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2013年淡路島付近の地震(M6.3)の震源域周辺の応力場

今西和俊・桑原保人(地震発生機構研究チーム)

2013年淡路島付近の地震(M6.3)の震源域周辺の応力場の特徴を明らかにするために,定常観測網の地震データを利用して微小地震のメカニズム解を推定した.解析期間は2003年1月1日から淡路島付近の地震が発生する前までで,マグニチュードは1.5以上である(最大はM3.5).圧縮軸は広域応力場(Kubo et al., 2002)と調和的な東西方向を示す.メカニズム解のタイプに着目すると,震源域の北部と西部は1995年兵庫県南部地震と類似した横ずれ型であるが,震源域の中は逆断層型と横ずれ型が混在していることがわかる.

推定されたメカニズム解(下半球投影).

 

図1 推定されたメカニズム解(下半球投影).メカニズム解のタイプを視覚的に判断しやすくするためにFlohlich (1992) の三角ダイアグラムを使い,逆断層成分,正断層成分,横ずれ成分のそれぞれの比率に応じて色分けを行った.逆断層型および逆断層成分を多く含む地震のメカニズム解に*をつけている.本震のメカニズム解については,防災科研のF-net解を示す.赤丸は,気象庁暫定震源(2013/4/13 05:00 - 2013/4/13 24:00)による.青線は産総研活断層データベースに収録された活断層.

 

謝辞:メカニズム解推定には産総研の観測波形データに加えて,防災科学技術研究所(Hi-net),気象庁,東京大学地震研究所,京都大学防災研究所のデータも使用させていただきました.震源のプロットには気象庁一元化カタログ(暫定震源)を使用しました.

図の作成にはGeneric Mapping Tool (Wessel and Smith, 1998)を使用しました.記して感謝いたします.

 

参考文献

Flohlich, C. (1992), Triangle diagrams: ternary graphs to display similarity and diversity of earthquake focal mechanism, Phys. Earth Planet. Interiors, 75, 193-198.

Kubo, A., E. Fukuyama, H. Kawai, K. Nonomura (2002), NIED seismic moment tensor catalogue for regional earthquakes around Japan: Quality test and application, Tectonophysics, 356, 23-48.

Wessel, P. and W. H. F. Smith (1998), New, improved version of the Generic Mapping Tools released, EOS Trans. AGU, 79, 579.