Research Group
健康医工学研究部門 Health and Medical Research Institute
ナノバイオデバイス研究グループ
Nano-biodevice Research Group
研究グループ長 栗田 僚二
私たちの研究グループでは、これまで不可能とされてきた性能(感度、精度など)と簡便さ(迅速性、可搬性など)で生体分子を検出し、健康状態の可視化に繋げたいと思っています。これまでに多様な検出技術が開発されてきましたが、これらの性能と簡便さはトレードオフの関係にあります。次世代診断・ヘルスケアに資するような生体情報を得るためには、既存の生化学分析の延長だけではなく、測定原理から見直しブレークスルーとなる技術が必要になってきます。 我々は、新しい分子認識材料や解析法を生化学分析に融合させることで独創的な知見を得て、これらのデバイス実装と生体試料計測までを一貫して行っています。 多彩なバックグラウンドを持つメンバーの連携によってヒトの状態を定量化し、医療・ヘルスケア・生命科学の発展に貢献したいと思っています。
研究概要と分担
研究内容を一言でいうと「バイオセンサ」になると思います。バイオセンサを構築するためには 3つの要素が不可欠と考えており、1.分子認識、2.情報伝達、3.解析となります。
これらの要素開発のため、1を有機合成、2を微細加工、3を機械学習の技術を駆使することで、性能と簡便さを併せ持つバイオセンサを目指しています。
例えば、有機合成を駆使することでルシフェリンのアナログライブラリーを構築してヒトタンパク質の発光分析を実現したり、DNA を選択的に捕集可能なリンカー剤を開発することで微量 cfDNA 計測を実現したりしました。
また、可搬性に優れたトランジスタアレイでヌクレオチド/ヌクレオシド類を識別検知することで、オンサイトでの食品鮮度測定を目指しています。96ウエルやマイクロチップ上のアレイプローブ群との緩やかな相互作用パターンを機械学習させることで、培地からの養細胞評価や糞便からの睡眠障害検知を行ってきました。
研究グループ全体写真
バイオセンサを統合的に開発することができます。解析技術をベースに分子認識材料を設計・合成することが可能ですし、逆に分子認識材料をベースに解析技術を開発していくことも可能です。 モノづくりに失敗はつきものですが、各自の専門を活かして複数要素のトラブルシューティングが即座にできることも強みと思います。加えて、生物発光、表面プラズモン、電気化学、トランジスタなど多様な検出技術に通じています。測定対象の分子特性と計測シーンに合わせて最適なバイオセンサを提案できます。
ニーズに合わせた各種バイオセンサをご提案することができます。生体分子の計測でお困りの際には、是非ご相談ください。 →研究グループページへ
(2023年8月現在)