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メチレンブルー吸着量の測定方法 (JIS Z 2451: 2019)

2019年3月に、ベントナイト(粘土鉱物資源)の代表的な性能評価手法であるメチレンブルー吸着量の測定方法がJIS制定されました。産業技術総合研究所(以下、産総研)の地圏資源環境研究部門はこのJIS規格の原案作成団体であり、JIS制定において中心的な役割を担いました。このページでは、JIS Z 2451についての情報を掲載します。
JIS z 2451:2019図

ベントナイトとは

スメクタイトという粘土鉱物を主成分とする粘土岩。膨潤性、陽イオン交換性、増粘性などの多様な性質をもつため、様々な産業分野(鋳物、土木建築、ペット用トイレ砂、化粧品など)で利用されています。

メチレンブルー吸着量の測定方法

メチレンブルーは青色の色素であり、ベントナイトの主成分であるスメクタイトに選択的に吸着します。メチレンブルー吸着量の測定方法は、ベントナイトのスメクタイト含有量を見積もる手法です。ベントナイトのメチレンブルー吸着量はベントナイトの有用性に相関します。

JIS Z 2451: 2019の特徴

メチレンブルー吸着量の標準測定方法は、日本ベントナイト工業会が1977年に制定し(JBAS-107-77)、その後1991年に改定しました(JBAS-107-91)。しかし、JBAS-107-91は詳細な手順が規定されておらず、測定値の個人差が大きいという問題がありました。この問題を解決するため、JIS Z 2451には以下の特徴があります。

  1. JBAS-107-91を改定してスポット法を規格化
  2. JBAS-107-91はスポット法と呼ばれる測定方法に準じています。今回のJIS制定では、JBAS-107-91を改良し、詳細な手順まで規定したスポット法を提案しています。

  3. 新たに比色法を規格化
  4. スポット法はろ紙上に垂らしたメチレンブルーのにじみの幅を目視により読みとって吸着量を求める手法であり、簡便に迅速な測定ができる反面、測定値の個人差を完全に無くすことが難しい手法でもあります。そこで、今回のJIS制定では、スポット法とともに比色法を並列で規定しました。比色法は吸光光度計による定量分析を行って吸着量を求めるため、測定値の個人差が極めて少ない手法であると言えます。

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