< 2008年岩手・宮城内陸地震速報

緊急現地調査速報(第5報:2008.6.20)

金田平太郎・粟田泰夫・安藤亮輔

 

奥州市衣川区餅転(地点1)において,二カ所で見つかっていた道路舗装面やガードレールの折れ曲がりから水平短縮量を測定したところ,それぞれ約40cmの短縮が生じていることが分かりました.

水平短縮を測定したのは以下の黄色四角で示した2箇所.橙色で示した餅転橋の北側(A)ではアスファルト舗装面の折れ曲がりを用い,水田に現れた断層が道路を横切る箇所(B)ではガードレールの折れ曲がりから短縮量を測定しました(地図上の道路位置は航空写真からずれていることに注意).(第3報の図に加筆)

 

 

写真1:A地点の舗装面の折れ曲がりの様子.

A地点の舗装面の折れ曲がりの様子.

 

写真2:B地点のガードレールの折れ曲がりの様子.

B地点のガードレールの折れ曲がりの様子.

 

写真3:証言をいただいた藤原氏のお宅から,100mほど南に離れた餅転橋を望む.

緑色の欄干の手前に道路舗装の折れ曲がりがはっきりと見られます.

証言をいただいた藤原氏のお宅から,100mほど南に離れた餅転橋を望む.

 

奥州市餅転地点での地震時の目撃証言 08/6/20

奥州市衣川区餅転(もちころばし)地区(地点1)にお住まいの藤原金悦さんから,自宅前の餅転橋付近の地震時の状況について,以下のような証言をいただきました.

「最初の揺れが来て,すぐ外に出た.すると,激しい揺れが来て,近くの地面(自宅の敷地内)に地割れができた.柱にしがみついて,目が橋の方に行った瞬間に,一気に(路面が)盛り上がった.そのあとも,かなり長い間ゆれていた.」

この証言から,P波のあとS波が来て,その直後に地表の変形が生じたことがわかります.

金田平太郎・粟田泰夫・安藤亮輔

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