「バイオ計測技術で健康寿命を延伸する」
日時:10月12日(水)14:00~15:00
場所:アネックスホール F201-202
場所:アネックスホール F201-202
概要 | 産総研では、少子高齢化という社会課題解決に向けて、健康長寿社会の実現に資する様々な研究開発を進めています。
本セミナーでは、生命工学領域が取り組む健康寿命の延伸に資するバイオ計測研究として、毒性および有効性評価のためのセルベースアッセイ技術、ストレス関連性疾患や睡眠障害、うつ病の診断に有用なバイオマーカーの探索技術などについてご紹介します。
コーディネーター : 産総研 生命工学領域 研究企画室長 油谷 幸代 |
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講演1 | 14:00-14:20 多色リアルタイム発光測定系を用いたセルベースアッセイによる 毒性および有効性評価 産総研 健康医工学研究部門 研究グループ長 中島 芳浩 |
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各種の発光生物から単離された発光レポーター(ルシフェラーゼ)は生体情報を定量的に解析できるレポーター遺伝子であり、薬効、毒性、機能性評価等の様々なセルベースアッセイに広く用いられています。 これまで我々は、1種類の発光基質で複数色の発光を放つ多色発光レポーター遺伝子を開発するとともに、細胞を生かしたまま非破砕的にこれらの発光を検出する多色リアルタイム発光測定システムを構築しました。 さらに、人工染色体ベクターを利用し、明るく安定な発光安定細胞群を樹立しました。 本セミナーでは、細胞ストレス応答の動的変化を指標とした、化学物質の細胞毒性および天然物の有効性の評価事例について紹介します。 | ||
講演2 | 14:20-14:40 新しいストレスマーカーの同定:その生成機構と生理的作用 産総研 バイオメディカル研究部門 研究グループ長 七里 元督 |
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我が国ではうつ病、神経症性障害といったストレス関連性の精神疾患に184万人が罹患しています(平成29年 厚労省調査)。
心の不調を感じた時に、直接精神科を受診せず一般内科を受診する方が多く、診断・治療が遅れることも多いため、ストレス関連性疾患の診断に有用なバイオマーカーの探索が行われています。
我々は動物へのストレス負荷実験によって新しいストレスマーカー候補分子として 12-HETE (12-hydroxyeicosatetraenoic acid)を同定しました。 本講演では、脂質酸化酵素の活性化を介した12-HETE生成メカニズム、ストレスにおける生理的作用および産生阻害化合物とその効果に関して紹介します。 |
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講演3 | 14:40-15:00 睡眠障害やうつ病の未病状態を発見するためのバイオマーカーの開発 産総研 細胞分子工学研究部門 研究グループ長 大石 勝隆
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睡眠障害やうつ病などの心の病の診断は、本人の主観に依存することも多く、生活習慣病のような客観的に診断するためのバイオマーカーは存在していません。 最近のウェアラブルデバイスの進化により、睡眠や血圧などの生体情報を簡便に得ることが可能となってきたものの、心の病の発症に至るこれらの数値の閾値には大きな個人差が存在し、客観的なバイオマーカーの開発が期待されています。 私たちは、ヒトの睡眠障害やうつ病への外挿が可能な動物モデルを作製するとともに、ストレスに感受性の高い口腔内環境に着目し、唾液中の代謝物やマイクロRNAの網羅的な解析により心の病の未病状態を評価するためのバイオマーカーの開発を行っています。 |
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