研究グループ 概要
メタンハイドレート生産技術グループ
ブルー水素・ブルーアンモニアの原料となるメタン資源として期待されている天然メタンハイドレート資源開発において、天然メタン資源の生産性評価のための貯留層モデル構築に資する天然コア特性分析を行っています。また、CO2ハイドレート によるCO2の地層固定やガスハイドレートのガス分離機能を利用したCO2分離など、カーボンニュートラルなメタン資源開発に向けた排出CO2削減のための取り組みを行っています。さらには、ガスハイドレート特有の物性(熱物性やゲストホスト相互作用)解明などによる基本特性の理解を通じ、ガスハイドレートの機能を工業的に活用する研究開発を行っています。
キーワード:炭素資源、天然メタンハイドレート、保圧コア解析、ガスハイドレート、CCUS
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- a) 圧力コア(10 MPa, 4℃):東部南海トラフより採取したメタンハイドレートを含む砂質堆積物
- b) 圧力コアサンプルの保圧保管
- c) 深海底の温度・水圧・地盤応力条件を再現した力学・浸透率計測装置
メタンハイドレート開発システムグループ
ブルー水素の原料としても位置付けられているメタンの供給源として期待される、砂層型および表層型メタンハイドレートの資源化に必要な要素技術の開発を進めています。MH 貯留層の解析・モデル化、ガス生産時の流動保証等の実践研究、表層型MH の回収・生産手法の検討、MH 資源開発フィールドを用いたハイドレートによるCCS 技術に関する検討も開始しました。当グループでは、上記の研究に必要なインヒビタの作用機構の解明や蓄熱・ガス分離特性の解明などのハイドレートの機能活用に関する目的基礎研究も併せて実施し、様々なハイドレート研究の評価・解析技術の開発と新規テーマの創出、および技術の社会実装にチャレンジしています。
キーワード: メタンハイドレート資源開発、ハイドレート機能活用、インヒビター開発、セミクラスレート探索
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炭化水素資源転換グループ
炭化水素資源をクリーンかつ高効率に有効利用するための転換プロセス及び分析技術に係る研究開発を推進しています。超多成分の炭化水素分子の混合物であるバイオマス、各種廃棄物、石油、石炭などを分子単位で解析する技術開発を通じ、メカニズム解明や、新規転換プロセスを提案します。様々な反応実験、反応シミュレーション、プロセス・システム解析に係る技術開発を通じ、分子反応~反応器~社会・環境というナノ~マクロを全体最適化した高効率転換プロセスを提案します。
キーワード: 炭化水素資源、バイオマス、廃棄物、石油、石炭、アスファルテン、コークス、詳細構造解析、プロセス・システム解析、抽出、原料前処理、高付加価値化、熱分解、ガス化、接触分解、ファウリング
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エネルギー変換プロセスグループ
石炭や天然ガスなどの既存の化石資源を高効率かつクリーンに利用する技術、再エネ由来水素あるいは工場などから排出されたCO2を活用した合成ガスや化学基幹原料の製造するCCU技術の開発が持続的な低炭素社会に実現のために必要です。エネルギー変換プロセスグループでは、エネルギー資源有効利用における新たな物質転換を可能とする革新的な熱化学プロセスの構築をめざし、加圧反応装置、流動層反応装置などを用いた研究開発を進めています。
キーワード:化石資源、再生可能エネルギー、水素、CO2有効利用、化学変換プロセス
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エネルギー変換材料グループ
2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略において、様々な革新技術を早期に社会実装することが求められています。当グループがこれまで技術開発を推進してきた水素合成、CO2分解、CO2リサイクルなどはいずれもグリーン成長戦略の関連技術に位置づけられており、今後も引き続き積極的な研究開発が必要と考えられます。具体例として、高温水蒸気電解(SOEC)技術、二酸化炭素(CO2)と水(H2O)の共電解と炭化水素合成反応を組み合わせた高効率合成メタン(PtoGas)技術、高温溶融塩を用いたCO2直接電解(PtoSolid)および併産固体炭素の応用展開技術などの研究開発を企業や大学と連携して推進しています。
キーワード:SOFC-SOEC電気化学セル開発、共電解、合成メタン(e-methane)、CO2直接電解と併産固体炭素材料、中低温作動CO2電解
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エネルギー触媒技術グループ
低炭素社会の実現に向け、二酸化炭素の再資源化および再生可能エネルギーや未利用エネルギー資源の利用拡大を目指して、触媒、反応工学、電気化学をベースとした研究開発を実施しています。現在、再生可能エネルギー由来の水素・バイオマスや廃棄物・回収した二酸化炭素等を原料としてエネルギーキャリア・燃料(アンモニア、メタン、軽質炭化水素、バイオ燃料)および有用化学品を高効率に製造・利用するための新規触媒、材料およびこれらを用いた反応システムの開発を行っています。また、再生可能エネルギー由来の電力を直接利用する新規反応プロセスの開発にも取り組んでいます。
キーワード:触媒、カーボンリサイクル、合成燃料、電気化学、水素・エネルギーキャリア、バイオ燃料
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水素材料グループ
安全で経済的な水素社会に移行するためには、水素サプライチェーンの各種要素技術のさらなる高性能化、高効率化、低コスト化が不可欠です。当グループでは、その中でも再生可能エネルギー由来の水素を高圧ガス保安法等の制約を受けずに、高密度に貯蔵できる水素吸蔵合金の開発および高性能化(高容量化・高耐久化)を進めています。また、水素と水素吸蔵合金の反応の特徴を利用して、熱化学式水素昇圧、水素精製等の水素貯蔵以外の付加的機能への応用にも取り組んでいます。水素雰囲気中での材料評価技術を活用し、水素吸蔵に伴う合金の構造変化をとらえるなどの基礎的研究から、材料特性の向上を目指しています。
キーワード:水素貯蔵、水素昇圧、燃料電池自動車、水素ステーション
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