測定方法の選び方
JIS Z 2451(2019)では、ベントナイトのメチレンブルー吸着量を測定する手法として、スポット法と比色法の2つを規定しました。このページでは、スポット法と比色法のどちらを選べばよいかについて解説します。
物
比色法を行うためには吸光光度計が必要なので、吸光光度計を持っておらず、購入する予定もない場合はスポット法を選ぶことになります。
人
スポット法は、ろ紙上に作製したスポットの周りのハローの幅を目で見て読みとって吸着量を求めます。ハロー幅の読み取りは目視で行うため、どうしても試験者による違いが出てしまいやすいです。これを最小限にするため、スポット法の試験者はできるだけ少人数で固定し、いつも同じ人間が試験を行うようにした方がいいと考えます。また、試験者が1名以上いる場合は、定期的に同一試料を測定してハロー幅の読み取りに差が生じないように確認し合う必要があると考えます。比色法の場合は、試験者によって違いが生じる操作は基本的にないので、複数の人間が流動的に試験を行うことが可能であると考えます。
測定精度
スポット法はハロー幅の読み取りの操作で試験者による違いが出やすいため、測定精度は比色法よりも劣るという意見がある一方で、試験者を少人数に固定し試験者間で定期的に手合わせ試験を行えば高い測定精度が得られるとの意見もあります。したがって、スポット法による測定精度は試験者の熟練度に依存する(熟練度が高い場合は高い測定精度が期待できるが、熟練度が低い場合は期待できない)と考えます。比色法は、試験者によって違いが生じる操作は基本的にないので、JIS規格通りに実施することができれば、試験者の熟練度に関わらず高い測定精度が期待できると考えます。