スポンサーセミナー@BioJapan2020   
      

「新型コロナウイルスの高品質・高機能・高精度な
         診断と治療を実現する産総研の技術開発」

         日時:10月15日(木)13:30~14:30写真
         場所:アネックスホール F205-206

概要  産総研では現在、COVID-19対策を最重要課題の一つと考え、様々なアプローチで研究開発を進めています。 本セミナーでは、生命工学領域を中心とした高品質・高機能・高精度な診断と治療の実現を目指した研究の取り組みとして、PCR法やELISA法による信頼性の高い迅速診断技術の開発、既承認薬からCOVID-19治療薬候補を見出す高速スクリーニング技術の開発などについてご紹介します。

講演1  13:30-13:40 
生命工学領域のご紹介とwith/afterコロナへの取り組みについて

産総研 生命工学領域研究戦略部 研究戦略部長   亀山  仁彦 
講演2  13:40-13:55 
インシリコドラッグリポジショニングによるCOVID-19治療薬の探索

産総研 細胞分子工学研究部門 上級主任研究員  広川  貴次 
ドラッグリポジショニングによる新型コロナウイルス治療薬の開発は、速やかな臨床試験が期待されています。 本発表では、国立感染症研究所等と協力して、約8,000種の既存承認薬に対し、ウイルス由来のメインプロテアセーゼの立体構造に基づいたドッキングスコアと相互作用フィンガープリント法によるインシリコスクリーニングを実施しました。 その結果、新型コロナウイルス治療薬の候補の1つとして抗エイズウイルス(HIV)薬ネルフィナビルを同定しました。 本発表では、ネルフィナビルに加え、作用メカニズムの異なる白血球減少症治療薬セファランチンによる作用機序解析状況についても紹介します。
講演3  13:55-14:10 
COVID-19診断用高速リアルタイムPCRシステム

産総研 バイオメディカル研究部門 研究グループ長  永井  秀典 
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査には、主にリアルタイムPCR法が、鼻から採取した粘膜等の中に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2ウイルス)が含まれているかどうかを調べるために使われます。 ただし、温度の上げ下げを伴うリアルタイムPCRにはどうしても時間がかかるため、検査時間をいかに短縮するが課題になっていました。 本発表では、数百μm幅の微小なマイクロ流路を用いて、温度の上げ下げ時間を従来の10分の1程度に短縮した技術を紹介します。 本技術はすでにGeneSoCの名称により製品化されており、PCR検査に基づく感染症検査の迅速化に寄与することが期待されます。
講演4  14:10-14:20 
信頼性の高い核酸計測に向けて~計量トレーサブルな核酸定量への取り組み~

産総研 物質計測標準研究部門 研究グループ長  加藤  愛 
ウイルス検査や遺伝子組換え食品検査など様々な分野でPCR法(ポリメラーゼ連鎖反応)による核酸定量技術の利用が進んでいます。 様々な検査キットや検査装置、検査プロトコール等によって得られた核酸定量結果の信頼性を向上させるためには、各々の結果を同じ土俵で比較可能にするための「ものさし」が必要です。 産総研・計量標準総合センターでは、核酸定量の「ものさし」技術として、計量学的なアプローチによる高精度な核酸絶対定量技術の開発を進めており、その手法の詳細や国際整合性確保への取り組みについてご紹介します。
講演5  14:20-14:30 
15分でスマホで検査するCovid-19 IgG ELISAキットと全自動診断装置の開発

産総研 健康医工学研究部門 主任研究員  渕脇  雄介 
新型コロナウイルス感染症検体に含まれる蛋白を、スマホとチップで、15分以内にオンサイトELISAが実現するキットを開発しました。 イムノクロマト法による抗体検査とは異なり、複数のIgGをELISAにより正確に定量することが可能です。 実際に新型コロナウイルス膜表面蛋白のスパイク蛋白S1に対するIgGと、受容体結合ドメイン(RBD:receptor binding domain)に対するIgGを同時に15分で定量することに成功しました。 さらに試薬の滴下と撮影・解析等を自動化した全自動装置も開発しました。早期の実用化を目指して、臨床試験や共同研究を開始できる医療機関及びパートナー企業等を募集しております。