結晶構造データベース解析にもとづき強誘電体開発を進める中で、幾何学上2種類の分極反転機構が可能な、特異な水素結合型材料2,5-ジヒドロキシ安息香酸(DHBA) を見出しました。頭尾結合状に配置した水酸基の一次元鎖は極性をもち、その反転にはプロトン移動と水酸基のフリップフロップの二通りの経路が想定されました。理論計算によると、分極の向きと大きさが両者で全く異なることが示されました。実評価の結果は、自発分極値の大きさの理論値との整合性、同位体効果の弱さ、水素結合長に対する抗電場の小ささ、いずれにおいても、後者の機構で説明できました。
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J. Mater. Chem. C, 10 , 10099-10105, (2022): doi.org/10.1039/D2TC00233G
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