人口、環境、食糧問題などグローバリゼーションの進展により全地球規模で対応すべき課題として認識されています。その上で生活の質を高めつつ持続可能な社会を目指す取り組みが進められ、実現に向けて科学技術イノベーションの役割が重要視されています。
産総研の生命工学領域では、人口減少型社会への移行とともに先進国でも類を見ない本格的な少子・高齢化社会到来に向けた課題、バイオエコノミーやサーキュラーエコノミー等に寄与するため、2020年度から開始する第5期中期計画で以下の重点課題を設定し取り組んでいます。
- 社会課題の解決に向けた研究として、QoLを向上させる高品質・高機能・高精度な治療・診断技術の開発。
- 経済成長・産業競争力の強化に向けた研究として、医療システムを支援する先端基盤技術の開発やバイオエコノミー社会を実現する生物資源利用技術の開発。
- イノベーションを支える基盤の整備として、バイオものづくりを支える製造技術の開発と先進バイオ高度分析技術の開発。
上記重点課題を推進するため、産業界や、社会からのニーズを踏まえた課題設定を行うと供に、次のシーズを生み出す基礎研究も積極的に行います。また、橋渡しを強化するため適材適所で活躍できる人材養成に取り組みます。
研究実施には、所内外との連携が重要であり、研究領域を超えた所内連携や、大学や他研究機関などの所外連携による研究を推進しています。また海外連携も推進しており、インドやタイとは、地域固有の生物資源の活用や人材育成に向けた連携が進行しており、更なる連携深化を目指します。
これからも世界最高水準の研究開発を進め、産み出したシーズを産業界へ橋渡しすることにより、社会に貢献してまいる所存です。
皆さまのご理解とご支援をお願い申し上げます。
産業技術総合研究所
生命工学領域長
田村 具博