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第2回 インタビュー

金城正信

金城産業株式会社

[CLUB会員/リサイクル業]

代表取締役 金城正信氏

金城産業は、四国屈指の処理設備を有す総合リサイクル企業であり、ゼロエミッション型社会への推進と地域の環境意識向上のための啓蒙活動に積極的に取り組んでいます。インタビュー第2回では、小型家電リサイクル認定者協議会会長で、SUREコンソーシアムの企画委員としてもご活躍いただいている代表取締役の金城正信氏にお話を伺いました。


地元地域でゼロエミッション完結を目指す(1)

---まず初めに、金城産業の概要をご紹介ください。

愛媛県松山市に本社がありまして、皆さんがお使いのいろいろな商品を中心に、複合素材のリサイクルを手掛けている会社です。創業は昭和2年で、リサイクルなどという言葉がない時代から循環の仕事をしています。目下は創業100周年を迎えるにあたって、「ゼロエミッションを自社と地元地域で完結させる」「マテリアルリサイクル率の向上を追求」「リサイクル技術の開発推進により独自技術を確保」「地域や社会の一員として環境や文化等に貢献」「リサイクル資源の高品質化」というテーマを掲げた「チャレンジ2026」という取り組みを行っています。

---ゼロエミッションとは、1994年に国連大学が提唱した日本発の考え方で、廃棄物を限りなくゼロにすることを目指した理念・手法ですね。産総研にも「ゼロエミッション国際共同研究センター」が設立されたばかりです。

私がゼロエミッションに出会ったのは1996年です。当時、日本青年会議所に出向して省資源循環型社会システム推進委員会の委員をやっていたことから、ゼロエミッションを勉強することになり、国連大学で、提唱者であるグンター・パウリ氏から直接レクチャーを受けるチャンスに恵まれました。
  正直なところ、私はその時まで、リサイクルをビジネスとしか考えていませんでした。しかし、ゼロエミッションに出会って、私共のやっている仕事は、単なるビジネスだけではなくて、「世界の環境をより良くする活動に通じる」、「環境で社会貢献できる」ということが分かりました。以来、あらゆるリサイクル案件に対して、「ゼロエミッションをできるだけ推進する」という姿勢で取り組んできました。

---「ゼロエミッションを自社と地元地域で完結させる」とは、どういうことでしょうか?

循環ループというのは、できるだけ小さく回す方がいい。愛媛県の中で消費された商品は、県内でリサイクルして、県内で最終的に資源として使われるのが理想です。私は、ゼロエミッション型社会のキーワードになるのは、Refuse(断る)、Reduce(発生抑制)、Reuse(再使用)、Repair(修理)、Recycle(リサイクル)の「5R」と考えています。この5Rは、消費者の方に「循環型社会を作ることが非常に大切なのだ」という意識を持ってもらわなければ実行できません。そこで私共は、地域の皆様に対して様々な環境教育活動を行っています。学校や会社を訪問して講演をしたり、地域のイベントでワークショップを開催したり…昨年度は、小学生から高齢者のグループまで、延べ1400名を超える方々に講演をさせてもらいました。コロナ禍で講演活動やイベントがやりにくくなってしまいましたので、今は、かるた作りに取り組んでいます。

---リサイクルを推進するためだけの啓蒙活動ではないのですね。

物を大切にするということは、我々リサイクラーにとっては、リサイクルする物が減るということです。でも、そんな小さなことでないのです。循環型社会の一番地は物を大切にすることですから。物を購入する時に本当に必要かよく考える、壊れたら修理する、使わなくなったら使う人に回す。本当に使えなくなってからが、我々の出番です。最初にできるだけマテリアルにして、マテリアルにできないものをサーマルリサイクルし、ケミカルリサイクルする。最後に、どうしようもないものが埋め立てに回りますが、できるだけ減らし、ゼロエミッションにすることを目指しています。
  環境教育活動によって循環型社会に理解がある人を増やし、「最後にはリサイクルしないといけない、愛媛でリサイクルするならどの会社に出すべきか?」という時に、金城産業を思い浮かべていただけたらいいと思っています。地域の方が、リサイクルに出したい時に、すぐ、気軽に出せるように、ドライブスルー方式で直接回収するエコステーションも運営しています。