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研究成果

当グループの主な研究成果をご紹介します。

 2024  2023  2022  2021  2020  2019 2018~ 

トランジスタ内の μm スケールの電荷のダイナミクスを可視化する技術を開発

トランジスタ内に蓄積した電荷を可視化するゲート変調イメージング法の空間解像度と時間分解能を大幅に向上させ、多結晶性半導体の結晶粒界に起因する μm スケールの不均一な電荷分布を可視化するとともに、結晶粒界付近の電気伝導の様子を最高50ナノ秒の時間分解能で捉えることに成功しました。

詳しくは..
J. Appl. Phys. 123, 135301 (2018): doi.org/10.1063/1.5016884
Phys. Rev. Applied, 9, 024025 (2018): doi.org/10.1103/PhysRevApplied.9.024025
プレスリリース: https://www.aist.go.jp/aist_j/new_research/2018/nr20180622/nr20180622.html

薄膜トランジスタアレイの性能分布をイメージ化して一括評価する技術を開発

トランジスタにゲート電圧をかけた時に生じる半導体の光透過率・反射率の微小な変化をCMOSカメラで撮影して、デバイス性能の分布を光学イメージ化するゲート変調イメージング(Gate Modulation Imaging: GMI)技術を開発しました。この技術によりアクティブバックプレーンを構成する膨大な数のトランジスタの性能分布を短時間で検査することが可能になります。

詳しくは..
Org. Electron. 55, 187 (2018): doi.org/10.1016/j.orgel.2017.12.045
Org. Electron. 25, 289 (2015): doi.org/10.1016/j.orgel.2015.06.047
プレスリリース: https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2018/pr20180115/pr20180115.html
プレスリリース: https://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2015/pr20150702/pr20150702.html

低損失で高分極反転可能な有機反強誘電体材料

プロトン秩序ー無秩序相転移温度で大きな誘電応答を示す水素結合型有機誘電体結晶に強電場を印加することで反強誘電性の直接証拠である分極スイッチングを見出しました。四角酸(SQA)では、電場で誘起される電気分極は非常に大きく、その動作メカニズムはシート分極の90°回転で説明できます。同結晶の分極-電場履歴曲線では、優れた分極、高いスイッチ電場、ヒステリシスの小さいスリムな曲線を特徴としていて、大きな静電エネルギーを効率よく貯蔵できることを示しています。

詳しくは..
Chem. Sci. 9, 425 (2018). [https://doi.org/10.1039/c7sc03859c]

大気安定なN型特性を示す二成分系塗布型有機半導体の開発

 塗布製膜性に優れる層状結晶性の二成分有機半導体の開発に成功しました。これにより、二成分系材料のもつ優れた半導体機能(熱・大気安定性、n 型特性、狭ギャップ)を薄膜デバイスに応用することが可能になりました。

詳しくは..
Adv. Electron. Mater. 3, 1700097 (2017):  doi.org/10.1002/aelm.201700097
Org. Electron. 39, 184 (2016): doi.org/10.1016/j.orgel.2016.10.005
Appl. Phys. Lett.106.143303 (2015):  doi.org/10.1063/1.4918288
J. Mater. Chem. C 3, 1976 (2015): doi.org/10.1039/c4tc02481h

超室温有機強誘電体材料の分極性能最適化

超室温有機強誘電体である一連のプロトン互変異性結晶について、ドメイン壁のピン止め等の動作阻害要因を高電場印加処理により除くことで、動作を最適化し再現性も改善できました。その結果、BaTiO3超えの高性能であるクロコン酸を含め、Berry位相論に基づく分極シミュレーション結果(機能材料コンピュテーショナルデザイン研究センター 石橋 章司 上級主任研究員の計算)を高精度で実証しました。材料固有の分極特性が得られたことで、高性能化のための材料設計指針を明確にでき、今後の材料開発の加速が期待されます。

詳しくは..
Nature Commun. 8, 14426 (2017),
関連情報: 産総研論文賞受賞(2020),
Nature 463, 789 (2010) , Adv.Mater., 23, 2098 (2011) ,Mol. Sci., 5, A0041 (2011)

塗布型有機半導体材料の高性能化に向けたアルキル鎖置換効果の解明

優れたp型半導体であるベンゾチエノベンゾチオフェン骨格を様々に置換した誘導体について、結晶構造解析に基づく置換基効果の系統的な評価を実施し、アルキル鎖長がいかにパッキング構造や溶解度・熱安定性および印刷プロセス適合性を変調するかを解明することで、塗布型有機半導体の更なる高性能化に向けた材料設計指針を得ました。

詳しくは..
Chem. Mater. 29(3), 1245-1254 (2017).

超微細回路を簡便・高速・大面積に印刷できる新原理の印刷技術を開発

 紫外光照射でパターニングし、銀ナノ粒子を高濃度に含む銀ナノインクを表面コーティングするだけで、超高精細な銀配線パターンを製造できる画期的な印刷技術「スーパーナップ(SuPR-NaP;表面光反応性ナノメタル印刷)法」を開発しました。これにより、プラスチック基板に強く密着し、最小線幅0.8マイクロメートルの超高精細な金属配線を、真空技術を一切使うことなく、大面積基材上に簡便・高速に作製できるようになりました。

詳しくは.. Nature Commun. 7, 11402-1-9 (2016)
産総研プレスリリース

新しいインクジェット印刷法による有機半導体単結晶薄膜の製造技術

有機半導体を溶解させたインクと有機半導体の結晶化を促すインクを微小な液滴として交互に印刷するダブルショット・インクジェット印刷法を開発し、単結晶薄膜という極めて高品質な半導体層の印刷製造を実現しました。

詳しくは.. Nature 475, 364-367 (2011).
産総研プレスリリース

デザイン多用途型省エネディスプレイ

シャープ(株)と共同で、省エネルギー性能に優れ、かつ背景に対する透過視認性を有するフィールドシーケンシャル透過型カラー液晶ディスプレイの普及拡大に向けた社会実装研究を行いました。鉄道車両やホームドアに適用したユースケースにて、信頼性・安全性の基準化や標準化・共通化に向けた計画・方針の策定と体制構築を行いました。

文献名:平成27年度‐平成28年度成果報告書 クリーンデバイス社会実装推進事業 デザイン多用途型省エネディスプレイ (NEDO管理番号201700000005)

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