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メチレンブルー吸着量の測定方法 (JIS Z 2451: 2019)

ベントナイトの分散方法

ベントナイトは粘性が高いため、水中で分散しづらいことが知られています。JIS Z 2451では、ベントナイトを二りん酸ナトリウム溶液に投入した後に、その液を10分間沸騰させる(煮沸分散)か、その液に20分間超音波を流す(超音波分散)のいずれかの方法で分散させると規定しています。超音波分散の分散時間を煮沸分散よりも長く規定した理由は、超音波分散と煮沸分散を同じ時間(10分間)行った場合、煮沸分散によって分散させた場合のメチレンブルー吸着量は超音波分散によって分散させた場合の吸着量よりも高くなることが報告されたためです [1]。  煮沸分散は溶液の沸騰による発泡を利用してベントナイトを分散させますが、発泡の強弱は数値化できないため、異なる試験機関間で統一することが難しいです [2]。JIS Z 2451では、煮沸分散の際の発泡の強弱について「突沸させずに沸騰させる」「煮沸開始時間はコニカルビーカー又は三角フラスコ内にて全体に気泡が発生し始めたときとする」「煮沸状態は、沸騰によって溶液が跳ね上がって時計皿(コニカルビーカー又は三角フラスコの口にふたとして乗せる)に届くことのない程度とする」と規定しています。  ここに、参考までに、産総研にて行った煮沸分散の動画を掲載します。
煮沸分散の様子

ホットプレートを用いて試料溶液を沸騰させます。沸騰により水が蒸発して溶液量が減少するのを防ぐためにビーカーの口に時計皿を乗せます。時計皿を下に凸に乗せる理由は、時計皿に付着した水分が時計皿の曲面に沿って流れてビーカー内に戻るようにするためです。

煮沸分散後の放冷の様子

ホットプレートをOFFにしてもすぐには沸騰が終わらないため、ホットプレートから試料溶液が入ったビーカーを下ろして放冷します。放冷中の水分の蒸発を防ぐために、時計皿はビーカーの口に乗せたままにします。

  • 参考文献 [1]: JIS Z 2451 (2019) 解説書
  • 参考文献 [2]: 三好ほか(2018)粘土科学 第57巻 第2号 p. 11 – 17.

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