センター長あいさつ
センター長 島岡 一博
計量制度の根幹をなす計量法は、「計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することを目的とする」と謳っています。 産総研においては、計量標準総合センター(NMIJ)に属する4つの研究ユニットが『計量の基準』を定める技術開発や供給業務を、当センターは『適正な計量の実施を確保』するため人材の養成を担っており、協力して社会に貢献し、経済の発展に寄与しています。
私ども計量研修センターは、我が国の計量制度を運営していくための人材を養成し、側面から支えるために設立されました。 1952年の計量教習所(当センターの前身)設立以降、多くの修了者を輩出しており、これまでの累計修了者数は、約2万5千名を数えます。
計量教習の歴史は、戦後日本の高度成長とも重なります。 1952年から1974年にかけて、計量関係の公務員の教育と一般計量士の養成に力が注がれ、社会全体のインフラ整備と製造業(メーカー)の技術力や品質向上につながり、経済活動の活性化に寄与しました。 1975年以降は、工業化に伴う公害問題への対応として環境計量士の養成も始まり、受講生が急増しました。 その後も環境への影響を見据えたニーズは高まり続け、現在、環境計量士は濃度と騒音・振動の二つのカテゴリーに分けられています。
このように当センター(計量教習所時代も含む)は、戦後一貫して計量に関わる人材の養成に取り組み、今日の産業製品や社会環境の高い品質を意味するところの『ジャパンブランド』確立の一翼を担うことができたと考えます。 今後も引き続き、人材育成や普及啓蒙の活動を通して、社会の安全・安心の確保と産業・経済の発展に貢献して参ります。
計量研修センター長 島岡 一博