組織改編により、旧精密結晶構造解析グループと熱物性標準研究グループおよび有機化合物のスペクトルデータベースのメンバーを融合した材料構造・物性研究グループが発足しました。
ニュース一覧
竹谷上級主任研究員の論文がPhysical Chemistry Chemical Physics誌の表紙に採用されました。
NMIJ成果発表会(1/31-2/4)で発表します
2021年度 NMIJ成果発表会 特設ページにて1/31~2/4の間、オンデマンドによりグループの研究の一部をポスター発表いたします。
申し込みサイト
https://unit.aist.go.jp/nmij/public/events/seika/2021/index.html
(物質計測標準研究部門⇒材料構造・物性研究グループです)
P-C-56 オレイン酸類の高圧物性測定
P-C-57 固体ヨウ素の二つのインコメンシュレート相の結晶構造解析Ⅱ
P-C-58 リュウグウの熱拡散率の評価
P-C-59 環境制御下における水の相転移現象のX線回折その場観察
P-C-60 情報量規準を用いたピコメートル精度の単結晶精密原子構造解析
P-C-61 AIST先端ナノ計測施設(ANCF)固体NMR共同利⽤の成果事例
メンバーを更新しました
志賀拓磨さんが新しく主任研究員に着任しました。
大沼恵美子さんが新しくテクニカルスタッフに着任しました。
プレスリリースのお知らせ(独自の非接触計測技術で小惑星リュウグウの試料の熱物性を分析)
リュウグウから持ち帰った試料の初期分析を行う6つのチームのうち、大型粒子を対象とした「石の物質分析チーム」(プロジェクトリーダー=東北大学 中村 智樹 教授)は、リュウグウがどのように形成されて進化を遂げてきたかを解明することを目的とし、回収された試料の中でも1 mm~8 mmの大きさを持つ計17個の大型粒子を対象として、鉱物学的、岩石学的、物理特性的見地から分析を進めました。当グループは、「石の物質分析チーム」の一員として、「スポット周期加熱放射測温法」により物理的特性である熱拡散率の評価を実施しました。
プレスリリース 独自の非接触計測技術で小惑星リュウグウの試料の熱物性を分析
本研究成果は、はやぶさ2ミッション初期分析チームの石の物質分析チーム(チームリーダー=東北大学 中村 智樹 教授)の成果の一部であり、分析結果をまとめた論文が、2022年9月23日付アメリカ科学雑誌「Science」オンライン版に掲載されました。(JAXAプレスリリース https://www.jaxa.jp/press/2022/09/20220923-1_j.html)
論文情報
雑誌名:Science
論文タイトル:Formation and evolution of carbonaceous asteroid Ryugu: Direct evidence
from returned samples
著者:T. Nakamuraら計221名(名大関係者:H. Nagano, S. Watanabe, T. Ishizaki(現JAXA),
R. Fujita, A. Abdulkareem, 産総研関係者:T. Yagi, Y. Yamashita)
DOI:10.1126/science.abn8671
ERATO内田磁性熱動体に参画します!
物質・材料研究機構 磁性・スピントロニクス材料研究拠点の内田 健一グループリーダーによるJST 「ERATO磁性熱動体」が開始されます。当グループは時空間熱計測グループとしてERATO磁性熱動体に参画いたします。
令和4年9月26日 国立研究開発法人 科学技術振興機構
戦略的創造研究推進事業における令和4年度新規研究総括および研究領域の決定について
志賀 拓磨 主任研究員がアジア熱物性学会のYoung Scientist Awardを受賞
3年おきにアジア圏内で開催されるAsian Thermophysical Properties Conferenceにおいて、志賀 拓磨 主任研究員がアジアにおいて熱物性研究に多大な貢献をした若手研究者に授与されるATPC Young Scientist Awardを受賞しました。
ポスドクとテクニカルスタッフを募集します!
博士研究員とテクニカルスタッフの募集を開始しました。
■博士研究員
・パルスレーザを用いた熱物性計測技術の開発 1名
・格子および界面の熱伝導計算技術の開発 1名
JST ERATO事業内田磁性熱動体プロジェクトに関する研究に従事します。レーザー光学系の経験や熱伝導率計測に興味がある、第一原理計算や格子動力学、分子動力学の経験がある、そして先端研究に意欲のある方はぜひご応募ください!
■テクニカルスタッフ
・NMR設備およびデータ管理における補助(有機物質のスペクトル評価の補助)1名
各募集名をクリックするとそれぞれの募集要項にリンクしますので、雇用条件などの詳細はそちらからご覧ください。
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竹谷上級主任研究員の共著論文がEditors’ Highlightsに選ばれました
竹谷上級主任研究員が発表した共著論文がNature CommunicationsのEditors’ Highlightsに選ばれました。
クラスレートハイドレートの結晶構造のうち、水分子の水素結合ネットワークは、合金結晶の構造として広く知られるFrank-Kasper(FK)型構造との相関が知られています。クラスレートハイドレートの安定な結晶構造としては主に3種類の存在が知られるのみですが、FK型構造では30種近くもの安定構造の存在が知られています。本論文では、分子動力学シミュレーションにより、クラスレートハイドレートの核形成や構造相転移の過程において、準安定なFK型構造が現れることを明らかにしました。この結果は、水素結合ネットワークの多様性により、様々な物質の核生成や相転移のメカニズムの理解へと応用可能なものです。
"Topological dual and extended relations between networks of clathrate hydrate
s and Frank-Kasper phases"
Yong Chen, Satoshi Takeya, Amadeu K. Sum
Nature Communications, 14, 596, (2023)
Editors’ Highlights of Materials science and chemistry https://www.nature.com/collections/eecgdgijhh
山下主任研究員の共著論文がFeatured Articlesに選ばれました
山下主任研究員が発表した共著論文がApplied Physical LettersのFeatured Articlesに選ばれました。また、AIP
PublishingのScilightで記事化されました。
"Interface design of transparent thermoelectric epitaxial ZnO/SnO2 multilayer
film for simultaneous realization of low thermal conductivity and high
optical transmittance"
Takafumi Ishibe, Yuki Komatsubara, Toranosuke Katayama, Yuichiro Yamashita,
Nobuyasu Naruse, Yutaka Mera, Azusa N. Hattori, Hidekazu Tanaka, and Yoshiaki
Nakamura
Applied Physics Letters, 122, 041603 (2023)
熱電材料の中でも可視光対して透明な熱電材料があります。熱電材料では、性能向上のためにナノ構造を利用した低熱伝導化技術が知られていますが、ナノ構造界面は可視光透過性を減少させます。本論文では熱伝導率と可視光透過率の同時制御に関する次の3つのアプローチ
(1)ヘテロ界面での大きな原子質量差による低熱伝導率化、(2)同じ屈折率を持つ材料から成るフラットなヘテロ界面による高い可視光透過率、(3)エピタキシャルヘテロ界面による散乱の少ない電子キャリア輸送を提案しました。これら提案にマッチするエピタキシャルZnO/SnO2多層薄膜により、透明熱電材料を実証しました。本研究成果は、窓ガラスなど建築材料での熱電発電の実用化への貢献が期待されます。
Featured Articles紹介
https://aip.scitation.org/topic/collections/featured?SeriesKey=apl
Scilight記事
M. J-.Groh, “Future windows could generate electricity with multilayer film advances”, Scilight, 26 Jan. 2023, AIP Publishing