「バイオ×デジタル技術への挑戦」
Challenge to merging digital and biotechnologies
日時:10月13日(金)13:30~14:30
場所:アネックスホール F202
場所:アネックスホール F202
概要 | バイオ領域においてもゲノム情報を初めとする膨大なデータの中から必要な情報を抽出する技術が必須となりつつある。
また、生体計測、ロボット技術の進歩から、より精緻な生体情報をより正確に取り出すことが可能となってきた。
本セッションではロボット、計測、情報処理で最先端研究を進める研究者の講演を通じて、個体、組織、細胞情報のデジタル化がバイオテクノロジーにどのような革新をもたらすのか考察する。 コーディネーター : 産総研 生命工学領域研究戦略部 研究企画室 研究企画室長 萩原 義久 |
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講演1 | 13:30-13:50 ロボットと人工知能で拓くサイエンスの未来 /LabDroid:all purpose humanoid robot for life science 産総研 創薬分子プロファイリング研究センター 研究センター長 夏目 徹 |
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講演2 | 13:50-14:10 医療・農業への人工知能活用に向けた取り組みと大規模データ取得の課題 /Towards the application of artificial intelligence to medicine and agriculture with big-data observation issues 産総研 人工知能研究センター 研究チーム長 瀬々 潤 |
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講演3 | 14:10-14:30 先端フォトバイオラボにおけるIoTバイオセンシング・デバイスの研究開発 /R & D on Bio-sensing Device to IoT at PhotoBIO-OIL 産総研・阪大 先端フォトニクス・バイオセンシングオープンイノベーションラボラトリ 副ラボ長 脇田 慎一 |
「ITは創薬を変える/IT changes drug developments」
日時:10月12日(木)13:55~14:55
場所:展示会場内 D会場
出展者プレゼンテーション2@展示会場内
場所:展示会場内 D会場
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13:55-14:15 システムとしての生命現象の理解を目指して~メカニズム解明による新しい医薬品開発へ~ 産総研 生体システムビッグデータ解析オープンイノベーションラボラトリ 副ラボ長 油谷 幸代
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【概要】現在、バイオ分野に情報技術を組み合わせることで、医薬分野をはじめ食品分野、化学品分野など多岐にわたる産業への応用が期待されています。
産総研は、最先端のバイオデータを解析するために最適な情報技術をいち早く開発するため、早大と連携してオープンイノベーションラボラトリ(OIL)という新しいラボを作りました。
本ラボでは、最新の様々なデータに適用するための情報技術の開発と適用を実施し生体を一つのシステムとして理解することを目指しています。
本講演では、システムズバイオロジー的なアプローチとして、オーミクスデータ等の数値データから細胞内での遺伝子同士、タンパク質同士の相互作用を推定するネットワークモデリング情報解析技術の紹介とその適用例を行います。
実際にモデル生物データで行われた解析結果などから、何が見えるか、生命現象をモデル表示することによって見えてくるシステムとして生命について言及したいと思います。
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14:15-14:35 創薬ブースティングのゆりかご 産総研 創薬分子プロファイリング研究センター 副研究センター長 堀本 勝久
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【概要】多層オミックスデータと臨床情報を活用して、創薬の研究開発と臨床開発の両方に関与する解析パッケージを構築しました。 1)アウトカムに届く(薬効や疾患)分子機序を推定するパッケージ、2)疾患データから新規承認薬を探索する(ドラッグリポジショニング)、及び薬剤データから新規適用疾患を探索する(ドラッグレスキュー)パッケージ、3) 過剰適合を抑制するアルゴリズムを用いた前向きデータに頑強なマーカー探索パッケージ、です。特に、遺伝子発現とリン酸化に関しては、計測からデータ解釈までがパッケージ化されています。 | ||
14:35-14:55 『医薬品研究の自動化』をご支援します 産総研 バイオメディカル研究部門 主任研究員 石原 司
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【概要】少子高齢化が進む我が国では労働生産性の向上が危急の課題です。そこで我々は、産業界の持続的成長を支えうる研究の、特に、旧来より数年の歳月を伴う医薬品創出の自動化を掲げ、
進化の著しい機械学習による医薬候補品の自動設計、及び、深化の目覚しい機械化技術による其の自動合成が融合した自動探索装置の完成を目指しています。
自動設計装置は、医薬品創出に関する論文6.5万報を自動解析して獲得した暗黙知に基づき新規化合物を設計し、深層学習を含む機械学習により活性を推算します。自動合成装置は、多検体対応フローリアクターを基幹に、精製装置等と連携して合成します。
本装置はリアルワールドでの仮説検証を重視し、365日24時間稼動して医薬候補品を自律探索することを目標とします。その試験稼働にて臨床試験化合物に匹敵する化合物を自動で創出しました。本研究により創薬研究の効率化が期待されます。
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「見る・診る・視る 産総研のデバイス技術」
日時:10月13日(金)10:30~11:30
場所:展示会場内 D会場
場所:展示会場内 D会場
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10:30~10:50 遠心微小流体デバイスを用いた高速ELISAシステム 産総研 バイオメディカル研究部門 研究グループ長 永井 秀典
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【概要】様々な疾患に関連した各種バイオマーカーの定量には、高感度なサンドイッチELISA法が有用であるが、
長い測定時間や煩雑な操作が必要なことから、Point-of-care-testing(POCT)用途としての日常的な計測に適していない。そこで、微小化による界面反応の迅速化を利用したELISA用CD型流体デバイスを開発した。薄層化した形状として反応場を微小化することにより、
不均一な反応系である抗原抗体反応を5分程度まで高速化することに成功した。さらに、極微量の溶液操作に適した遠心力を利用することで、試料10 μlからの微量分析を実現した。以上、開発したPOCTに適した小型で迅速なELISAシステムを用いることにより、
健康で長寿な高いQOL社会を実現する総合的な日常健康診断技術として有効であると期待される。
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10:50~11:10 光でナノをみる。 産総研 バイオメディカル研究部門 主任研究員 加藤 薫
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【概要】SIM、STED等の各種の超解像顕微鏡の生体試料へのアプリケーションを進めています。SIMはモアレを利用した超解像顕微鏡で、産総研では、生体試料の動態観察を中心に行っています。
神経成長円錐の内部での分子の共局在を、数十nmの精度で動画で検証することに成功しました。また、STED顕微鏡は特殊な光学系と試料(色素)の性質を利用した超解像顕微鏡です。試料側を改善し、脳組織の細胞核内部のエピゲノム修飾を数十nmの分解能で観察することに成功しました。
生体組織のままでのエピゲノム解析を目指しています。また、未発表の手法を用いて、120nm程度の分解能で脳組織の3D観察に成功しました。我々の超解像イメージングの一部は、Cell pressのHPで紹介されました。
参考論文 Cell reports (2017) 18 p2203~2216
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11:10~11:30 極微量生体物質検出のための材料・デバイス 産総研 バイオメディカル研究部門 主任研究員 加藤 大
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【概要】生体中の極微量分子の簡便で迅速な計測方法の確立を目指した研究に取り組んでいます。最近ではメチル化DNAを簡便、 かつ、迅速に計測するため、従来用いられてきたバイサルファイト反応を用いない手法に着目しています。 例えば、メチル化シトシンを抗体でシーケンス選択的に検出する手法やそのデバイス化を行うことで、 世界最速でのメチルシトシン検出に成功しています。また、従来電極を遙かに凌駕する電位窓を有する ナノカーボン電極の開発に成功し、DNA中に含まれる4塩基、および、メチル化シトシン、あるいは脳内疾病マーカーについても直接的に酸化検出することを確認しました。 |
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