値シミュレーション
  • LDL を貪食するマクロファージ集積の数理モデル開発
研究図

メンバーと主な担当課題

研究成果
氏 名    役 職

主な研究テーマ

P

G.S.

カタログ

西田 正浩  研究グループ長(兼務)

researchmap

遠心血液ポンプの血流解析

補助人工心臓の耐久性試験

WoS

G.S.

カタログ

小阪 亮   研究グループ付
研究戦略企画部 [総括企画主幹]

個人Webページ

動圧軸受を備えた人工心臓の開発

超小型血圧・血流量計の開発

WoS

G.S.

カタログ

山下 樹里  主任研究員

ResearchGate

SurgTrainer 産総研コンソーシアム「医療用立体モデルコンソーシアム」

内視鏡手術手技トレーニングシステムの研究開発

WoS

カタログ

鷲尾 利克  主任研究員
産総研LINKに掲載:エックス線診療車

生体力学・数値計算:MRエラストグラフィ、ウォータジェットメス

WoS

G.S.

カタログ

健康
工学

迫田 大輔  主任研究員

循環器系デバイス(血液ポンプ,人工肺,透析器,etc)の開発およびその評価

<研究成果の凡例>

G.S.

Google Scholar:

WoS

Web of Science: