「ゲノム利用から切り開くバイオエコノミー」
日時:10月13日(水)14:30~15:30
場所:アネックスホール F201-202
場所:アネックスホール F201-202
概要 | 産総研では、バイオエコノミー社会の実現に向け、様々なアプローチで研究開発を進めています。
本セミナーでは、生命工学領域が取り組むバイオエコノミー推進に資する先端ゲノム利用研究として、天然化合物の誘導体創製技術の開発、微生物の物質生産能を向上させる遺伝子探索技術の開発、植物でのゲノム編集技術の高度化などについてご紹介します。
コーディネーター : 産総研 生命工学領域研究戦略部 研究企画室長 千葉 靖典 |
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講演1 | 14:30-14:50 革新的天然物化合物生産および誘導体創製技術 (創薬への応用) 産総研 細胞分子工学研究部門 研究グループ長 新家 一男 |
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天然化合物は強力な活性を示すと共に、人類の英知を越えた複雑な構造を持ち、長い間医薬や農薬等開発のリソースとして用いられてきた。
しかしながら、その複雑な構造であるが故に誘導体化が困難であることが産業開発におけるボトルネックであった。
我々は、100 kbを越える超巨大生合成遺伝子によって生合成される複雑な構造を持った化合物について、意図した構造を持つ誘導体を創製する技術の開発に成功した。 本講演では、その革新的天然化合物誘導体化技術とその応用について述べる。 | ||
講演2 | 14:50-15:10 情報科学で微生物を育種する? ネットワークモデリングの微生物育種への挑戦 産総研・早大 生体システムビッグデータ解析オープンイノベーションラボラトリ 副ラボ長 油谷 幸代 |
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バイオエコノミー実現にむけて化石燃料からの代替として微生物による物質生産が期待されています。
微生物による物質生産の実用化には、宿主微生物の生産性を向上させることが必須です。
そこで、我々は情報解析の一つであるネットワークモデリングという技術を使って、物質生産能を向上させる改変候補遺伝子を探索する技術を開発しました。
ネットワークモデリングは、従来法の代謝経路を基盤とした宿主改変法と異なり、遺伝子の発現データというデータドリブンな解析手法です。
この手法を用いることで、我々はいくつかの微生物宿主において生産能を向上させる新規改変候補遺伝子を発見することができました。 本セミナーではこの手法と適用事例について紹介します。 |
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講演3 | 15:10-15:30 ゲノム編集タンパク質の細胞内導入法 産総研 バイオメディカル研究部門 研究グループ長 加藤 義雄
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ゲノム情報を自由自在に書き換える「ゲノム編集技術」の登場により、遺伝子資源を利用した産業が期待されているところです。
しかし、植物におけるゲノム編集の実用化には、大きな課題が3つあります。
1つ目は細胞壁を乗り越えて物質導入するデリバリー技術、2つ目は多検体を定量的に解析操作するハイスループット技術、3つ目は特許権の問題です。
これらの課題を解決するため、NEDO事業「国産ゲノム編集技術プラットフォーム」にて、植物でのゲノム編集技術の高度化を進めてきました。 本講演では、タンパク質を植物細胞内に導入する技術と、植物でのハイスループットスクリーニングを中心に、研究事例を紹介いたします。 |
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