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環境調和プロセス研究グループ 

資源制約の観点から、従来廃棄物と見なされてきた難処理未利用資源に対するケミカルリサイクルやアップサイクル技術に対する重要性が高まっています。当グループでは炭素やリンなどの循環利用を実現するため、触媒化学・有機合成化学・材料化学などを基盤とした新規環境調和プロセスに関する技術開発を進めています。



主な研究内容

1. エポキシ樹脂の分解

エポキシ樹脂は接着剤や航空輸送機、風力発電機などに使用される髙安定プラスチックです。私たちはエポキシ樹脂を化学的に分解して、原料化合物に効率よく分解することに成功しました。炭素繊維やガラス繊維との複合体にも利用でき、繊維材料の回収も可能です。 本技術は同じく安定で知られるスーパーエンジニアリングプラスチックの化学分解にも適用できます。



2. DNP-NMR

動的核偏極 (Dynamic Nuclear Polarization)を利用する固体NMR (DNP-NMR) は、ビラジカル化合物の共存下、強力なマイクロ波をサンプルに当てることで、シグナル感度を大幅に向上させる最先端NMR測定手法です。この手法を用いて様々な固体材料の精密構造解析が可能です。



3. リン酸エステル化反応

日本はリン資源のほとんどを輸入に依存しており、国内未利用リン資源の循環利用技術の開発が喫緊の課題となっています。当グループではケイ素化合物を鍵とした手法により、下水汚泥焼却灰から回収した粗リン酸を一段階でエステル化する反応を開発しました。




研究グループ長 永縄 友規

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