メートル条約
メートル条約とは
単位の確立と国際的な普及を目的として、1875年5月20日にパリで、17カ国の代表により締結された「メートル法を国際的に確立し、維持するために、 国際的な度量衡標準の維持供給機関として、国際度量衡局を設立し、維持することを取り決めた多国間条約」です。 日本は1885年(明治18年)に条約に加入しました。 その後、国内単位の統一をはかり、土地や建物の表記を除き1959年からメートル法が完全実施されました。 現在、メートル条約加盟国は63カ国、準加盟国は39カ国です(2021年1月現在)。組織
メートル条約に基づく組織の概略は下図の通りです。 国際度量衡総会(CGPM)は最高機関であり、ほぼ4年毎に開催されています。 国際度量衡委員会(CIPM)は国際度量衡総会の決定事項に関する代執行機関であり、 事実上の理事機関でもあります。国籍を異にする18名の委員で構成されており、我が国は1907年以降委員会の一つの席を占めています。 また2019年から同委員会の幹事に就任しています。 諮問委員会は、国際度量衡総会から国際度量衡委員会に委託された標準に関する国際的な研究課題を、具体的に検討する任務を持っています。 各委員は主要加盟国の国家計量標準機関を中心に構成されています。国際度量衡局(BIPM)は国際度量衡委員会の直接監督下に置かれ、この機関の事務局であると同時に標準に関する 国際的な研究課題の幾つかを直接担当している研究所でもあります。パリ郊外のセーヌ河沿いにあって、ここの原器庫に国際キログラム原器が保管されています。 常勤職員数は約70名です。
新たなる展開
近年のグローバル化の潮流の中で、主として標準に関わる国際通商上の障壁を軽減する目的で、1999年10月に各国の国家計量標準機関間で、各国計量標準についての同等性を 相互承認する取決め(Mutual Recognition Arrangement: CIPM MRA)が締結されました。 これは、各国計量標準の同等性を確認し、各国の計量標準機関が発行する校正証明書をお互いに承認しようとする内容であり、これを実行するための国際的なシステムを構築中です。 地域計量組織及び国際度量衡局合同委員会 (JCRB) が指導的に推進しています。 上記の取り決めが明示しているように、各国の国家標準の定期的な国際比較の実行が必要不可欠であり、全般的に計量標準技術の向上も期待されます。