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フロー合成システム研究グループ 

大きな反応釜を使う従来のバッチ法による化学品製造は、広い土地スペースを必要とし、工程毎に人手を介すため人件費が嵩むため、中国、インド等に依存しています。当研究グループでは国内回帰によるサプライチェーンの強靭化に貢献すべく、コンパクトで自動連続運転可能なフロー法によるプロセスを開発しています。

主な研究内容

1. 連結型フロープロセスによる機能性化学品の高効率連続合成

2つのフロー反応システムと2つの多段連続抽出分離システムからなる連結型フロープロセスを構築し、香料の一種であるバニリンの連続合成に成功しました。本プロセスは従来のバッチ法と比較して、生産効率17倍向上、廃棄物量50%削減を示し、フロープロセスによる効率化が示されました。

開発したバニリン連続合成プロセスの概略図


2. フロープロセス構築のための要素技術の開発

大きな液液界面積と分相性を併せ持つスラグ流のスラグ長さを自在に変化可能なデバイス開発と抽出への利用、分配係数を予測可能な機械学習モデルの構築、抽出排出弁や液液界面の監視を必要とせず自発的に分液可能なデバイス開発、コンパクトな連続蒸留分離装置の開発など各種要素技術の開発に成功しています。



開発した各種要素技術の概略図
(左からスラグ長さを変化させたスラグ流発生の様子、連続液液分離の様子、連続蒸留分離装置の概略図)


研究グループ長 石坂 孝之

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