メチレンブルー吸着量の測定方法 (JIS Z 2451: 2019)
ベントナイトとは
スメクタイトという粘土鉱物を主成分とする粘土岩。膨潤性、陽イオン交換性、増粘性などの多様な性質をもつため、様々な産業分野(鋳物、土木建築、ペット用トイレ砂、化粧品など)で利用されています。
メチレンブルー吸着量の測定方法
メチレンブルーは青色の色素であり、ベントナイトの主成分であるスメクタイトに選択的に吸着します。メチレンブルー吸着量の測定方法は、ベントナイトのスメクタイト含有量を見積もる手法です。ベントナイトのメチレンブルー吸着量はベントナイトの有用性に相関します。
JIS Z 2451: 2019の特徴
メチレンブルー吸着量の標準測定方法は、日本ベントナイト工業会が1977年に制定し(JBAS-107-77)、その後1991年に改定しました(JBAS-107-91)。しかし、JBAS-107-91は詳細な手順が規定されておらず、測定値の個人差が大きいという問題がありました。この問題を解決するため、JIS Z 2451には以下の特徴があります。
- JBAS-107-91を改定してスポット法を規格化 JBAS-107-91はスポット法と呼ばれる測定方法に準じています。今回のJIS制定では、JBAS-107-91を改良し、詳細な手順まで規定したスポット法を提案しています。
- 新たに比色法を規格化 スポット法はろ紙上に垂らしたメチレンブルーのにじみの幅を目視により読みとって吸着量を求める手法であり、簡便に迅速な測定ができる反面、測定値の個人差を完全に無くすことが難しい手法でもあります。そこで、今回のJIS制定では、スポット法とともに比色法を並列で規定しました。比色法は吸光光度計による定量分析を行って吸着量を求めるため、測定値の個人差が極めて少ない手法であると言えます。